時空管理局 特務機関NERV 旗艦艦長 リンディ・ハラオウン一等空佐
 若くして歴戦の、NERV旗艦スキーズブラズニル艦長。
 ここ最近を見るだけでも「P・T事件」「闇の書事件」と立て続けに大きな問題を片付け、それらのみですら彼女の手腕の見事さを物語るに十分な材料なのだが、そもそもこの若さで次元航行部隊の提督を任される事実そのものに、並大抵ではない実績があるのは窺える。
 彼女の幸運は、ギル・グレアム(当時)一等空佐の部隊に新兵として配属されたことだ。元々才知に優れ、士官学校での成績も上位であったものの、そのあまりにもリベラルな性格が問題視されることも多かったのだ。だがグレアムがあまりそういった「おちゃめ」に頓着しなかった。まぁ使い魔からしてあの調子なのだから、むしろ「もっとやれ」とすら思っていたのかもしれない(それもどうか
 そうして任務は困難だが功績を挙げるチャンスも多い環境の中着実に昇進を重ね、同僚から亭主をサーチ&デストロイし、息子も誕生。命のやり取りをする仕事なのだから、普通よりたくさん辛く苦しいこともあるけれど、それはそれとしてとんとん拍子に進む我が人生ってば順風満帆だわとなっていたが、十一年前の事件がその歯車を狂わせたのは、歴史の語るところ。
 現在は最前線を退き、指揮官として一歩後ろに位置することが殆どであるも、P・T事件最終盤で見せたように魔導師としての力量も極めて高い。かつてはゼスト隊の一翼を担った武闘派で、名実ともにストライカー級。
 こういった経歴を考えれば、往年の戦友再結集の感があるNERVへの参加も自然の流れであるが、組織運用における様々な昏い側面と、常軌を逸した危険さが明白な目的を前に、子供たちを麾下へ引き入れることには当初難色を示していたようだ。
 二人へその話を切り出した日の昼、亡き主人の墓前で彼女は何を語り、誓ったのであろうか。

 一方大の甘党でも知られる彼女であるが、今回の来日にあたって「せっかくだから、ナゴヤってところにある『山』に登ってみたいわ〜」と語り、誓っていたことをエイミィ・リミエッタ一等陸尉は証言する。