叢雲の守護騎士《ヴォルケンリッター》
「今の爆発は……奴は何をしたんだ?」
「え……えっと、腕部らしき部位からの触手による斬撃のようです。それが化石燃料貯蔵庫に引火したんですね」
 NERV旗艦スキーズブラズニルCICには地上で繰り広げられる迎撃戦の様子がリアルタイムに送り込まれていた。多重隠密化魔法を施された幾つもの「魔導師の眼」。それらが転移急速展開したことによってもたらされる映像は、母艦が衛星軌道上に存在するにも関らず様々な角度から対象を捉えている。
「速度は?」
「末端部で音速の六倍です。コレを避けるのは至難の業ですね」
 榴弾、対艦ミサイル、多連装ロケット弾。降り注ぐ無数の火力がもたらす爆炎が使徒を覆い隠す。
「これでは自然破壊にしかならんな」
「艦長! 自衛隊から魔導師へ救援要請が来ています!」
「対抗手段が無いものね……当然見殺しにするわけにはいかないわ」
「どう? 高町三尉無しでやれるかしら?」
「やるしかないでしょう。エイミィ、フェイトとアルフに非常呼……」
「その必要は無い」
たった今、増援が届いた