●Rec
#1


著者 花見沢Q太郎
出版社 小学館
掲載誌 月刊サンデーGX
発行日 2003/10/20
定価 533円
オタク 2.10
パロディ 1.40
シリアス 3.40
ギャグ 2.70
痛さ 1.60
好きさ 3.80
 声優王に、オレはなる!!
 ……間違えました。
 恩田赤、声優志望の少女。
 松丸文彦、製菓会社に勤めるサラリーマン。
 二人は、『ローマの休日』を上映する名画座で出会った。

 ってなわけでオタなら夢見ておかしくないっていうか夢見るだろっていうか明らかに大多数が夢見る派であろう、声優と付き合う(上に同棲)というミラクルドリームを描いた作品でございます。主人公はオタクじゃあないですが!
 火事で焼け出されたヒロインを主人公が拾っての共同生活という実にベタベタな導入によって展開される作品なのだが、そのヒロインの職業が声優というだけでこうも輝かしく映るのはオレがオタクだからに違いない。おそらく、同じ演じる人でも俳優の卵とかならボルテージは下がったであろうことは想像に難くなく(笑)
 妹、メイド、宇宙人、エトセトラエトセトラ。世に氾濫しまする同居物。その中で一際強い「憧れ」というファクターがこの作品にはあります。少なくとも自分にはっ!
 無論、単に声優だから萌えなわけでなく、赤が前向きで明るくて優しくてああもう実に良い娘でそりゃ魅力的だからなのは言うまでもない。
 敢えて個人的な不満を言わせてもらうとすれば、赤が「アニメ好きな人」というわけではないということかな。勿論声優という職業が大好きであることは事実なのですが、憧れが映画の吹替えみたいだし。ぶっちゃけ、オタだったらより好みだったということさっ!
 まぁこれは現実の声優さんに目を向けてみても、往年の名作や宮崎アニメが好きと言っている声優よりもオタクな作品の名前をバンバン好きって言えるアニオタな声優が好みな自分だから感じる不満、というか贅沢。親近感萌え。
 それはそれとして、作中ではそんな彼女がエロゲー声優という仕事を前に、恥ずかしさも相まって一段低く見てしまうエピソードがあるんで抜け目無い。
 隙あらば赤にエロいことをしようとする松前に対するシンクロ率が右肩上がりな展開で花Q漫画の基本テイストを踏襲しつつ、押さえるべきポイントを外していない。良く言えばまとまっている。悪く言えば斬新さに欠ける作品となっております。
 なんにせよ、オレも声優拾いたい。
edith
 ヒロインさんが声優やっているというだけで、殆どオタ臭さはありません。
 一応声優さんの彼女を持つという苦悩なども描かれていますが、どちらかというと、ドラマみたいな普通の恋愛ものかも(最近ドラマ見てないですが……)。

SW20
「声優拾った」
 と、帯にまぁ、それ系の人たちには衝撃的な謳い文句がついていて、それにつられて私もついつい買ってしまった一人……。
 話に関しては、赤の健気さに心打たれ、松丸の優柔不断さにやきもきしつつ、雨降っては固まるの繰り返し。まさにラブコメの王道と言った感じですが、ちょっと盛り上がりが足らないかなぁというのが正直な感想。
 しかし、声優が主人公ってだけで萌えているのも事実。
 というか、声優ってのは大分メジャーな仕事になったんだなぁと、別のとこで驚いたのは秘密。

m-hiro
 声優との同棲なんて、声オタなら一度は夢に見ますよね?いや、別に今、ファンである声優との同棲じゃなくてもいい!ただ漠然と「声優をしている彼女」と付き合いたい!!
 そう思ったこともあるはず……そういう人に取っては歯茎から血が出るほど羨ましい漫画です。
 序盤の展開の早さで「ありえないよ!こんなの!!」と思ってしまう点は、この手の押しかけ妻的な漫画でよく持つ感想ですし、食傷気味な人も結構いると思うのですが赤の扱われ方が、明らかに声優ではなく「アイドル的」で、今の声優アイドル化の煽りを超受けているなぁーと思ってしまい。
 声優オタの僕は、この漫画を好きにならざるを得ませんでした。赤が声優として可愛いし。

ゴルゴ31
 今までオタネタ百物語で紹介された作品の中では一番オタク度が低いのではないでしょうか。声優ネタよりもラブコメ部分に重点置いて描かれてますから……。しかし、「声優が恋人」というオタクドリームをストレートに描いてもいるだけに多くのオタク達から愛されている作品になっているかと。
 それに声優との恋愛や声優という仕事も正面から描かれていて意外とシリアスな作風になっていることが個人的に嬉しかったりしますね。

にゃろ
 萌え:10
 そんな項目ありません。てか五点満点だし!
 読み返してみたら、また萌え死ぬかと……。
 夢・挫折・すれちがい・成長……そんな二人の恋愛が、ほんわかと気持ちよく描かれています。
 キーワードのとおり、王道の展開のラブコメですが、そこがいいんです、はい。

東山海里
 声優さんがパンチラするラブストーリーです。(なんじゃそりゃ)。
 でも私にはラブストーリーよりも荷物をいっぱい持ってる女の子よりも、ネコでしたー♪うまいキーが気になってしょうがないっねこキ!食べたい!だきつきたいっ。

美月
 声優という仕事についてのノウハウを深く描かれている訳ではないし、声優とは関係の無い所で頑張ってるシーンが多々あるので、オタク漫画としては評価を下げざるを得ないけど、キャラの魅力は立っているしストーリー展開もしっかりしているので、読んでいてドキドキさせられます。今後の赤の成長と松丸との進展に期待。
 尚、オタ漫画を味わいたいならあとがきとカバー裏の漫画で。
 そして、この漫画を購入した際に誰もが「バスタオルかよ!」と嘆いたはず。

 火事で行き場のなくなったヒロインと一緒に生活する……そんなラブコメ漫画ではよくある話だけれど、テンポよく進む話と奇抜すぎないネタが楽しい。
 極悪人な登場人物がいないので読後感もよいが、なにより主人公の同僚の赤のファンっぷりが最高。

檸檬来夢
 この作品、それなりに面白いんだけど、花Qの面白さであって物語の面白さでは微妙に無いところが変。良くも悪くも花Q漫画。
 ほんと、声優という職業の娘の恋の話としか(^^;
 もう少しオタクっぽい側面が多ければ楽しめるんですけどね。

ワダツミ