■“天秤の守護者候補生”キャンペーン 第9回(パーティーレベル5)

 マッスルタワーならぬエレメンタルラボの攻略も大詰めを迎え、光の間を残すのみ!

 
 ドアを開けた冒険者達の前に、ニヤニヤしながらフィギュアを置くワダツミ。
DM「これから皆さんにヤシマ作戦をして貰います。というわけでラミエルの元ネタ」
クレリック「ああ、エロの?」
DM「使徒……エ、エロ!? なにそれ?」
クレリック「使徒の!(苦笑)」
DM「今エロっつったよねお前!?」
クレリック「チッゲーよ!」
DM「今エロつってたよねお前」
クレリック「明らかに違う! あとで見てみりゃいいじゃん!」(撮影してるビデオカメラを
DM「えー。今『エロ』つってたと思う人手を挙げて?」
 ワダツミ以外に三人挙手。
クレリック「いやいやいや。キミらおかしいから!」
DM「絶対言ってるって!」
(結末はここにテキストとして書かれてる時点で察して下さい)
 閑話休題。
DM「知識ロールの結果、いわゆる魔導砲撃系のゴーレムということがわかった。性能や外見は術者の趣味によって様々だが、今回は光系統ということでこんな風体なのだろう」
 というわけでイニシアチヴロールが振られ、ローグが先陣を切って突入する。
DM「自分を中心に閃光を放つ。うぉ、まぶしっ!ってなるんで意志セーヴしてください」
ローグ「意志セーヴダメなんだ……(コロコロ)。(数値を言うまでもなく)失敗しました」
DM「盲目化しました」
ローグ「盲目!?」
 驚いているが、ローグは戦う前から「光の敵は盲目攻撃をしてくる筈」と見抜いてもいた。
DM「さらに、シンジ君逃げてええええ!!」
クレリック「やべぇ! ラミエルだよ!」
DM「レーザービームが飛んで来ます。呪文学ロールの結果、ルーセントランスの擬似呪文と判ります。ダメージはダイス目が悪くて18点」
ローグ「いて! 熱っ!」
 そんな感じでスタートした戦闘は、片っ端から盲目化されたパーティーが敵の位置をそもそも掴めずに空振りし続け、一度も攻撃を当てることなく乱れ飛ぶビーム弾幕の前に壊滅。背中にビームを喰らいつつほうほうの体で撤退するのであった。
 しかしとにかく敵がどんな攻撃をしてくるかの情報は集まったので、ダークネスを唱えてビーム攻撃のダメージを減らしつつ、極力目を瞑って突っ込むことで盲目になる率を下げるという作戦を立てる。

 
 先制のフラッシュバーストを瞑目作戦で凌ぎ、再び魁るローグ。軽戦士とマルチクラスしている武闘派なのです。ていうか他のメンバー、全員イニシアチヴが一桁。
DM「だぁおっそ!? こっち10なのに!? じゃあローグに集中砲火か。四つの小さな光弾が飛んでくる」
ローグ「これはマジックミサイル!?」
DM「12点。そして、荷電粒子砲(違)……は、命中するも、ダークネスで薄暗いんでダメージが減って……15点」
 続いて仲間達も部屋に雪崩れ込み、再びローグ。
ローグ「次喰らうと死ぬからな……また荷電粒子砲とマジックミサイル喰らうとヤバいことになる」
 と呟きつつ、突撃を続行して接敵する。
DM「フラッシュバーストは全員セーヴ成功で、ローグに……光弾が12点」
ローグ「昏倒しました」
DM「ていうか、自分で今『次喰らったら死ぬしな』と言いながら突っ込んで来たから、意図がわからない(笑)」
ローグ「退くという選択肢は無いんだよ!(笑)」
DM「なんで突っ込んだの?(笑)」
 パーティー全員が注目。
ローグ「…………」
 全員、そのノーアイディアぶりに爆笑。
ローグ「それはですねぇ。退きたくはなかったんですよ……いやぁ失敗したな」
 写真はその瞬間のもの(笑)
 その後はどうにか接敵したパラディンが斧で斬りかかるも、装甲を貫けない。
ウィザード「あー、やっぱり殴打武器じゃないとダメか」
 すかさず予備のウォーハンマーに持ち替え、叩きつける……が、損傷皆無。
ローグ「魔法の武器じゃないからか!」
 と、有効打を与えられないまま攻勢限界に達し、潰走する冒険者達。チーン。

 三度目の正直と、ウォーハンマーにマジックウェポンの呪文を唱え、クレリックはガラスや結晶体を破砕する為の呪文「シャター」を用意して決戦を挑む。
 仲間達が囮となって大ダメージを受ける中、呪文の射程内に敵を捉えるクレリック。
クレリック「シャター唱えます。ダメージは……」
DM「壊れました」
全員「うはははあははは!?」(大爆笑)
クレリック「俺の見せ場はどうなるんだよ!? この、せっかく新しく買ったダイスがさ! 火を噴くんだよ!?」
 いやまぁダイス振るまでもなく倒せたんだから見せ場だろう(笑)
 結局、魔法の殴打武器で全力強打するか、シャターを使えば一撃で粉砕出来た(HPが1)……という攻略法が用意されていた(もちろん力任せに倒すことも可能だが)この戦闘。
ローグ「なんでシャターみたいに『このタイプの敵に使ってくれ』って言わんばかりの呪文、二戦目の時点で思いつけなかったのかなぁ」
DM「あとはパラディンがタワーシールドの完全遮蔽でビームを受け止める囮になれば、シールドが壊れるまでの間に近づけれたし。これなら下手にダメージが走ってたら死ぬ危険があった……ってのもなかったんじゃないかな」
全員「ホントにヤシマ作戦すればよかったのか!」

 二度に渡った敗戦で回復呪文のワンドは枯渇していたので、自前のキュアを唱えて負傷者を癒すクレリック。
 まぁ最後の敵を倒したんだし……そう思っていた時期が彼らにありました(えー

 
 あとは魔術師の研究室を調べるだけだぜ!と冒険者達。
 しかし部屋に足を踏み入れたローグが目にしたものは、自分へと向かってくるフレッシュゴーレムの巨体であった。
パラディン「私たちはクーダルさんの依頼を受け……!!」
DM「侵入者へは問答無用みたいだ。法的事情はどうあれ、ゴーレムはそんなこと関知しないからな!」
ローグ「借金のカタに差し押さえにきたわーっ!」
 そこから始まる大立ち回り。
ウィザード「フレイミングスフィアーを唱えます」
 知識ロールの結果、フレッシュゴーレムは火炎や冷気で動きが鈍くなることを知っていたのだ。
DM「うむ。動きが鈍くなった。とりあえずパラディンに組み付こう」
パラディン「うわー。燃える燃える!!」
 フレイミングスフィアーはゴーレムを燃やし続けてる為、そのまま燃やそうと思ったらパラディンも巻き添えを喰らうのだ(笑)
 ローグの攻撃はダメージ減少によって阻まれ、半分も通らない。
アーチャー「組付きから逃れられる算段はありますか?」(組み付き中の敵に遠隔武器で攻撃すると、50%の確率で味方に誤射してしまう))
パラディン「いやぁ……あとはもう気合くらいしか」
DM「気合、つまりAPか(笑)」(回数限定で様々なロールに1D6くらい足せるのです)
アーチャー「逃れられないんだったらもう、近接武器に持ち替えるしかないんですけど、そうするとダメージが半分も通りそうにないんです。下手に持ち替えて、『脱出できちゃいました』だと弓の方が絶対強いんですよ。だからこのまま待機かなぁ……」
ローグ「いやぁ、筋力高いだろうし相手大型だから脱出無理だと思うなぁ」
アーチャー「そうですか……」
ローグ「とりあえず行動遅らせて(パラディンがこのターン中に自力脱出できるか)様子を見たらいい」
DM「ウィザードはさっき行動遅らせてたけど、フレイミングスフィアーの処理は遅れないんでどうぞ」
ウィザード「退かさずにパラディンごとゴーレムを焼きます。頑張って避けて!」
パラディン「ふぅ……避けた。そして組み付き対抗ロールは失敗」
アーチャー「逃れられなかったか。じゃあ、弓をしまって移動しながらシックルを抜きます」
ウィザード「んー、じゃあパラディンの身体にグリース」
 これで組付きからの脱出判定に+10のボーナスが付き、十二分に勝ち目ができたぞ!
 が、ワダツミの感想としては「さっき『逃れられる算段はあるか』って相談してた時に「自分がグリース唱えるよ」と言っておけばよかったんじゃないかなぁなんて、思ったりもするわけだった。

 そんな感じのドタバタと元々回復手段が枯渇寸前だったことも手伝い、劣勢に立たされるパーティー。
 その時ゴーレムの様子が変わる!
DM「あ、暴走した」
全員「ええええええ!?」
DM「実は毎ラウンド暴走ロールしてて、遂に出ちゃった」
 別に派手に戦闘力が跳ね上がる……という類ではないのだが、そもそも攻勢限界だった前衛が次々に倒されていく。残されたアーチャーとウィザードは全滅だけは回避する為に、苦渋の撤退。

 だがしかし。

DM「パラディンは意識回復チェックに成功したんで、目覚めたよ。そしてめちゃめちゃに破壊し尽くされた室内にはゴーレムの姿が無い」
パラディン「また逃がしてしまった……」

 結局またも町の顔役に土下座し、ただでさえ少ない収入(ラミエルの残骸売った金)から周辺地域への警戒呼び掛けに伴う損害賠償をすることに。
 しかも実は瀕死でHPが3しか残っていなかったゴーレムは、地元の猟師が倒してしまう。
 いや、世界設定上の仕組みとしてモンスターの死体なんかは金になる場合が多々あるんですね。これまでもそれが大きな収入源として存在しておりまして、別に今回に始まったことじゃないんですよ。冒険者達も依頼を受けた際に「中にモンスターがいた場合、その死体はこちらで好きにしていいのか?」という条件を取り付け済み。
 なんだけど、防腐呪文や魔法の軟膏、シュリンクアイテムという重過ぎて運べないものも超小型化してラクチン輸送な呪文を用意してなかったり(途中で購入のチャンスもあったが、スルー)、そもそも逃がしてしまっていたりでヒドラとラミエルくらいしか売り飛ばせていない。
 結果として大貧乏時代突入するのであった……(えー
 いやいやいや、全部とは言わずともキッチリ仕留めたのだけでも売れていればかなり大儲けなシナリオでね!? 決してシブチンシナリオじゃなかったんだよ!?(魂の言い訳

 結局迷宮の主である魔術師は「やはり人間社会にいては精霊の道は極められん」とドラゴン側に出奔したことが置き手紙から判明するのだが、資産差し押さえの筈が壊滅した研究室を前に依頼人は途方に暮れるのであった。