■“海洋”キャンペーン 第4回(パーティーレベル6) 前編

・ライザー ファイター4/レンジャー2
・ダス インヴィジビル・ブレード1/ローグ3/レンジャー2
・アウリス クレリック6
・リッツ エルドリッチナイト1/ウィザード5
・フォルカー ファイター6

 ワーウルフの攻撃によってライカンスローピィに罹患した疑いが極めて濃厚な為、街で治療呪文を受けにきた冒険者達は、その費用で素寒貧。しかし「払えただけマシだ」なので、気を取り直して水に呑まれてしまった地域の救助や復興活動を手伝う為にUターン。
 その地域の管理を担当する子爵に任務失敗に至る経緯を説明し、「お前ら……」みたいな目で見られる。
 全員土下座モノの勢いで「なにか我々にも協力できることは!!」と食い下がるぜ!!
子爵「…………現在、北の沿岸地域の防衛戦力の多くも臨時動員して災害活動中だ。その分防備が薄くなっている。君達が独自に遊撃することで防衛を担当したいなら、好きにするがいい。報酬は出ないがな」
 レベル6のパーティーといえば、冒険者としてはまだようやく一人前といった程度なのだが、それでもレベル1の雑魚兵ならば100人相手にしても勝てるだけの力がある。数の少なさがもたらす「守りきれなさ」は仕方無いものの、一点防御戦力としては極めて有力だった。
 決壊阻止に無茶したように、責任感・正義感は強い冒険者達である。汚名返上のチャンスに燃えるのであった。
 で、北の沿岸一帯は、海を越えた先にある敵国の部隊がバイキングさながらに略奪を行なっている為、冒険者達はそれへの備えというわけだ。
 広い範囲なので限度はある以上、まずは以前依頼を受けて顔見知りな漁村に向かう。

 
 となると、タイミングよくやってくる敵部隊。いや、他の村にも同時攻撃してたんだけどね!
 上陸予想地点に急行し、沿岸で激突。
 敵はバーバリアンゆえに攻撃力はナカナカあるのだが、さすがに冒険者達の方が地力で圧倒している。
フォルカー「ここは俺の出番だな……大・旋・風!」
 フォルカーは多対一をもっとも得意とする大旋風使い。吹き荒れる薙刀の斬撃が蹴散らすぜ!

 
 すると敵の後衛が切り札を召喚。氷の妖魔が出現し、凍てつく冷気を吹き荒らす!!
 知識判定に失敗して正体は不明なので、とにかく正面からぶっ潰すしかないぜ。
ライザー「ブレスが冷た過ぎる! 大ダメージだ!」
アウリス「信仰の後見人で遠隔キュア!」
フォルカー「雑魚諸共大旋風だ! 吹き飛べ!!」
ダス「クソっ! こいつ急所が見当たらないぜ! スニークできない!」
 真っ向から激突する前衛2人と、冷気ブレスの範囲外から支援するリッツとアウリス。
DM「フォルカーに全力攻撃。一発目の爪で足払い。二発目の爪で12ダメージと冷気6ダメージ。最後が噛み付き9ダメージ」
フォルカー「昏倒」
アウリス「クローズウーンズ!!」
DM「が、射程外だね」
アウリス「ああっ、ブレス警戒して離れ過ぎてた!!」
 とまぁヒヤッとする展開もあったものの、アウリスも前線に急行してどうにかこうにか……。
ライザー「どうだ、これで仕留めたか……!?」
DM「瀕死だけどまだ」
リッツ「じゃあ……」
DM「死んだ」
リッツ「えええ!? 四面ダイス持っただけで!?」
DM「だってマジックミサイルだろ!? 死んだ! というわけで自爆します」
全員「自爆!?」
DM「半径30フィートに爆発します」
 往々にして「もうこっちも瀕死だが、そのまま押し切ればどうにか……」と回復のタイミングを計算して倒すことが基本な為、「もうこれで敵の攻撃は無い!」と確信していたタイミングでブチかまされると洒落にならない(笑)
 幸い今回はどうにか全員半殺しで済んだようだが、切り札の敗北で遂に撤退する敵部隊を追撃する余力は無かった。

 前回の依頼成功に続いて、ピンチをレスキューと局地的に株価右肩上がりの冒険者達。すっかり英雄扱いである。喜びに沸き立つ村民達と一夜を明かし、翌日となる。
 ここは守りきれたので、他の村に行こうとする冒険者達。
村長「全滅したわけじゃない以上、仕返しに来るんじゃ……」
DM「と、不安そうに君達の出発を嫌そうにする」
リッツ「しかしこの村だけに貼り付いているわけにもいかないしな」
アウリス「ああ。他の村も見回らなければ」
ダス「手痛く追い返してやったんだ。奴らも懲りたろうさ」
 確かに再襲撃の可能性はあったが、確率は低かろうと旅立つ冒険者達。
 しかし現実は非常である。
 冒険者達不在の隙を突くかの如く海賊は襲来。
DM「なんか後方で火災煙が立ち上ってるね」
全員「なんだってー!?」
 慌てて引き返す冒険者達だったが、賊共は直前に引き上げ済みで、村は大損害を被っていた。
村人達「だから言ったんだ!!」
 この村だけを守っているわけにはいかない……これは苦しい現実であったが、当の村人達にとって、それは重大な裏切りに映る……。自分達は助けを求め、それが現実になったのだから。
 英雄から一転して薄情者の烙印を押される冒険者達であった……。


 こうなったら根元から断つしかないとして、どうしたもんかと相談する。
ダス「敵はまだ沖にいる筈だから、ホークアイが追尾して根城を見つけられないか」
 ホークアイの名は伊達ではなく、彼の視認スキルは種族ボーナスもあってパーティー随一。そこに遥か上空からの俯瞰という圧倒的な地の利が加われば、まさに索敵機。
ホークアイ「俺の出番だな……。ふっ、逃がしはしない」
リッツ「深追いはするなよ。島さえ確認出来ればいいんだ」
 作戦は図に当たり、見事小さな島影に消えていくのを見届け、帰投するホークアイ。
 逆襲プランを練り始めるものの、操船技術どころか野外活動技能に長けた者も不在なパーティーな為、天測で方位を割り出すことも出来ない。そこへ血気盛んな地元の漁師が協力を買って出る。
漁師「俺の相棒もやられちまったからな。オトシマエを付けないと気が済まない。力を貸すぜ!」
 漁船グローリーウェーヴの残骸が物悲しく夕陽に照らされていた。
 魔法のスワンボートを展開し、目的の小島の近くにあるさらに小さな島に一旦上陸。漁師はそこで待機させ、夜陰に紛れつつウォーターウォークで徒歩接近ゴーゴゴー。

 
 上陸し、洞窟の入口を発見。
 警戒しつつ接近すると……。
DM「入口の横の茂みから闇が迫って来たかと思うと同時に、ディスペルマジックが飛んで来た。魔法の明かりの解除に成功。それと同時に、何者かがリッツに襲いかかって……組みつき成功」
リッツ「コンティニュアルフレイムとライトが! 闇はダークネスか!!」
DM「締め上げられてダメージは5点。あと触手が体内に侵入して耐久力を1点吸われた」
 煌々と明りを照らしての強襲だった為、逆に闇夜の奇襲を受けたパーティー。視界を奪われたまま音を頼りに周囲を攻撃をするが、ピンポイントで特定が出来るわけでもないので、それらは悉く空を斬る。
 敵の攻撃はダメージは大したことがないものの、ドンドンと耐久力を吸い取られ干からびていくリッツ。殴っていればとっくに殺せているだけに、優雅なお食事タイムの様相を呈していた。
 右往左往、という表現が実にしっくりくる混乱の戦場の中、どうにか組みつきから逃れたリッツがダークネスのディスペルマジックに成功する。
ライザー「明かりを確保しないと話にならない! 陽光棒を取り出してつけます」
 すると視界に浮かび上がるのは怪人タコ男? 知識判定失敗なのでサッパリワカランチン!!
DM「ならばその陽光棒に対して攻撃。破壊した」
 他の仲間も続くが、手持ちの明りを点火する度に破壊されてしまっては切なさ炸裂だ!!
ダス「手持ちの陽光棒が尽きた……」
 だが瀕死のリッツがどうにか間合いを外して動く!
リッツ「レヴィテートで浮いてから、ダンシングライツ!!」
ライザー「見えた! 喰らえ!!」
フォルカー「そこだ!!」
タコ怪人「どうやら潮時なようだな……十分愉しませてもらったぞ。フハハハ」
 撤退する怪人。全体的な損害は少ないのだが、片っ端から破壊されて明かりの準備が手薄な状態で突入は無謀な上、リッツの消耗も激しかった……。
 しかし敵の船を奪って帰るつもり満々だったから、復路のウォーターウォークは準備してないぞ! どうやって帰るんだ!!

 次回に続く!
■“海洋”キャンペーン 第4回(パーティーレベル6) 後編

 進退窮まった冒険者達。
 朝になればアウリスがウォーターウォークを使えるようになるが、こんな小島で朝までやり過ごすとかプリキュアありえない。つーか不可能。死ぬ。

ダス「とりあえず逃げよう。追手が来たらお終いだ」
アウリス「ウォーターブリージングはあるので、海底歩いて逃げますか……」
DM「灯火管制した上に方向感覚が無いから、ウォーターブリージングの効果時間内で漁師が待ってる小島まで戻るのは絶望的だろうね」
アウリス「とにかくここから離れる必要があるから、行けるところまで行ってロープトリックで隠れる感じでしょうかね」
リッツ「三分の一も近づけりゃ御の字だろうなぁ」
DM「まっすぐ歩くことも出来ないから、ふらふら蛇行して大変そうだ。というわけで、そんな千鳥足ぶりを判定するんでダイスロールどうぞ。ちなみに君達が海底を歩いてる間、水面では篝火焚いた小船が哨戒してるのがわかるね。それを岩影でやり過ごしたりしてると思ってよい」
リッツ「ふぅ……結構人数がいるな……。これで帰る為の船は確保出来そうだ!」
アウリス「なんていうプラス思考!」
リッツ「問題はどう考えても逃げきれないことだ……」
DM「でまぁ息をひそめてやり過ごし、ロープトリックを使う為に浮上すると、周辺にある幾つかの小島それぞれに敵が上陸してるっぽいのが見てとれる」
リッツ「わお!!」
アウリス「りょ、漁師がぁぁぁ!」
リッツ「島帰ってたら危なかったのか……ってレベルの話じゃないな!! どうにか隠れてやり過ごしてくれてるといいが……」
アウリス「えええ!? だってスワンボートがあるでしょ!? 景観を損なう勢いで目立つと思うけど(笑)」
ダス「いや、きっとスワンボートで夜釣りに興じてたかもしれん(笑)」
リッツ「そりゃ痕跡辿りゃ飛び込んで逃げたのバレてるんだから、行けそうな小島を捜すのは当然だよな……。彼がこの状況をヤバいと思ってスワンボートで逃げててくれればいいんだけど……義理堅そうだったからなぁ……とりあえず救出計画を」
全員(……重い沈黙)
アウリス「……どうしよう!?」
ダス「とりあえずこれで目的の島がどこかは判明したわけだよね」
DM「確か殆ど闇雲に進んでたに等しかったことを考えれば、実に大きな情報だ。位置関係から目的の小島の目安は付いた。多分あれだろう、と」(地図に描き込みつつ)
アウリス「俺たちどう泳いでたんだ!? 直線距離だと5分程度!?(笑)」

 散々悩んだ末、敵の小船の帰路を待ち構えることにして、近付く篝火の予想航路上へ必死に泳ぐ冒険者達。水中戦を意識して水泳技能も高いし、鎧もミスリル銀製のブレストプレートで軽量化に勤めているので溺れることはない。
 しかしどう考えても船の移動速度の方が速い為、一回だけ使えるフライをフォルカーにかけての特攻大作戦を立案する。

 
DM(うむ。いい作戦だ。間合いの長いグレイヴで上空から一方的に攻撃されたら、敵は飛び道具でしか対応出来ないから戦力半減どころじゃない。完敗だな)
フォルカー「今回は盾を装備して戦おう。武器はヘヴィピックにして、盾はアウリスのバックラーを借りようかな」
DM(なんだってーっ!?)
リッツ「俺のロングソードなら高品質だ」
フォルカー「じゃあ武器はそれに……ああ、でも水に落ちた時のことを考えたら刺突武器のヘヴィピックがいいかな。すまない」
 次々とかけられていく強化呪文。出し惜しみせず、ありったけである。

DM「近付くと、遠目には人影が3人だったのが、船の縁の内側に3頭の獣も見える。知識技能無いから正体は不明。フィギュアの見た目だけしか君が判ることはない。パッと見漁師の姿は見えないが、船倉に押し込まれてる可能性は有るかもしれない」
フォルカー「むっ、伏兵が。 船尾から空襲をかけます」(写真左
 そんな感じで戦端が開かれ、航行する船に追いすがる形になる。つまり毎ランド移動攻撃となって、必殺の大旋風(攻撃範囲内に存在する全ての敵に同時攻撃する)を行なえない。リッツが出したダンシング・ライツも頑張って追従さ(写真右

リッツ「船に着陸して戦うってのはどうだろう」
フォルカー「おっかないです!! 彼我戦力差は1:6!!」
アウリス「大旋風じゃなかったのか? …………グレイヴじゃないけど」
DM「大旋風を狙うなら、航路読んで先回りして来た所を……かねぇ」
リッツ「上空から大旋風でも3体は入るよ…………まぁグレイヴ(以下略」

 
 ちなみに既にパーティー本隊との距離は物凄いことになっている。1マス5フィートだから実際にはそう遠くないし、D&Dは1ラウンドが6秒なので、これでも戦闘開始からまだ2分も経っていないけれど。
 状況を想像すると、数十メートル後方から仲間達が「大旋風! 大旋風!」とコールしているような感じだろうか(笑)
フォルカー「…………よし、大旋風を狙うか!!」
 意を決し、船尾に着陸するフォルカー。
フォルカー「大旋風! 7ダメージ、9ダメージ、11ダメージ」
 ちなみに間合いの長い武器であるグレイヴは船の中で戦うのは非現実的な為、ヘヴィピックによる大旋風を狙うことになる。この場合は1マス遠くではなく、直接隣接した敵に対して行われる。
DM「ならば入れ代わり立ち代わり足払いや組みつきを……」
リッツ「いかん、遠くなり過ぎてダンシング・ライツの射程外だ……」
 双方が暗闇に沈む中、獣は暗視を持つ為に圧倒的に不利。結局船尾で袋叩きに遭い、捕えられてしまうのであった(写真右

 どうすることも出来ず、見送らざるをえない冒険者達。
リッツ「そもそも、彼我の戦力差を見た時点で諦めてた方が良かったのかもしれない……そうでなくても途中で離脱する余地はあったし……」
 スーパーテンションダウンしつつ、当初の予定通りロープトリックで一夜を明かす。
 翌朝どうにか目的の小島に辿り着くと……。
漁師「おっ、帰ったな。昨日はずいぶんとヤベェ雰囲気だったな! さすがに太刀打ちできねぇから一度離れてやり過ごたぜ。なぁに安心しなって。どんだけヤバくなろうとお前らをおいてトンズラなんて絶対しねぇ。死ぬ時は一緒だぜ」
全員「熱い人だなぁ……」
 漁師まで誘拐されるという最悪の事態だけは回避出来たので、多少元気を取り戻す一行。
 この後リアルで1時間半くらいかけて、奪還作戦を錬る。主な議題は「人質に取られたらどうするか」であり、「取られたら困る! なにか良い手はないか……」という流れで「無いなぁ……」「どうするかなぁ……」とグルグル回っていたので。
DM「もういいだろ! 覚悟完了して行動起せっ!(笑)」

 尻を叩かれて洞窟に辿り着いた一行が目にしたのは、入口に転がされた手足を斬り落とされて瀕死(止血はされている)状態のフォルカー。どうやら激しい拷問を受けたようだった……。
全員「ひぃぃ! グロい!!」
DM「さすがホウルティーア軍(敵国の名前です。皆海賊と呼んでるけど、彼らはこの国の旗を掲げています。皆もそれをわかった上で)、容赦が無いぜ……」

 ちなみにこの後、時間が戻って「捕まったフォルカーが尋問されるシーン」が展開されるのだが……。
尋問役「貴様達はどこの手の者だ」
 といったお約束の質問からスタート。
フォルカー「さてね」
リッツ役のプレイヤー「貴様、自分の立場がわかっているのか! バキっ!」
アウリス「えええ!?(笑)」
DM「それにしてもこの子分、ノリノリである」
 フォルカーは頑強に抵抗を試みたのだが……。彼のはったり技能は0なので、基本的に誤魔化すことは不可能。自分としても見え透いた嘘を吐くか、黙秘を貫くのみであった。
尋問役「どうせ頑張った所で呪文で口を割らせられてお終いなんだ。無駄な足掻きはよすんだな」
フォルカー「だったらそうすればいいさ」
DM「じ、自分が実際には痛い目に遭わないからって強気だなぁ(笑)」
 で、その言葉通り呪文に陥落する。
フォルカー「そうだ……湖が決壊したことで復興作業に戦力を取られてるから、俺たちがやってきたんだ……」
尋問役「ほう。つまり今沿岸一帯は手薄だということだな」

 そして先程のシーンに戻る。

 ホークアイを見張り番として、茂みにフォルカーを隠して洞窟内の探索を開始する冒険者達。
ホークアイ「フォルカーは何があろうと守ってみせる。お前たちは自分の仕事だけに集中するんだ」
 しかし中はもぬけの殻だった。
DM「ホウルティーア軍の旗が残されてたりするけど、金目の物とかは全然無いね。そして一番奥に水の溜まった穴がある」

 投光式ランタンで照らして調べてみると、ずいぶん深い。思い切って飛び込み、ウォーターブリージングが続く限り進んでみても、さらに奥に続くのみ。
リッツ「正直ここから逃げた……とかは考え辛いんだよなぁ……」
 他に手掛かりも無く、この先を調べるにしてもまずはフォルカーの治療を済ましてからだと帰還。アウリスが大都市の寺院まで彼を運び、リジェネレイトの呪文をかけて貰いに。その間に他のメンバーは周辺地域へ「海賊が根城から消えた」と告知して回ることに。

リッツ「村の皆さん、あの小島から海賊はいなくなりました」
村人「なんだって!? あんたらがやっつけてくれたのか!! さすが、この前も見事に怪物を倒したってだけあるな!! スゲェぜ!! おーい、みんなぁぁぁ!!」
リッツ「い、いやぁ……」
DM「英雄扱いで大歓待されるね」
 暫し喜び沸き立つ村人達と、それを苦笑いで見守るリッツ。
DM「ところで本当にいいのかい、彼らは君達が『やっつけてくれた』と思い込んでるようだが……」
リッツ「そ、そうなんだよなぁ……。さすがに不味い、訂正しないと」
村人「なに!? 別に倒したわけじゃない!? 姿を晦ましただけ!? いつまた現われるかわからない!?」
リッツ「あ、ああ……すまないがそうなんだ……」
村人「じゃ、じゃあなんだってさっき否定しないんだっ!!」
リッツ「い、いやぁあんまり喜んでいるんで言い出し辛くて……」
 以後、リッツ達はあっという間に広まった「海賊撃滅」の噂を訂正・土下座に奔走。
DM「で、この噂は領主にも届いてると思うんだけど、どうするの?」
アウリス「ライザーって行く人なの? どうなの?」
(ちなみにライザーのプレイヤーは風邪で不参加)
DM「ライザーに行かせる気かっ!!(笑)」

 結局子爵に申し開きに行ったのはダス。
ダス「この度は……えーと……我々のせいで……えーと……誤報が広まってしまいました。申し訳ありません……」
子爵「実際にはアジトを襲ったが返り討ちに遭ったというのだね?」
ダス「はい、遺憾ながらそれが真実であります……。脅威を晴らしたということを、我々が約束することはできません……」
子爵「なぜあんな誤報を……」
ダス「ええと……私の仲間が、誤解した村人に対して正しく返答できなかったからです……」
リッツ「さり気なく仲間のせいにしたーっ!? 自分はその場にいなかったような口ぶりだーっ!?」
子爵「正しく返答できなかっただと?」
ダス「期待に満ちた様子に『ハイ』と答えることしかできなかったのです……」
リッツ「『ハイ』と言った覚えは無いけどまぁ一緒か!!(笑)」
子爵「なん……だと……バカな! 何故そんな……無意味な見栄を……」
アウリス「確かに仰しゃる通りだ(笑)」
リッツ「見栄ですねぇ〜(笑)」

 平身低頭のダスに子爵の問い詰め11分。マコちゃん冒険者にとって私は何なの!?(そんなことは言ってない

子爵「……で、君達はどうしたいんだい?」
ダス「我々としては、あの洞窟の中の穴の先に敵がいると確信しております。ゆえに追撃し、撃滅する所存です!!」
全員「えええ!?」
子爵「ふむ。それだけの情報で、海賊撃滅が成功すると断言出来る根拠はあるのかい」
ダス「確かに情報は僅かです……ですが我々の全力を以って任務を達成してみせます!!」
リッツ「いやいや、あの奥になんかあるってパーティーの総意になってる!?(笑)」
DM「で、出した交渉ロールが25ってえっらい高いなぁ(笑)」
子爵「大きく出たものだな……いいだろう。期待に応えてみせよ」
ダス「必ずや!!」
子爵「ああ、それと流石に私相手には『申し訳ないから本当のことは言えなかった』などというのは勘弁してくれよ」
ダス「グサッ!(笑)」
 退室を許され、仲間の元へ急ぐダスであった。

 きっと最後の名誉挽回のチャンス、ガンバレ冒険者達!!





リッツ「ところでなにか大事なことを言い忘れてないか?」
ダス「…………?」
リッツ「相手が人間だけじゃないという、とても大事な情報があった気がするのだけど(笑)」
ダス「あ……」
DM「まぁ(その場に居なかった)君達は『ダスがそれを言い忘れていた』なんて事実は知らないわけだが(笑)」
ダス「言うべきことを言った気になってますねぇ……」


●プレイヤーズコメント

・リッツ
 フォローや応援の拍手、そろそろなくなってしまうんじゃないかと、どきどきの後半公開です!
 改めて振り返ると、色々、やらかしすぎ!
 前半は作戦や引き際の判断、そういったことのミスが大きく。
 後半はまぁ、なんというか……ああ、昔こんな事があったそうです。

 あるマラソン大会で、途中棄権した選手がいたそうです。
 彼はサポートカーに乗ってゴールのスタジアムまで移動しました。
 スタジアムの前で車から降り、スタジアムに入ると……満員の観衆が彼を大声援と拍手とで迎えました。
 そう、観衆は彼をトップで戻ってきたランナーと勘違いしたのです。
 彼は思わず観衆に応えて走り出し、そのままゴールのテープを切りました。
 皆が彼を優勝者とたたえ、祝福します。
 ……もちろん、すぐにばれました。

 その選手の気持ち、何となくわかりませんか?
 ……話がそれました。
 厳しい現実のなか、甘い誘惑に流されると取り返しのつかないことになる、ってお話ですね、とほほ。



・アウリス
 漁師が生きていて本当に良かった。
 自身の行いが招いた過失で漁師を死なせては海洋神の神官として恥ずかしい限り。
 まあ、前編では襲撃されてますが…。

 反省点としては、孤立無援になるであろうフォルカーともう少し打ち合わせすべきでした。戦い方&撤退を視野に入れる等。



・ライザー
>ライザーって行く人なの?
 ヘタしたら前回開始時に状況つかめてない状態で修羅場の渦中ですか……おそろしい(笑)
 あとはあれですね、海上戦闘の船の移動速度の速さ。1ラウンド6秒の極端さを垣間見た気がします。

 ダスの交渉シーンは傭兵隊の1シーンを思い出すようなそうでも無いような(えー
 そして最後の名誉挽回のチャンス、頑張らねば!



・フォルカー
 本人仕事多忙につきノーコメント。生きて帰ってこいよ!!


・ダス
 ほんと、漁師が無事で何より。フォルカーにはモザイクが掛かってましたが……。
 船襲撃は見返すたびに反省しきりですね。惰性で進む船の早い事早い事(笑
 せめて必死に泳いで追いかける、大旋風コール以外のサポートができればよかったのですが。
 というわけで、ローグなのに子爵との交渉のダイス目だけには定評がありますが、中の人のうっかりはカバーできないんだぜ! 自分の推理で胸張って応えてしまいましたが、この先どうなるのか。そしてこの報告には……。次回レポートも楽しみです。