■“彷徨”キャンペーン 第1回(パーティーレベル7) チャプター1

 新章突入! キャンペーン名も新しくなりました!

 レオニス ホーリィ・スカージ2/ウィザード5
 ゾア フェイヴァードソウル3/レンジャー2/ファイター2
 スティーン ファイター6/ブラックスミス1
 ロアルド クレリック6/レンジャー1
 フォルカー ファイター7
 ダス インヴィジブル・ブレード2/ローグ3/スカウト1/ファイター1

 長い航海を終え、バーン帝国西部領の西端を流れる大河アイトスの河口にある都市に到着した一行。
 目的のクォンオウ山はこの上流にあるので、今度は河を上るぜ〜超上るぜ〜。

レオニス「スティーン、親方からは単に手紙を届けてこいとしか聞いてないんだよな?」
DM「そうだね。クォンオウ山の位置にアバウトな印がついていて、『ここにいる古い友人に手紙を渡してくれ』とだけだね。これはつまり、これだけの情報からあとは自分でがんばってどうにかしろって意味だとスティーンも理解している」
スティーン「はい。これは親方があたしに課した試練です。だから情報収集からすべて、自分達の力で達成しないといけないんだと思います」

 前回知識ロールに失敗したことで現地の情報がサッパリであったが、もっとも近くに在るトル鉱山の鉱山都市の宿屋で得た情報を総合すると。

・クォンオウ山はグリフォンの一大生息地。
・数年から年に一度といったペースで、ヒトミなる鍛冶師を訪ねるべくやってくる冒険者がこの宿屋に泊まっている。
・山の剣呑さを聞いて引き返す者もいるが、それをおして出向いた者は帰って来ない。
・去年山へ向かった冒険者は五人組で、男三人、女二人。

 というわけで対グリフォン用色々準備をし、大量の物資を抱えてマウンテン・ハイク。
 グリフォンは倒したり呪文でやり過ごしたりしつつ、一月以上かけてどうにかこうにか山肌に巧妙に隠された細い山道を発見し、遂には巨大な金属の扉を発見する。

ダス「お? お?」
レオニス「どうした、ダス?」
ダス「門があるぞ! デカい門だ!!」
レオニス「ここが目指す……?」
ダス「きっとここで間違い無いだろう」
ゾア「これが幻だということは無いと思いたいぜ」
ロアルド「調べるならなにか呪文をかけてやりたいところだが」
レオニス「メイジ・アーマーをかけよう。スタッドレザー着てても一応ACが+1される」
ロアルド「ならば俺はシールド・オヴ・フェイスだ。AC+3。ついでにブレスもかけちゃおう」
ダス「それじゃここまで壁と床をテイク……」
DM「ついたよ」
ダス「ここまでは問題無いようだ(笑)」
DM「ドアがドカーンと開いて吹っ飛び、崖から転落するダス(笑)」
ダス「うはは。じゃあドアをテイク10で捜索」
DM「よくわからんかった」
ダス「捜索しても通用門みたいなのは無いですか?」
DM「少なくとも今捜索したところには見当たらない」
レオニス「まぁ正直このクラスの工房でテイク10でなにも見つからないって言っても、全然意味が無いぞ。テイク10程度で見つかるような罠があるような場所じゃない気がする(笑)」
ダス「レベルが違う……?」
スティーン「あたしがノックしてみましょうか。手紙を渡したいんです、と」
ゾア「あんまり大声を出すとグリフォンを呼び寄せかねないから、気をつけろよ!」
スティーン「すいませ〜ん! こちらヒトミさんのお宅でしょうか〜?(ゴンゴン)」
DM「………………反応が無いね」

 とりあえず罠が発動しないことにほっと胸を撫で下ろす一行。

ダス「ならばテイク20で捜索するしかない。1マスずつテイク20、テイク20、テイク……」
DM「すると、そこに来たところで突然扉の一部……通用口サイズがバーンと開き、ダスは顔面痛打で鼻血(笑)」

 
少女「ぷくくくく…………い、いやぁごめんごめん! まさかそこに人がいるとは思ってなくてさぁ!」
DM「と、メイド服を着た見た目16,7歳程度の少女が現われる」
ダス「ああ……なんてこったい」
ロアルド「つまりダスのストライクゾーンではない、と」
DM「あれだろ。こいつのストライクゾーンは10歳前後」
ダス「ええ、それくらいです」
DM「で、メイドさんはツインテール」
ロアルド「いいじゃないか……」
ダス「貴女が……ヒトミ……さん?(鼻血を抑えつつ)」
スティーン「だ、だいじょうぶ!?」
ゾア「キュア・マイナー・ウーンズ(笑)」
スティーン「えーとイーヴァルディ工房から来た、スティーンと申します。えとえと、イーヴァルディ工房の親方の使いで手紙を届けに来たんですけれども、ヒトミさんはいらっしゃいますか?」
少女「へ? イーヴァル? なにそれ?」
スティーン「おっと間違えた!?」
少女「……なんっか聞いたことあるけど、どこだっけそれ?」
スティーン「ええとソルの鍛冶屋なんですけれども」
少女「ソル? …………ああ!! ……ソルね!!」
スティーン「もしかしてイーヴァルディ工房にお知り合いはいらっしゃらなかった……ですか?」
少女「うん! いない!」
スティーン「はわわ!?」
少女「あたしには!」

 全員爆笑。

ゾア「そーいうキャラか! そーいうキャラなのか!?(笑)」
ダス「ああ……ロリだったらなぁ……」
スティーン「えーと! えーと! ヒトミさん……ですか?」
少女「惜しい!」
全員「惜しい?」
少女「惜しいわ!」
スティーン「ハ……ヒ……フトミ?」
少女「美貌だけは通じてるんだけど!」
ロアルド「スティーンと噛み合わなそうな(笑)」
スティーン「えーとよろしければヒトミさんにお取り次ぎ頂ければ嬉しいんですけれども……」
少女「へぇ〜そうなんだ。瞳さんに用があるんだ?」
スティーン「はい!」

 成り行きを黙って見守る男性陣(笑)

少女「まぁ当たり前よね!」

 男性陣、愛想笑い。

スティーン「あなたは……ど、どーいう方なんですか?」
 
少女「見てのとおり、メイドよ♪」
スティーン「あ! メイドさんでいらっしゃいましたか!」
少女「これで特殊工作員とかは無い……あるかもしれないけど違うわ〜。こんなキュートな鉱夫がいたらファンクラブができちゃうわね!」
ロアルド「ほほ〜」
レオニス「美人ですか」
DM「そうだねぇ。美少女と言っていいんじゃないですかねぇ」
少女「まぁこんなところまで来て瞳さんに用事が無かったら、その方がおかしいわよね〜あはは〜」
レオニス「これは……個性的なお嬢さんだ……」
ロアルド「そうだ。我々の自己紹介がまだであった」
少女「たまぁぁぁぁぁに来るのよね、あんた達みたいなの」
スティーン「この手紙を渡しに来たのです。うしろにいるのはあたしの仲間で……」
少女「自己紹介ね?」
DM「なんか妙に得意げに腕組みしつつ聞いてるね(笑)」
ロアルド「ロアルドです……」
少女「地味ね。次」
ロアルド「くっ……!!」
 クレリックで魅力度10といえば赤き森のカッセルも散々弄られた茨の道! つまりとても低い! ファイターが耐久力10みたいな!
レオニス「破邪導師のレオニスと申します」
フォルカー「武人のフォルカーだ!(腕組み)」
少女「メイドの香澄よ!(腕組み)」
ロアルド「対抗したぞ!?(笑)」
フォルカー「おう! よろしく頼むぜ!!」
ダス「ダスです!」
カスミ「鼻血」
ゾア「鼻血って呼ばれてるぅ!?(笑)」
ダス「うはははは!?」
ゾア「こ、このグループのリーダーを務めております、ゾアと申します。よろしくお願い致します」
カスミ「なるほどね! リーダーになったのは顔の順?」

 全員爆笑。ゾアは魅力度16のイケメンです。

ゾア「いや、あくまで暫定的な話で……俺自身としては向いてると思ってなくもあり」
DM「判断力は7だもんなぁ(笑)」
カスミ「で、あなたが依頼人というわけなの?」
DM「と言いつつスティーンに近寄り、ぎゅむぎゅむする」
スティーン「あわ〜そ、そ〜いう感じです〜あわ〜」
カスミ「やっぱりドワーフの娘は小さくて可愛いわ〜(ぎゅむぎゅむ)」
ロアルド「おおっ!?」
スティーン「カスミさんのおっぱいは大きいですか?」
DM「大きくないです」
スティーン「じゃあ埋もれてはないですね(笑)」
カスミ「う〜んでも鎧無しのほうがいいわねぇ〜んじゃまぁ入って入って〜」
DM「と、あっさりと」
ロアルド「これは手紙があったからなのか、この人のキャラなのか(笑)」
カスミ「とりあえずお茶くらい出すわよ〜」
スティーン「お邪魔しま〜す」
ロアルド「いいんだいんだ……俺は地味なんだ……わかってるんだよそんなことは……」
DM「ショックを受けてる!?(笑)」
ロアルド「ずいぶん長居したようだから、もう行こうぜ!」
レオニス「じゃあ一人で待っててくれ(笑)」
ロアルド「それは死んでしまう!」
ゾア「グリフォンに喰い殺される(笑)」
ダス「ロアルド的には、こんな山奥にこんな門があるなんて楽しみじゃないのか?」
ロアルド「……卑怯だな。そう言われたらいかざるをえないじゃないか」
カスミ「あーもう。さっきは悪かったわ。気にしない気にしない。別に顔悪くないから! ふつーよふつー! 拗ねない拗ねない!(撫で撫で)」
ロアルド「う、上からだっ!(笑) く、クローク・オヴ・カリスマ買ってやる!」
DM「シークレットブーツ買うみたいな(笑)」
ロアルド「ちょっと泣く(笑)」
カスミ「ほらほらおいで〜。レアな体験よ、ここ入れるなんて!」
ロアルド「そ、そうだな!(ワクワク)」

 ロアルド25歳独身、単純。続く!


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 危険かもしれない、といいながらダスにかけた呪文が1レベル呪文2つ。
 今になって考えれば、この程度の強化呪文などではかけてないも同然であった。
 無意識のうちに彼を軽んじていたのか……反省せねば。

 長旅の末にたどり着いた、この秘境の秘密の工房。
 まさかここで、このような少女との出会いが待っていたとは。
 彼女が伝説の鍛冶師ヒトミではあるまいが……。
 まったく想像もしていなかった展開、というか彼女のパワーに圧倒されっぱなしだ。



・ゾア
 デンジャーゾーン過ぎるグリフォン地帯を突破し、急峻な山を登ってたどり着いた先に、なんだか個性的な娘さんが登場しましたですよ。美人だなあかわいいなあ。
 で、あれ? 目的のヒトミさんのおうちはどちら?
 なんだか狐につままれたような気分でございます。



・スティーン
 そうよね、こんな山奥だもの。ひとりで暮らすには不便よね。
 でも、綺麗なお姉……いやいや、私の方が年上、私の方が年上……。

 カスミ、爆誕!!
 しかし、スティーンを巨乳で窒息させることが出来なかったのが残念。
 いや、プレイヤーの趣味ですが(笑)
 しかし、おっぱいは形だとエロい人が……(以下略)



・ロアルド
 いいんだ、いいんだ地味でも。
 何より、行く先々の珍しいものより自分が目立っていては楽しくないじゃないか!
 グリフォンの棲む山にそびえる巨大な鉄門扉、中にはハイテンションなメイド。ほら、こんなにも珍しいものがあるんだ。俺が魅力的である必要なんて無いんだ。
 ……やっぱり、クローク貯金は続けよう。



・フォルカー
 深い森にグリフォンの棲む山、良い材料が採れるのか? いや、半端な客を寄せ付けないためかも知れないな。しっかし、こんな中に工房を建てて住み込んでるってのも何というか。

 中から若いメイドさんが出てきたのも予想外だ。
 入り口の大きな扉、此処の主はスゲェ人物なんだろうな……。



・ダス
 私の「テイク10」が通用しないだとッ! と大げさにしつつ、すこし先行きの不安が。未来を想えば、ちゃんと捜索技能をさらに伸ばさねばなりませんね。
 でも、鼻血はおいしかったです(笑)
 そしてノリのいいメイドさん、カスミ。スティーンとのやり取りが楽しい(笑)

■“彷徨”キャンペーン 第1回(パーティーレベル7) チャプター2

DM「中に入ると、これまたデカい通路。壁面はピカピカに磨き上げられてるのか、傷一つ無い。岩山をくり貫いてると思うのだが、なんでこんな精緻なのよという感じ。また、地面にはレールのようなものが敷かれているのだけど、枕木に相当するであろうモノは見当たらない」
ロアルド「なにか魔法的ななにかで重さを無視して……なのか」
カスミ「こっちこっちー!」
DM「通路の脇に人間サイズの入口があって、手招きしている。レールなんかはそのまま右手奥にずっと続いてる感じだねで、中に入ると玄関。つまり土間」
ロアルド「我々は見てもわからんのだろうな(笑)」
カスミ「ここで履物脱いで〜」
DM「というわけで知識ロールだ。ヒノワ文化をどこまで知ってるか!」

 結果、旅の神の神官ロアルド無念の低達成値。知恵袋レオニスが唯一高い目を振る。

レオニス「うむ。皆、ヒノワでは土足で屋内に上がらないのだ」

カスミ「そそそ。そっちに鎧とかかけられるようになってるから、脱いでからあがりなさいな。あ、スティーンはこっちよ〜男連中と一緒に脱ぐ必要は無いわ〜」
DM「と、ひょいってお姫様抱っこしてさらってく」
スティーン「スティーンをですか!?」
ゾア「プレートアーマーを着たまま!?」
フォルカー「凄い筋力だな……」
スティーン「ふえええ!?」
レオニス「ひょいっと……ひょいっと……あの塊を……」
DM「というわけでさらわれたスティーンは、頬擦りされたりとちょっとセクシャルなスキンシップをされつつ」
ロアルド「なんだか百合みたいな!?」
ダス「舐められたりは?」
ロアルド「なに追加してるんだよ!(笑)」

 前にも言いましたが、ダスとスティーンの中の人はリアル兄妹です。

ゾア「1ヶ月近く山の中を歩き回ってたんだしなぁ(笑)」
ロアルド「だからこそ、かもしれん。このDM的に」
カスミ「ずいぶん汚れてるわねぇ〜一緒にお風呂入りましょ」

 うぉぉぉぉ、と色めき立つ全員。ええ、全員です。

DM「で、風呂場に拉致られたスティーンは鎧脱ぐのも手伝われて……色々触られつつ」
スティーン「色々触られながら(笑) ああ〜っ、くすぐったいのはダメです〜!」
DM「これねぇ。俺の趣味だと匂いがどーのとかでさらなる盛り上がりを見せるのだが、カスミはそーいうフェチじゃないんでねぇ……」
スティーン「あははは(笑)」
DM「残念ながらカスミは『この蒸れた匂いがいいのよ』とTTTのミハルさんの漫画みたいなことになったりはしないんで……非常に残念ながら……!!」
 冬コミの新刊、超愉しみです。万難を排して買わせて頂きます。
スティーン「あははは! 残念ながら!(笑)」
ロアルド「非常に……残念なのか(苦笑)」
DM「遺憾なのでここでキャラの設定変えてもいいぐらいなんだが……昔からいるキャラの立場も尊重してあげたいというか……ここでスティーンにご執心なのも、あくまでカスミというキャラの設定に忠実な行動ゆえに、なので……まぁそゆこともなくお風呂に入って……」
 
スティーン「流しっこを」
DM「隅々まで……」
スティーン「洗われちゃう(笑)」
DM「それどころか明らかに洗われる以外のこともされそうになりますが……」
スティーン「ああ〜っ! ダメですよダメですよ〜」
ロアルド「意志セーヴだ意志セーヴ!(笑)」
レオニス「あばれないのあばれないの、と言いながら……(笑)」
スティーン「ガチですか!(笑)」
DM「カスミさん、リアル10年以上前から存在するキャラですが、当時からこうでした(笑)」
ロアルド「百合だったのか!」
スティーン「まずはソフトな百合から!」
DM「カスミさんも性急に運ぼうとはしてないね」
スティーン「おぉぉぉ!」
ロアルド「嫌ってなるギリギリを責める感じで!」
スティーン「テクニシャンですねぇ!(笑)」
ロアルド「もうなすがままじゃないか!(笑)」
スティーン「開発されちゃう!(笑)」
DM「そんなカスミの得意な戦闘スタイルは二刀流です」
ゾア「性的な意味でもかよ!」



DM「というわけで、男性陣。旅装を解いて待ってると、ポーッとした感じのスティーンを抱えてカスミが帰ってくる。浴衣に着替えさせられてね」
カスミ「お風呂場空いたからあんたらも入りなさい〜。そんな汚くてくっさい格好で瞳さんに会わせるわけにはいかないからね」
ゾア「ありがたい!!」
DM「でまぁ豪華な檜風呂だったり石鹸一つとっても妙に汚れが落ち易かったりするのに驚くわけだ。スティーンも驚いてたね。とってもいい匂いだしツルツルになるし、と」
スティーン「ツルツル……色んなところがツルペタな感じに」
DM「そうそう」
ロアルド「さっきごねたのも忘れて楽しみまくりです。来てよかった……と(笑)」
レオニス「旅館の風呂サイズ? 泳げる?」
ゾア「泳ぐなよ!(笑)」
ダス「レオニス先生、100数えればいいんですか?」
レオニス「そうだ。100数えるのが作法だと聞いたことがある」
ロアルド「ダスもよく知ってたな」

 ババンがンバンバンバン。

DM「で、ろくな着替えが無い君達に朗報で、ちゃんと浴衣が用意されている」
ダス「これはどうやって着るんだ?」
ロアルド「さっきスティーンが着せられていたものと同じだな。よくヒノワ人が着ている民族衣装だろう」
レオニス「うむ。これはユカタといってだな、こうやって着るのだが……たしか『ヒダリマエはダメ』だという話を聞いたことがある。つまり自分から見て右側を前にだな……」
ゾア「なるほど!」



DM「一方スティーンはカスミと身の上話なんかを」
スティーン「基本的には鍛冶屋なんですけど〜」
 
DM「で、楽しげに会話してるのだが……ときおり喘ぎ声が混じったりするわけだな」
スティーン「あはははは!(笑)」
ロアルド「こ、これは……ダス、聞き耳(小声)」
ダス(無言でダイスロール)
ロアルド「振ってるし!?(笑)」
カスミ「はやく入って来なさいよ!」
スティーン「バレた〜(笑)」
DM「キミらゾロゾロ歩いて来てるんだから聞こえるっつーの(笑)」
ゾア「おじゃましま〜す」
カスミ「ブッ……あははははははははは!!(爆笑)」
DM「で、抱っこしてたスティーンを横に置き、一呼吸おいてから……」
カスミ「あははははははは!!(畳バンバンバン)」
ロアルド「なにがそんなにおかしいんだ!?」
カスミ「あんたら死人なの!? 死人なの!? ねぇゾンビ!?(バンバン)」
ロアルド「言ってることの意味がわからん!(笑)」
 無論、プレイヤーは百も承知である(笑
ロアルド「レオニス、どういうことだ?」
レオニス「いや、わからん……」
カスミ「破邪神が……左前!!(ぷっ)」

 全員爆笑。

ゾア「おい、破邪神がバカにされたぞ!?(笑)」
ロアルド「これは辛い(笑)」
レオニス「いったいなにが……!?」
DM「すると襖がスッと開いて……今度は黒髪ストレートロングのメイド服を着た若い女性が」
レオニス「メイドさん」
ダス「メイドさんが」
ロアルド「メイドさん……」

 メイドさん。続く。


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 見るものすべてが私を驚かせる。そして、長旅からの解放感。
 気のゆるみが出たのだろう、浮かれはしゃいでしまった。
 我らにはすべてに優先し、果たさねばならぬ使命があるというのに。

 ……む、メイドさん?



・ゾア
 風呂! なんだかここは本当にすごい場所だ。
 せっかく石鹸持ってきたのに役に立たなかったなあ……。
 それにしてもヒノワの服はどうも作りかけのように見える。
 ボタンもないしサイズもずいぶん大きいし。
 とりあえずレオニスの真似をしておこう。
 あれ、笑われた?



・スティーン
 はぁ〜久しぶりにはしゃいじゃった。子供の頃に戻った気分だよ。
 カスミさんって本当に面白い人だなぁ。すごく、話しやすいし仲良くなれると良いなぁ。

 破邪神が左前! 語呂が良い、そしておいしすぎる(笑)



・ロアルド
 無念。知識ロール失敗!
 他でレオニスに劣るのは仕方ないが、これは悔しい!
 そして、スティーンへのセクシャルアプローチは、気になり過ぎる(笑)もしや、ここは桃源郷なのか?俺の興味を惹くものが次から次へと出てくるな!
 ん?もちろん、通路の見事さやヒノワ文化のことだ……。



・フォルカー
 やっぱこんな所に工房を拵えちまうなんてスゲェな!
 壁とか床が城みてえに磨き上げられているし風呂もある。俺は殆ど水浴びだったから有難い。
 俺らゾンビ?! カスミさんに笑われちまった。ヒノワの服は変わってるなぁ。



・ダス
 カスミさんの目つきが(笑)
 グリフォンの山を抜け、待ち構えていたのは和風の風呂とは。さぞ気持ちがよかろう。いろんな意味で。そして、聞き耳は静かに立てなきゃね!
 破邪神の左前でレオニスで。なるほど、ゾンビという発想はなかった(笑)

■“彷徨”キャンペーン 第1回(パーティーレベル7) チャプター3

 
女性「誰かお客様が来たと思ったら、こんなに騒いで……いらっしゃいませ(にっこり)」
全員「おじゃましております!(ぺこり)」
レオニス「えーとメイドさんの上司かなぁと思いつつ……」
ダス「メイド長だな!」
女性「左前とはですね、この娘の故郷、日輪では死装束でするものなのですよ」
ロアルド「おいおいおい」
ゾア「縁起でもない!」
レオニス「かといって今ここで直すわけにもいかぬ!(笑)」
DM「メイドさんが一番近くに立ってたゾアに近付き……」
女性「……ここを、こう」
DM「と、直してくれる。とても良い香りが君の鼻腔をくすぐるよ」
ゾア「うぉぉぉぉぉぉぉ!?」
ロアルド「リーダー羨ましいぜ!?」
女性「はい、できました(にっこり)」
ゾア「ありがとうございます!」
カスミ「あーあ、鼻の下延ばしちゃって(笑)」
ゾア「えへへへ……(笑)」
カスミ「他の奴らもちょー羨ましそうにして! 罪ねぇ瞳さん!」
ゾア「うへへへ……(笑)」
ロアルド「……あれ!? ヒトミさん!?」
全員「ヒトミさん!?」
瞳さん「はい、私が瞳です(にっこり)」
ロアルド「破壊力が高いな!?」
ダス「あ、貴女が……?」
スティーン「……ハッ! えとえとイーヴァルディ工房からお使いでやって来ました! あの親方のお手紙を届けに来たんですけれど、これヒトミさん宛ですよね!?」
瞳さん「あらあら? ……でもその前に貴女も……」
DM「と、カスミにすっかり乱れさせられていた格好を直してくれる」
ロアルド「はだけてたの?(笑)」
スティーン「あははは(笑)」
ロアルド「お、俺達も直してもらえるのか!?」
レオニス「ヤバい、直してもらうのを期待している!?」
カスミ「ほら、あんたらもこうよ!(ギュッギュッ)」
ロアルド「うああああ!?(笑)」
カスミ「ったく。このスケベ!」
レオニス「超美人だし……」
ロアルド「そりゃねぇ……(笑) ………………いや俺は異文化コミュニケーションですよ!」
ダス「ロアルドってちょっとスキモノですよね」
ロアルド「スキモノ!? ちょっと違くねーか!?」
瞳さん「あらあら。立たせっぱなしでしたね。こちらへどうぞ……」
DM「と、大きなテーブルの置いてある部屋に通される」
カスミ「はいっほいっ♪」
DM「座布団をヒュンヒュン飛ばして、ピタッと狙ったところで止めている(笑)」
瞳さん「こら、香澄。座布団を投げてはいけませんよ」
カスミ「いいじゃーん、楽だし早いし」
ダス「ヒノワのメイドは物を投げるのか〜」
カスミ「これはとっても大事な宴会芸よ。覚えておきなさい」
ロアルド「なるほど……そーいうものなのか……」
レオニス「今のは嫌味じゃなかったのか?(笑)」
ダス「あとで試してみよう」
DM「で、お茶もダッダッダッ。お茶菓子は花林糖が」


ゾア「ああ、まだヒトミさんに自己紹介をしていなかった! 私がこの隊のリーダーを務めているゾアと申します」
瞳さん「あらためてはじめまして。火向瞳と申します」
DM「基本的にたおやかな笑みを絶やしていないと思ってくれ」
レオニス「こんな伝説級の人に対して俺はどう挨拶したらいいんだ!?(オロオロ)」
キートン山田「繰り返しになるが“伝説の人”はレオニスが勝手に言っていることである」
ロアルド「流動神の神官、ロアルドです」
ダス「ダスです」
フォルカー「武人のフォルカーだ!(ガッ)」
 挨拶に手を挙げようとして思いっきりテーブルにぶつける中の人。当然、キャラもぶつけた扱いにするのが紳士の遊戯。
 そりゃー全員大爆笑。巻き起こる拍手。
スティーン「だ、だいじょうぶ……あはは……ですか!?(笑)」
カスミ「あははははははは!!(ゴロゴロゴロ)」
レオニス「カスミさん、大爆笑!?(笑)」
フォルカー「この机低いよな……なんだこれ!」
カスミ「面白い! 面白いわあんた!!(笑)」
フォルカー(カスミに敬礼)
レオニス「破邪導師のレオニスです。お会い出来て光栄です。ご高名はかねがね……」
キートン山田「物凄く脳内補正されていそうである」
瞳さん「ありがとうございます。こちらこそ光栄ですわ」

 恐縮しまくる空気(笑)

瞳さん「それではお手紙を読ませて頂きますね……」
ダス「(ボリボリ)これ菓子と一緒に喰うと美味いぞ!? なんだこれ!」
 このタイミングで菓子にエキサイティングするダス。

瞳さん「ラガティーンのお嬢さんなのですね」
スティーン「はいっ!」
瞳さん「彼らと最後にお会いしたのはいつかしら……」
カスミ「少なくともあたしが来る前よね〜」
ロアルド「だからさっきも知らなかったんだな。まぁこの人がいつからいるかもわからないけれど」
レオニス「ど忘れしてるだけじゃないのか」
瞳さん「手紙の内容を要約させて頂きますと……スティーンさんの修行に手を貸して欲しいと」
スティーン「あたしのですか!?」
レオニス「ここでバトルスミスになるのか! 美味しいな!!」
瞳さん「武勇鍛冶士の称号を得るに十分な下積みはさせたので、あとは最後の仕上げを……とのことです」
DM「前提条件は満たしてるからね〜」
瞳さん「実はバルグドが武勇鍛冶士となる手助けをさせて頂いたのも、私なのです」
ゾア「ほ〜う」
ダス「ほう」
 鈍感2名。

レオニス「……がっ!? ぐふっ!?」
スティーン「え!? え!? え〜どうしようかな!?(笑)」
レオニス「俺ショック受けてるショック受けてる! そりゃ当然かぁ……!」
スティーン「親父……親父……」
 イーヴァルディ工房の長である親方はバルグドで、スティーンの父親はそこの熟練工であるラガティーンです。そして彼らは戦友であり、同世代。
ロアルド「ど、どういうことだ!?」
スティーン「お父さん!? お父さん!? お父さんの……お父さん達の修行を手伝ったんですか!?」
DM「明らかに50年は昔の出来事という(笑)」
レオニス「ショックを受けてるよ!」
ダス「………………あ!?」
カスミ「ぷっくくくく……!!」
ゾア「え〜!? え〜!?」
レオニス「そんな失礼な!」
カスミ「まぁつまりかつての弟子の頼みを聞いてくれってことなのね……(笑)」
瞳さん「貴女がお望みになるのであれば、私はかまいませんよ(にっこり)」
レオニス「スティーンは武勇鍛冶士を目指してるんですよね」
DM「だね。親方の武勇伝に憧れて小さい頃から修行している。ちなみに武勇鍛冶士なのは親方のバルグドの方だけね。父親のラガティーンも腕っぷし十分なタフガイだが、もっと職人寄り」
スティーン「お、親方の師匠の方に稽古して頂けるなんてそんな光栄……! あのもしよろしければご指導お願いします!(起立して礼)」
DM「バルグドの部屋には軍から貰った数々の勲章が飾ってあるよ。50人斬りとかそーいうの(笑) 後方支援の鍛冶部隊だと思って奇襲をかけて来た敵を迎え討って壊滅させたとかの伝説が幾つも」
ロアルド「バカなーっ!? こんな奴がいるなんて聞いてないぞ!? みたいな(笑)」
DM「ドワーフ無双しちゃった、みたいな(笑)」
ダス「カッコイイ!」
DM「まぁそんなわけで、バルグド親方は凄く立派な人です」
瞳さん「かしこまりました。もちろん、無償というわけにはいきませんけれど……。見事修練を終えましたら、腕試しも兼ねて、幾つかお使いをお願いさせて頂こうと思っております」
スティーン「それはあたし一人ではできないことなんですか……?」
瞳さん「もちろん、貴女一人で行なうというのであれば私はそれでもかまいませんが……。お仲間の力をお借りになれば、もっと早く果たせるのではないかしら?」
スティーン「実は皆さん、今一時的にあたしの旅事を手伝ってくれているだけで、本当の目的は他にあるんです。なので一度皆の意見を聞いてから結論を出してもいいでしょうか?」
瞳さん「ええ、かまいませんわ。それでは席を外させて頂きます……」


レオニス「おい、ゾア」
カスミ「え〜別にスティーンが一人残ってくれて時間もかかった方がたくさん一緒にいられて好都合なんだけどな〜だから帰っていいわよ〜?」
ロアルド「そ、そう言われるとなぁ?(苦笑)」
 
瞳さん「……香澄」
カスミ「ハイ」
DM「反対側の襖からそそくさと退散する(笑)」
レオニス「彼女は我々の黒騎士を打倒するという目的に力を貸そうと言ってくれているのだ。ならば我々が彼女に力を貸さない理由は無い」
ロアルド「たしかに。同じことを考えていたよ」
ゾア「困ってるのを助けるのが、我々の務めだしな」
レオニス「そういうわけだ。遠慮無く稽古を付けてもらうんだ」
スティーン「みんなありがとう! えーと……」
ゾア「この二人この二人!!」
 そう。多数派に吸収合併され、少数派になった初期メンバーのフォルカーとダスのことだ!(笑)
DM「この二人、一言も喋ってないぞ!?(笑)」
ダス「完璧にキャッチボールが決まってて……」
フォルカー「口をはさめなかった……う、うむ。いいじゃねぇか。俺だって強さを求めてるし、スティーンが強くなったところは見てぇなぁ!」
ダス「彼ら三人がいいというのなら、俺はかまわない」
DM「エイミーレンタが遠退いた」
ダス「ああっ!!?

 魂の叫びに全員爆笑しつつ、続く!


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 成仏しきれずに現世をさ迷う死者を討つべき破邪神の導師が、自ら死に装束で歩き回るとは……くっ!
 こればかりは、笑われてもやむを得ん……。

 とうとうお会いできたのは予想よりはるかに若く、美しいいヒトミ殿の姿。
 おそらく伝説の鍛冶師"ヒトミ"という名は代々継承されてきた称号なのだろう。
 ……と思っていたら、そんなことはなかった!!

 スティーンの武勇鍛冶師としての修行、ヒトミ殿の元での経験は何事にも代えられないものだ。
 それはかならずや黒騎士打倒の大いなる力となろう。
 我らとて、負けてはいられないな。



・ゾア
 降って湧いたラッキーです。えへへへ……(笑)
 美人さん登場です。この人がヒトミさんですか。
 でも年いくつなんだろうほんとに。深入りすると危険な話題のような気もするけど。
 そしてスティーンの修行。もちろん大賛成だ。



・スティーン
 みんな、私のわがままを聞き入れてくれてありがとう。一生懸命修行して、もっともっと強くなるから。親方の師匠さんも認める武勇鍛冶士になってみんなの役に立つから! 絶対にね。

 と、言う感じで気持ちも新たに頑張ります。



・ロアルド
 おしとやかなメイドさん。しかもそれがヒトミさん!やっぱりここは桃源……いや、目的の人に会えて良かったなスティーン。武勇鍛冶士としての鍛錬、心行くまで積むがいい!
 しかし、スティーンの親方の師とは……ヒトミさん、あなたは一体……。
 と、とにかく、初期メンバー二人は頑張ろう(笑)

 ところで、プレイヤー的にはカスミとのやり取りが美味し過ぎてたまりません! 楽しいなぁ。



・フォルカー
 も一人のメイドさんがヒトミさんだったとは。ともかく主はゴツイ人を想像してたよ……。
 此処に来てから予想外の物事が連続! 下向きだった俺の運命が変わり始めた……?!

 スティーンが強くなる為に此処にきた。俺は出来ることをし、可能な限り協力するつもりだ。
 強くなったところ早く見てぇなぁ!

 浴衣に続きヒノワ体験その2。
 机が低くて痛かった。デケェ俺は慣れるまで何度もブツカッテしまう……。



・ダス
 仲間に加えてもらった3人、堅物かと思えば案外そうでもなかったのか(笑)
 そして、ヒトミ脅威の若作り。ど、どうなっているんだろう……。こんな人に稽古をつけてもらうなんて、スティーンも感無量だろうなあ。なのに気を使ってもらって。えぇこじゃのう。パーティーじゃ一番年上だけど(笑)
■“彷徨”キャンペーン 第1回(パーティーレベル7) チャプター4

ロアルド「凄い悲鳴が出たぞ!?」
ダス「ま、まぁ仲間が強くなるならそれが近道だ!」
ロアルド「白々しいぞ!?(笑)」

 またも全員爆笑。

ダス「そんな打算だけではないですよ!(笑)」
ロアルド「そうかぁ。ここには娼館なんて無いぞ。大丈夫か?」
ダス「別に娼館なら何処でもいいというわけではない!」
ロアルド「そうか」
レオニス「お前らなんちゅー会話を……」
DM「美人はいるが、ロリはいないな。スティーン以外は」
ダス「カスミ殿も……ヒトミさんと…………いや、なにも言うまい……」
ロアルド「なんだよ!? 却って気になるじゃないか!(笑)」
ダス「いや。あの……年齢……もしかして二人とも……」
スティーン「凄いことに!」
ロアルド「別に何歳だろうとどの道お前は興味が無いだろ」
ダス「ああ、まぁな」
レオニス「13以下かそれ以上しかないんだろ。女には二種類しかいない。ロリかロリじゃないか、と(笑)」
DM「じゃあ皆知識ロールを振ってもらおうか。歴史と地域」
ロアルド「そろそろ旅の神の神官として世界のこと知ってるところ出さないと! …………よしきたーっ!!」
DM「ロアルドはカスミのことがなぁぁぁんか引っ掛かる。知ってる気がするんだけど、思い出せない」
ロアルド「なんかどっかで……みたいな?」
レオニス「どうしたロアルド?」
ロアルド「いやぁ、言ってもしょうがないことなんで気にしないでくれ」
レオニス「まぁあんまり待たせても失礼だ。カスミ殿?」
DM「呼ばれて飛び出てジャジャジャ〜ン」
カスミ「はいは〜い」
ロアルド「軽いなぁ(笑)」
スティーン「結論が出ましたので、瞳さんを呼んで頂けないでしょうか」
カスミ「りょうか〜い。あ、歳のことはヒ・ミ・ツ♪」

 全員爆笑。

ロアルド「やっぱわかんねーわあいつのこと!(笑)」
DM「で、瞳さんがやってくると今度は羊羹が出される」
カスミ「ハシ、あたしね!!」
ロアルド「…………あ!(笑)」
レオニス「これはわかる。ゼリーですね?」
ロアルド「真ん中が上等じゃないのか? 違うのか?」
カスミ「通はハシを好むのよ!」
フォルカー「さっきのといい、ヒノワは黒っぽいお菓子が多いのか」
ロアルド「リアルで食べたくなってきたな、羊羹(笑)」
レオニス「こんな山の中であの風呂場といい、小豆といい……」
瞳さん「答えが出たのですね」
スティーン「はい。皆あたしのために協力してくれると言ってくれました。ええと長い間お世話になると思いますが、よろしくお願いします!!」
瞳さん「それはおめでとうございます。素敵なお仲間のようですね(にっこり)」
レオニス「いえ、当然のことをしているまでです!(照れ照れ)」
カスミ「ちぇ〜つまんな〜い(スティーンに頬擦り)」
スティーン「ふにゅん」
レオニス「……これはこれでナカナカに」
ロアルド「レオニスもそんなキャラだったのか(笑)」
レオニス「しまった! プレイヤーの思考が駄々漏れに!!」
瞳さん「それでは明日からとりかかりましょう」
レオニス「我々は待ってればいいのかな」
カスミ「もちろん、あたしが稽古つけたげるわ〜」
レオニス「ひぃ!?」
ロアルド「ひぃぃぃ!? なんだ!?」
カスミ「はい、マホーツカイは書庫にでも引き篭ってればいくらでも時間潰せるでしょ? ほ〜らお宝の山よ〜」
レオニス「ヒトミ殿の! 書庫!? 」
DM「クルクル回りながら部屋を出る(笑)」

 レオニス、本の山に消える。

 
DM「一方の前衛組は翌日からカスミが教官だ。彼女は小太刀二刀流と鎖鎌が得意なんだけど、薙刀や太刀や弓もキミらより上手だね。元が強いから。西洋系武器も一通り使いこなせるんで、君達の戦闘スタイルに合せた稽古が可能。瞳さんのシューフィッターだけある」
レオニス「ちなみにD&Dの鎖鎌はチートみたいな性能です」
DM「なのでこの世界では下方修正されています(笑) で、この段になってようやくロアルドはさっきの引っ掛かりの正体に気付く。彼女は天秤の守護者に所属していた筈だ、と」
ロアルド「お!?」
DM「戦闘スタイルを見て記憶が繋がった。天秤の守護者アスナ・ミズタニ麾下の三つ分銅に、カスミという様々な武器を使いこなす女の名前があったのを思い出した」

・天秤の守護者
 解放者エイファスの仲間の一人であった魔導師が、彼亡き人の世の維持を目的として創設。強力な魔導の無制限投入による人同士の全面戦争が勃発しないよう、時おり発掘される「世界のバランスを崩す魔導の物品」を収集、管理している。更にはそれら発掘兵器を用い、人類最大の敵である竜達との戦いの最前線に立つことを自認している。
 天秤の守護者とは組織の名前であり、所属する最強のメンバーに与えられる称号でもある。
 そして三つ分銅は天秤の守護者直属部隊のメンバーを示している。目安としては一般士官で二つ分銅、下士官クラスで一つ分銅と思ってくれて問題無し。


DM「同様にアスナ麾下で、小説に出てるからキミらも知ってる“天津風”のサクヤ・ミズタニなんかは、現在天秤の守護者に昇進しているが、カスミはこんなところに……引退でもしたの? という」
レオニス「ロアルドは天秤の守護者に関係あったっけ?」
ロアルド「無いよ?」
DM「天秤の守護者はファクセリオン王国生え抜きのエリートもいるけど、外の高名な人がスカウトされることも多いんだ」
レオニス「なるほど。だからカスミの冒険者時代の名声の方で、後に天秤の守護者入りした……みたいに覚えてたのか」
DM「まぁ明らかに今十代の少女ってのはおかしいんだが……童顔なだけという解釈も瞳さんほどの無理はなく可能だ(笑)」

 そんなこんなで二日目の夜になり、スティーンの部屋。

DM「カスミが一緒に寝る気満々でやってきて、今日までの旅の話を話してるわけだ」
カスミ「へぇ〜ティサンって確かに熱い男ねぇ。物的になにも残らなかったけど、心は錦って奴ね!」
スティーン「“なにも残らなかった”って……?」
カスミ「え、なにか残したの?」
スティーン「………………はぁぁぁ!? そういえばお礼とかしてない! どーしよ!?」
ダス「お礼はした! 言葉で!」
ゾア「まぁお礼しか言ってないが(苦笑)」
キートン山田「この場にいないのに突っ込むな」
カスミ「あれ? あ、じゃあ端折ってただけでなんかしてたんだ?」
スティーン「ど、ど、どどどーしよう!? なんかしたほうがよかったのかな!?(オロオロ)」
カスミ「え? その辺全部解決して爽やかに別れたんじゃないの?」
スティーン「はわぁぁぁぁ! ご、ごめんねちょっと話してくる!!」

DM「じゃあカスミが毛筆で“野郎部屋”と書いた貼り紙がされた、雑居房ならぬ男連中が寝泊まりしている20畳程の客間に到着」
スティーン「フォルカー、ダス! な、ど、どーしよう!?」
フォルカー「落ち着け!」
ダス「なんだ?」
スティーン「はわぁぁぁぁ!」
フォルカー「落ち着くんだ。どうしたこんな夜中に?」
スティーン「さ、さっきカスミさんと……」
フォルカー「さぁ深呼吸だ!」
スティーン「お、おう!? すーはーすーはー」
フォルカー「次に十数えよう」
スティーン「え? あ? わ、わかったわ! いち、にぃ、さん、し……」
ロアルド「フォルカーってこんなキャラ?(笑)」
フォルカー「素数を数えるんだ」
DM「いまいち性格が謎なんで、俺はフォルカーがどんな奇行をしても驚かないようにしているから(笑)」
スティーン「きゅう、じゅう……」
フォルカー「落ち着いたか?」
スティーン「あ、ありがとう。あのね、えと、えと、今カスミさんと旅のことについて色々話してたんだけど、あたしたちティサンにお礼を言っただけでなにもしてあげられてないって言われちゃって、でもここはちゃんとしてあげないといけないと思うんだけど、どうすればいいのかな!?」
ダス「はっ!?」
フォルカー「あああ……!」
スティーン「ほんとに、なんか、なんか……プレゼントみたいなの……た、誕生日? なんか贈り……お中……お中元は変! ええと……ちゃんとした贈り物とかしたほうがいいよね? 今からでも!」
ダス「しかし今からじゃもう不可能に近いぞ?」
スティーン「あああ……」
ダス「贈りたいのは山々だが……たしかにろくなお礼を彼に渡すことはできなかった」
フォルカー「今から戻るか……」
ダス「今我々がいるところを忘れてもらっちゃあ困るな!」
ロアルド「我々居るのかな?」
DM「居るよ!」
レオニス「あ、居るのか」
DM「言ったっしょ〜」
レオニス「いや、二人に会いに来たのかと……大部屋だったね」
ゾア「“野郎部屋”と(笑)」
フォルカー「カスミさんが書いた貼り紙がって説明されてたよ」
スティーン「なんかこれからティサン貯金でもしようかな!? 遅いかな!?」
フォルカー「そうだな。それは始めよう」
ロアルド「遅いなんてことはないぞ。それにハナから諦めるというのもな」
スティーン「なにか目標を立てて……どーいうのを贈ればいいかしら?」
ダス「やはり漁に役立つアイテムを……」
スティーン「網とかかしら?」
ロアルド「なんでフォルカーとダスはスティーンに比べて妙に冷静なんだ(笑)」
フォルカー「そうだな……変だな(笑)」
DM「スティーンのほうがよっぽど恩義を感じてるように見えるな(笑)」
ゾア「一番世話になってる二人なのに(笑)」
フォルカー「マズい……マズいな……あれだけ迷惑をかけてなんもしてねぇ……」
ロアルド「我々は村長に金を渡しただけで、すっかり自己満足をしてしまっていたようだ……」
スティーン「ご、ごめんなさい! 今になってまた皆に迷惑かけて……(オロオロ)」
ロアルド「いや、そんなことを言う必要はない……ていうかお前ら二人はどうなんだよ! 何とか言ったらどうなんだ!」
ゾア「お前達のほうが迷惑をかけてるんじゃないのか?(笑)」
ダス「ええとショック中です」
レオニス「あんだけ冷静だったのになんで。矛盾してますよ(笑)」
ダス「う〜ん……」
ロアルド「……まぁこんな彼らを導くのが我々の役目であったか……」
フォルカー「一番迷惑かけちまったのは俺達二人だから、二人でなんとかするべきだな……」
スティーン「あたしもティサンには凄いお世話になったから、あたしも混ぜて!」
ロアルド「いやいやいや。俺達皆の責任だ」
ダス「そう言ってもらえるとありがたい」
フォルカー「これは俺達がやったことだから、その……くぅぅぅ……」
レオニス「たしかにあれだけ協力したティサン……。なのに我々は戦利品(高価なマジックアイテム)を持って帰り、彼にはなにも……そう、彼に一切の金銭的な見返りを渡さなかったのもあるし……村八分解除に払った金は、分け前とは完全に別の必要経費だしな……」
フォルカー「そ、そうなんだが……」
ダス「なにか与えてやれればよかったなぁ……」
レオニス「それだけじゃないな。我々はすべて解決したつもりになっていたが……」
DM「するとカスミが現われる。こっちは服装ちゃんとしている(笑)」
カスミ「スティーンに置いてかれちゃったわ〜。でそう、その話題よ。ちゃんと話つけて感動の別れ……っていうんじゃなかったの?」
スティーン「ごめんなさい……(笑)」
ダス「ごめんなさい……(笑)」
フォルカー「申し訳ない……なんも言い訳できないぜ……」
ダス「洞窟を抜けてからの出来事と……そのまま別れて……うっかりしていた……大切なことが抜け落ちてしまっていた……」
ロアルド「んんんん……(苦笑)」
DM「するとカスミがスススとレオニス&ロアルドの背後に回って小声で」
カスミ「……大切なことが抜け落ちてばっかよね?」
ロアルド「そうなんだよ……落ちずに残ってるものってあるのか……って俺も思ったよ……」
フォルカー「ティサンに大見得切って誓ったはいいが、誠意はなにも見せられなかったな……」
ロアルド「ダスは女のことばっか考えてるからだな! 正直な!」
スティーン「あたしもきちんと気付けなかったというか……思い至らなくて……なんか村八分だったのがショックで……考えつかなくて……同罪ですっ!」
ロアルド「いや、しかし我々だってその場にいたのだ」
フォルカー「どうにかしないといかん……」
ダス「しかしどうにかっていっても、どうにかできるのか? 今すぐに」
スティーン「まず、なにかするために……いきなり解決はできないかもしれないけど、とにかくなにかできることをやりましょうよ」
ロアルド「そうだな……」
レオニス「それにだ。さっきも言いかけたんだが、これは決して戦利品の分配だけの問題じゃない。我々は村八分問題のすべて解決したつもりになっているが……今考えてみれば、それも違うんだよ」

 つまり状況を整理すると。
 ティサンはお尋ね者に協力をし続けた裏切り者として、村八分にされていたわけだ。それをパーティーが村長に対して示談金を渡すことで、解除させた。
 が、結局それだけでもあったのだね。
 たしかに形式上「村八分は止めましょう」となり、ティサンの漁場からの締め出し等は無くなるはずではあるのだが……。彼が「村を見捨てた上にお尋ね者にまでなった奴らの仲間」という事実と、それに対する悪感情は一切緩和されていない。
 つまり学校の先生がクラスのイジメ問題に対し、一切の原因の取り除きをすることなく、ただ「イジメは止めましょう」「は〜い先生」となっただけなのよさ。たしかに村八分よりはマシだが、依然として孤立気味であろうことは想像に難くない。わだかまりには手付かずだったのだから。

レオニス「正義のために尽力してくれたのに、残ったのは苦しい生活と汚名だけ……。仮にダス達が海賊退治に成功していれば、村の勇者として遇されたはずなのに……!」
ダス「だが彼がいなかったら、我々が洞窟を攻略することなんて不可能だった……」
レオニス「なのに彼は犯罪者の一味扱いだ……我々はそれを知っているはずなのに、なにもしなかった……勇敢な民が立ち上がってくれたのに、こんな結末……許されてはいかん!!」
スティーン「引っ越しのお手伝いとかそういう……」
 
レオニス「金で解決するにしても、我々三人が子爵様に“ティサンという勇敢な漁師は黒騎士討伐に多大な協力をしてくれました。そんな彼が孤立しているのを助けたいのです。このお金を子爵様からの褒賞金として、彼に授けたことにして頂けないでしょうか”ってやれば……。これくらい、あの時考えればすぐ思いついただろうに……俺としたことが……彼は紛れもない勇者だった……我々と志を同じくする……!! それをダス達の間の問題と他人事の様に……くっ!!」
DM「あの甘い子爵様だから、領民を無駄に苦しめようとはしないだろうね。金も自腹だっていうんならなおさらに」
スティーン「今から……じゃ遅いかな?」
レオニス「2ヶ月以上経過してるからな……タイミングを逃してる……いや、やらないよりはマシか……」
ダス「俺達がそもそもあんなことにならなければ、彼にこんな思いはさせなかったはずなのに」
ゾア「悔やんでばかりではしょうがない」
スティーン「まずなにをするかね!」
レオニス「金銭的な面はともかく、名誉の回復をとりなせなかったことは我々にこそ責任があるしな」

 わ〜たし〜にも〜で〜きること〜。続く!


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 金で解決という行為にうしろめたさは感じていた。
 だが、我々の罪はそんなことではなかった。
 人を導くことも大事だが、己を鑑みることを怠ってはなるまい。
 ティサン殿、申しわけない。



・ゾア
 すっかり解決した気になっていたティサン問題。
 よく考えれば、ティサンの状況は何一つ良くなっていないわけです。
 交渉役として出向いておいて、金だけ渡してこの体たらく。
 反省することしきりです。



・スティーン
 ティサン……ごめんなさい。
 あまりにも目の前のことしか見えてなかった自分が腹立たしい!
 何か今からでもできることはきっとあるはず!



・ロアルド
 ダス、強がってもあと数ヶ月は確実に逢えないんだぞ。衝動に任せたお前の行動の数々、心配するなという方が難しい(笑) 溜めすぎて、暴発するなよ!

 むう、カスミが天秤の守護者だと……。何故このような場所でメイドを?色んな意味で驚きだ。ともかく、ここに来てようやく旅の神の神官としての面目躍如。ふう、ひと安心。
 いや、安心している場合ではなかった。一期一会を大事にするという俺の信条にもとる行動、ティサンには申し訳ないことをしてしまった。何かせねば。


・フォルカー
 カスミさんはだだのメイドさんじゃぁ無かったんだな。しかも天秤の守護者だったとは……。

 ぬうう……またしても俺は大きな過ちを……!
 今度は恩人に対しての不義理か……。自身が辛い思いをしても変わらず接し、助け続けてくれた。俺はティサンに対して俺自身の都合の良い返事だけをしてきただけじゃないか! 目標になるかもしれない漢は実は、何枚も上手で俺には届かない処に居るんだ……!

 世の中は広い、スゲェ奴が沢山居る。
 戦う強さを求めてきた俺は、今足りない物が多すぎる……。



・ダス
 まぁ、エイミーレンタに胸張って会えるようになる為には、いろいろなものが必要なわけで。それには例えば時間だって……。時間……、月……年……。ぐふっ。
 一転、お茶と菓子で和む会(違う)。
 カスミさんすげぇ。ただもんじゃねェとは思っていたが。

 ティサンのことはそこまで思い至ってやれなかったなぁと反省しきり。村八分解除で安心している場合じゃなかった。

■“彷徨”キャンペーン 第1回(パーティーレベル7) チャプター5

スティーン「今から子爵様にお願いしてもらうこと、できないかしら?」
ロアルド「いや、むしろこちらからこそ、させて欲しい」
ダス「トルに行けば手紙を出せるかな」
レオニス「手紙で済ませられることかどうかが、な……」
DM「ちなみにカスミはだま〜って様子を見てます」
ロアルド「ここは自ら行くべきだろう」
ダス「当然行こう。いや、子爵様へのお願いはゾア達に頼むとしても、ティサンには俺達が会わないとな」
スティーン「あたしはなんか……さっきのレオニスの話を聞いたら、あの村にはあたし達が近付かない方がティサンの心象は悪くならないと思って……。もちろん、会いたいとは思うけど、あたし達が行って“やっぱり奴らとつるんでるんじゃないか”ってアピールするみたいになるのは辛いわ……」
ダス「ああ、スティーン賢い娘だなぁ……」
フォルカー「同じことを考えていた」
ダス「わかった。それも一理ある」
フォルカー「俺達はティサンと同じ場所に居ちゃいかんだろう」
ダス「行くにしても、もっとデカいものを掴んでからだな……」
スティーン「そうね」
ダス「だったら、せめてティサンに今渡せる物を渡してやればいいんじゃないか」
スティーン「時間があればあたしが銛でも」
DM「それは高性能の投げ槍であって、漁の道具としての機能性は考えられてないような気もする(笑)」
スティーン「あれ?(笑)」
DM「武器鍛冶であって、釣り具職人でないからなぁ。海の怪物退治するならお役立ちかもしれんが(笑)」
ゾア「穂先に返しが付いてないとかか(笑)」
ダス「獲物を殺すことしか考えられてない(笑)」
ゾア「時間があれば剥製を(笑)」
ダス「じゃあグリフォンの剥製だな(笑)」
レオニス「なんにせよ、スティーンをここに送り届けるという目的は達成しているのだし、我々は……」
フォルカー「戻るか」
スティーン「役に立てなくて申し訳ないわ」
ダス「君は君の務めを果すがいい」
スティーン「……強くなって皆の武器も造ってあげるわ!」
ロアルド「それが君の役目さ」


カスミ「話はまとまったかしら?」
 全員頷く。
カスミ「そうなると、あんた達はもうここには戻れないわよ?」
ロアルド「と、言うと……?」
レオニス「まぁ、たしかに……」
カスミ「あたしや瞳さんは、あんた達を鍛えることを引き受けた。それを早々に投げ出していくっていうんなら、そんな奴を二度と受け入れるつもりない」
ロアルド「う〜ん……」
レオニス「たしかにな……」
スティーン「じゃああたしも一緒に出て行くわ!」
フォルカー「いや、それは本末転倒だ」
ゾア「それは君が親方からの務めを果せない」
カスミ「ハンパな覚悟の奴を相手にする気は無いわ」
レオニス「当然我々の責任だな……」
ロアルド「だが、気付いてしまった以上は……」
レオニス「スティーンともお別れだな……」
スティーン「みんなが出て行くなら、あたしも出て行くわ。たしかに修行は大事だけど、恩をキチンと返せないような人は、工房に帰っても信念を持った職人になんて絶対なれないもの!」
ゾア「よく言った」
ロアルド「良い心掛けだ」
カスミ「……立派ねスティーン(撫で撫で)」
スティーン「ごめんなさい、カスミさん……」
 
カスミ「じゃあそうやって投げ出して強くなることが遅れる間に、例の黒騎士はいったい何人殺すのかしらね?」
スティーン「あ…………」
カスミ「あなた達があたしや瞳さんの力も借りずに修行して、同じだけ強くなるのにどれだけ余計な時間がかかるのかしら? その間に何百人何千人死ぬのかしら? なにが正しいかなんてあたしにはわからないけれど……もちろん、そこまで考えた上での結論よね?」

 全員、苦笑い。

カスミ「ちなみにあたしは親しい人の命一つは、赤の他人の命何千、何万よりも大事。だからここでティサンを優先したって、あたし個人としては責めたりはしない。酷い奴だとも思わないよ?」
ロアルド「むぅ……」
スティーン「例えばの話……ここに居て、ティサンにできることってないのかしら? あたしには、どうしてもどちらか一つは選べないから……両者にとって少しでも良い選択は……なにかないかしら……?」
カスミ「スティーン? 酷いことを言うようだけどね。世の中には取り返しがつくこととつかないことがあるのよ」
スティーン「あああ……」
カスミ「仮に今、あなた達が“手紙だけでも出させてくれ”と頼んできたとするわ。でも、それも断らせてもらうわよ」
レオニス「それは……何故です?」
フォルカー「どっちつかずは拙いということだな……」
カスミ「それもそうだし、じゃああたしを雇う? 払える? 安くないわよ?」

 沈黙。

カスミ「そしてあたしが不在の間、あなた達の修行は遅れる。僅かな日数かもしれないけれどね」
レオニス「たしかにここから手紙なんて……我々の力だけでは出せはしないな……」
ロアルド「そうか……」
ゾア「郵便屋さんなんて来ないよな……」
レオニス「じゃあ……すべてをわかった上で修行を付けてくれと今から頼んだら、それは引き受けてくれるのか?」
カスミ「引き受けなかったら言わないでしょこんなこと(呆)」
レオニス「それもそうだった……(苦笑)」
カスミ「たしかにティサンに対してここからしてやれることはあるでしょうね。実際、(自分達の成長への投資を諦めて)大金積んで手紙を出せばなにもしないよりマシかもしれない。でもそれは承知の上で、あたしはあなた達に“諦めろ”って言っているの。“覚悟を見せなさい”。そーいうことなのよ?」
レオニス「……わかった。その罪を受け入れ、自覚した上でここに!」
ロアルド「そうだな……俺も初心を忘れていたよ……」
フォルカー「俺は、決めた」
ロアルド「より多くの人々を救うために旅に出た筈だったというのに……」
カスミ「それにねぇ〜。先のことはともかく、手の届く範囲でとにかく助けたい〜ってんなら、今頃戦災復興の手伝いでもしてる方がよかったんじゃないの?(笑)」
ロアルド「ドキーン!」
ゾア「ドキーン!」
スティーン「それはあたしの都合を優先してもらって、皆手伝ってくれてるだけだから責めないであげて?」
カスミ「でもスティーンも皆がそうしたそうにしてたら、むしろ自分が率先して鍛冶仕事買って出てたりしてたんじゃないの?」
スティーン「ごめんなさい(笑)」

 全員爆笑。

カスミ「“あたしは戦災復興よりも急ぎたいんだけど”なんて言わないわよねぇ?(笑)」
スティーン「ごめんなさい〜なんにも言い返せませ〜ん」
レオニス「そうだな。我々は黒騎士を追う為にそれをやらずに来たんだから、その道は突き通さないとな」
ロアルド「どっちつかずだったな」
ゾア「どっちつかずはいかんな」
レオニス「覚悟を決めて邁進しなければ筋が通らん。申し訳なかった」
ダス「まぁ皆がそう言うなら従おう……」
カスミ「目の前の百人、千人に心の中で謝って、未来の一万人、十万人を助けることを誓って来たというのなら、それを“友達が一人困ってるのを今さら思い出したんで戻ります”ってんじゃ、聞いて呆れるわ」
ロアルド「まったくだ……」
スティーン「ティサンには申し訳ないけど……ここで強くなって、世間に対してティサンが胸を張って仲間だと言えるような存在になるわ」
レオニス「カスミ殿に言われずとも、自分で気付かねばならないことだった……もっと大局的に見なければ……」
カスミ「ま、それでもなるべく目の前の困った人も助けるよう頑張りなさいな♪」


 と、覚悟完了して修行の時はあっという間に三ヶ月経過。

 
 過酷な修行とメイド服着せられるスティーンと過酷な修行とフラグ進行。

DM「皆さん、レベルを8にアップさせ、年齢も1歳アップしましょう」

 レオニス ホーリィ・スカージ3/ウィザード5
 ゾア ウォープリースト1/フェイヴァードソウル3/レンジャー2/ファイター2
 スティーン バトルスミス1/ファイター6/ブラックスミス1
 ロアルド クレリック7/レンジャー1
 フォルカー ファイター8
 ダス インヴィジブル・ブレード3/ローグ3/スカウト1/ファイター1

 最大の見所はスティーンが見事に上級職であるバトルスミス(武勇鍛冶士)になったこと。これでウォーハンマーでのダメージに判断力ボーナスも追加出来るようになりました。
 一方ウォープリーストも上級職。戦いの中で味方の士気を鼓舞し、(レベルが上がれば)多数の仲間の傷を同時に回復したりする、不撓不屈のクラスです。

DM「あとスティーンはカスミにじっくりたっぷりと開発されました。瞳さんも特に止めません」
ロアルド「嫌がってたら止めるけど、嫌がってないのならか(笑)」
DM「レイプはダメだけどな!」
ダス「ダメゼッタイ」
スティーン「和姦の伝道師みたいな(笑)」
ロアルド「なにそれ!? 伝道はしなくてもいいだろわざわざ(笑)」
スティーン「あははは(笑)」

 ちなみに日本文化勘違いネタは延々繰り広げられていたが、割愛(笑)


瞳さん「スティーンさん、ちょっとした腕試しをしてみますか? バルグドも歩んだ道なのですが」
スティーン「はいっ!」
瞳さん「とある洞窟に転移致しますので、その先の巣に棲むアイス・ドレイクを倒して持ち帰る……という仕事ですわ」
DM「知識を振るがよい」
ロアルド「多分氷のブレスを吐くぞ(笑)」
DM「アイス・ドレイクの一般的な脅威度は7です」
フォルカー「おお、強いな!」
DM「レベル8のキャラが脅威度7に強いとか言うなよ(笑)」
レオニス「レベル8の6人パーティーが脅威度7に負けたら大変なことだ」
 脅威度7とは、追加サプリメントで強化されておらず、能力値も平均的なレベル7の4人パーティーが、順当に倒すのにちょうどいい敵ということになります。一方の彼らは追加サプリ大量で能力値も平均を遥かに凌駕し、その上6人パーティー。
DM「でまぁ氷の下竜です。爪でひっかかれると寒いです。ブレスはありません」
レオニス「飛べますか?」
DM「飛べます。あと大型です」
レオニス「サラッとアイス・ドレイク退治……しかも転移とか言ってるし」
 この世界設定では、長距離転移呪文は存在はしているけれど殆ど普及していません。
瞳さん「バルグドはかつて挑戦し、失敗してしまったのですが……」
スティーン「あの親方が……そんなのあたしにできるんでしょうか?」
瞳さん「あの頃のバルグドはまだまだ未熟で、今のスティーンさんのほうがよほどお強いですよ」
スティーン「親方の若い頃とかそうぞうできない……」
DM「あんま変わってないね(笑)」
瞳さん「これは試練ですので、あまりヒントを与えるわけにはいきません」
ロアルド「そうですね。わかりました」
瞳さん「竜の身体は色々使い道がありますから、よろしくお願いしますね(にっこり)」
スティーン「がんばります!!」

 ふぁいおー! 続く!


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 全く覚悟が足りていなかった。
 私はここに誓う。
 何を置いても、黒騎士を倒すために全力を尽くすと。
 一日たりとて無駄にはすまい。
 黒騎士を倒したその日こそ、我らはその罪を償うために立ち止まることを許されるのだ……。



・ゾア
 反省しても後悔するな。
 不退転の覚悟を完了し、決意も新たに修行に励みます。
 そして修行の成果を試すときが……。



・スティーン
 ティサンのこと、世の中の出来事、自分が今できること。
 色々考えることはあるけど、私にできる限りの人は救いたい。そのためには前を見て進んで行かなくちゃいけない。

 と、言うわけで気持ちも新たに頑張ります!
 あれ?これ何回か前にも聞いた気が……。



・ロアルド
 カスミに指摘されなければ、場当たり的な行動をとるところだった。旅の目的を見失っては物も子も無い。反省。一つの場所に腰を落ち着けるのは苦手だが、覚悟を決めて臨むぞ。
 さて、それでは俺たちの修行の成果を見せてやるか! スティーンは別の修行もこなしたようだがな(笑)


・フォルカー
 俺に足りない物の一つ、覚悟。俺は決めた……!
 ティサン、本当に済まない……。
 俺はこれから成さなくてはならないことに専心するため、今はティサンのことを忘れさせてもらう……。
 こんなこと正直凄く辛い。明日の成功のために今日の苦痛に耐えよう。

 鍛錬を試す時が着たか。3ヶ月、長かったな……。



・ダス
 ティサンには、いつか必ず。いつかはいつ、といわれると心苦しいのだけど! 元気でいて欲しいなあ。
 そしてレベルアップ+試練。訓練の成果を示す時がきました。やったるぜー。

■“彷徨”キャンペーン 第1回(パーティーレベル8) チャプター6

DM「カスミ×スティーンで潤ったのでそろそろ戦闘を」
ロアルド「どこが潤っちゃったんだ!?(笑)」
 
スティーン「イチャイチャの毎日でしたよ(笑)」
ダス「四ヶ月間だもんなぁ……」
ゾア「四ヶ月間もよく耐えたよ」
レオニス「耐えてないよ」
スティーン「もうすっかり」
レオニス「普通に悦んでるな。日常の一部に」
スティーン「カスミなしで生きていけなくなった……」
ロアルド「なにぃ!?」
スティーン「……らどうするんですか(笑)」
ロアルド「ビックリした! もうなったのかと!」
スティーン「いやぁなったら大変じゃないですか(笑)」
DM「遠距離恋愛ですよ」
ダス「旅の途中で『カスミに逢いた〜い』ってションボリと」
スティーン「逢いに行くのも大変ですよね」
DM「『これをあたしと思って……』とスティックを」
ロアルド「それはやっぱり仕込んであるんでしょうなぁ。色々と技術を(笑)」
スティーン「えらいことに!(笑)」
DM「あのワンドを用意するしかないな。あのワンドを!」
レオニス「ああ、あのエロワンド(笑)」

 
DM「これこれ、エロワンド」
スティーン「あーはははー(笑) 卑猥だ!」
レオニス「スティーン専用のヴィゴー・ワンドにしよう」
 ヴィゴーのワンドは1ラウンドに1点ずつ合計11点回復します。

レオニス「さて、久々の戦闘がいきなりのドラゴン戦か……」
フォルカー「腕が鳴るぜ」
ダス「さすが武人」
フォルカー「そりゃあな。カスミ姐さんに鍛えてもらったからな」

 雪や氷の上での足回りを向上させるスノー・シューズを人数分唱え、いざ行かん。

 
DM「辺りは氷の世界! そしてババーン!」
ロアルド「なん!?」
DM「さぁイニシアチヴだ」
ゾア「はいはい……えええ!? はやぁぁぁぁい!? しかも目の前に!?」
フォルカー「オラきたぜぇぇぇ!!」
レオニス「え!? え!?」
ロアルド「マジデスカ!?」
DM「マジですよ」
ゾア「こんなのが二匹も待ち構えてるなんて聞いてねーぞ!!」
レオニス「しかもこいつドレイクじゃないし!! マス・レジスト・エナジーかけたっけ……?」
ロアルド「かけてないですよ〜(笑)」

 そんな極限状況でフォルカー以外イニシアチヴロールの目は一桁。

ロアルド「AP使って12!!」
フォルカー「うぉぉ! なんだコイツ! グレイヴでぶった斬る! 5フィートステップ&回避指定しつつ全力攻撃! 13ダメージと14ダメージ」
DM「うむ。いくらかダメージ減少された」
フォルカー「なんだこの感触!」
DM「ではこの中で一番軽装な人は……」
レオニス「俺だな。鎧着てないし……俺かよ!」
 そりゃそうだ。
DM「ならばレオニスに全力攻撃だ。右手の氷柱突き刺し10ダメージ、冷気10ダメージ。左手が11ダメージ、10ダメージ。2体目が右手14ダメージと8ダメージ。左手が11ダメージと冷気7ダメージ。以上です」

 
レオニス「ふぅ……死ぬかと思った」
DM「とてもウィザードのHPじゃないだろこの耐え方!」
レオニス「昏倒しました。いやぁ……俺の耐久力が18じゃなかったら死んでいたな(笑)」
ロアルド「どんな魔法使いなんだ(笑)」
ゾア「俺13なんですけど!?」
フォルカー「なんかHPの値が凄いんですけど……これファイター?」
DM「鍛えてますから。スティーンが耐久力14だ(笑)」
レオニス「だからマッチョです」
DM「パーティーでファイター2人に次いで3番目にHPが高いタフガイ(笑)」
ゾア「俺が回復させるぜ! キュア・ライト・ウーンズを防御的発動! 12点回復」
レオニス「まだ目を覚まさない(笑)」
ゾア「えっ!?」
 今回からハウスルールで本来ならHP-10で死ぬのを、HP-耐久度までは死なないことになりまして。まぁ-10を越えたダメージは能力値ダメージとして深刻な影響を及ぼすようになるのですが、そのまま死ぬよりはマシです。
レオニス「耐久力高くて助かった(笑)」
DM「新ルール導入しててよかった(笑)」
ロアルド「良かったよ! 旧ルールだったらいきなり死んでたよ!」

 部員向けwikiで事前にこのルールは告知されてたのだが、過半数が読んでなかったのは切なさ炸裂。

ロアルド「レレッレレレレッレオニス!!」
DM「仲間が死にそうになるとパニクる衛生兵は嫌だ!?(笑)」
ロアルド「防御的発動キュア・シリアス・ウーンズ! 続けて怒涛の行動を使ってマス・レジスト・エナジーを発動します! 皆、冷気耐性の呪文をかけたぞ!」
ダス「この透明具合、嫌な予感がするぜ!!」
DM「見てのとおりあまり透明では無いが(笑) ああ、そうそう。知識判定どうぞ……アイス・エレメンタルだね」
ダス「エレメンタルぅぅぅ!? 5フィートステップで、斬り付けます」
DM「うむ。全弾命中したが、君の攻撃は全ダメージ止まったようだ」
ダス「くそっ! 斬れない!」
レオニス「相性最悪だな」
スティーン「わぁなんかデカい奴出たぁ! 強打1点で殴ります! バゴンといきます! が、両方外れ」

 
 APを使用しての値千金マス・レジスト・エナジーがレオニスの命を救い、相変わらず転倒状態でボコボコにされつつも、冷気ダメージが気にならなくなったことでどうにか持ち堪える。
ダス「軽業を使って退避……で、ククリをしまってイッパイイッパイです」
ロアルド「えええ!?」
レオニス「どういうことだ!?」

 まぁいきなりだと、瀕死のレオニスがいるのに一人だけ離脱、と思われるのも止む無しか。

ダス「この武器では通らん!」
レオニス「ああ、武器の交換」
ダス「ライトハンマーを出さなければ」
スティーン「挟撃したいけど……段差があって5フィートステップできない! じゃあ……殴ります!! 17ダメージと13ダメージ」
フォルカー「ゾアちょっとそこ下がれや! 俺の鱠斬りを喰らいやがれ!!」
DM「鱠斬りにしてやるぜ?(笑)」
フォルカー「あ、そうですそれです。18ダメージ」

 
レオニス「インヴィジビリティを防御的発動だが……通せ!! って一発目で落としてるし! AP使って成功! もう1回は通した!」
DM「じゃあ見えなくなったんで、敵は次に柔らかそうな奴を狙うかなぁ」

 レオニスがピンチを脱したことで、ほぼ勝負はついた。
 パーティーの回復力が被ダメージを上回るため、消耗はしたとしても敗北は有り得ないことは誰の目にも明らかであった。
 あとはダメージディーラー達が悠々押し切っての勝利……。

ダス「ここは回復リソースの消耗を考えたら自分が近付かない方がいいような気がするが……行くぜ!」

 ダスの勘が冴えるのか、単なる死亡フラグなのか!? 続く!!


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 二人に見送られて、魔導装置による転移。
 一体どれだけの距離を跳んだのか……そんな思いにふける間もなく、きつい洗礼!
 ……これしきの備えを怠るとは、なんたる体たらく!

 命中や回避に直結する敏捷力を重視するか、タフさの耐久力を重視するか。
 悩んんだ末の能力値の選択は間違ってはいなかった!?



・ゾア
 レベルアップしてついに初の実戦の機会。
 ……しょっぱなから地獄だー!
 あわや即死かと思ったレオニスだが、なんとか耐えてくれた。
 しかし私の神霊魔導ではとても回復が追いつかない!
 そしてダスはどうした!



・スティーン
 うわぁ! い……いきなり困難!?
 とりあえず、目の前の敵を叩くのみ!!



・ロアルド
 あのエロワンドはここで作られていたのか(違)
 レオニス、「スティーン専用のヴィゴー・ワンドにしよう」か。覚えておこう。この四ヶ月、お前も変わったようだな(笑)

 くう、転移後の危険を早速見せ付けられてしまったな。久々の実戦で出足が鈍ったか……。新ルールが無かったら、マジで終わっていたよ(汗)



・フォルカー
 敵襲!? イキナリか!
 俺は動き回って斬りつけたが変な感触だ。
 鎧を着ていないレオニスだけ狙ってやがる、相手は俺だ!!
 レオニスが危うくやられる所だった……スッゲェタフだな。

 そ〜いやぁカスミ姐さんに教わった技の名前、何って言ったっけ……。



・ダス
 卑猥なワンド略してヒワンド。
 移転先の早速の待ち構え。さすが試練、丁重なおもてなし痛み入るぜといったところで。エレメンタルと早速いい予感がしない(笑)
 そしてレオニスタフだ! ダスなら死んでいたぜ!
■“彷徨”キャンペーン 第1回(パーティーレベル8) チャプター7

ロアルド「なんだその前置きは!?(笑)」
ダス「説明ゼリフ(笑)」
ロアルド「じゃあ行くな!って言っちゃうよ。そんなこと言って動こうとするなら(笑) わかってんなら行くな!」
ダス「仲間に迷惑かけることになるかもしれないが……行かずにはいられないな!」
DM「なんで池田になってんだ(笑)」
ロアルド「じゃあ痛い目見るってことじゃないか。池田で突っ込むってことは(笑)」
ゾア「そろそろ混ぜろよって言ってボロクソにやられる(笑)」
ダス「しまった! うっかり言ってしまった! で、軽業成功で接敵。攻撃」
ロアルド「う〜む……」
ダス「当たりで、ライトハンマーで3ダメージ」
DM「通らない」
フォルカー「俺はお前を鱠にするって言ってるんだよ! 強打5点で攻撃! 1回目外れ。2回目は命中で22ダメージ」
レオニス「ええい、このダスめ! スコーチング・レイ! 命中!」
DM「ダメージ聞くまでもなく壊れた。まぁ確かにこれ生き残ってたらダスに全力攻撃してたな(笑)」
 クリティカルヒットでも出ない限り死にゃしないが、被弾したら戦士組がそのまま戦っているよりも明らかに余計な消耗となっていたのは事実。というか問題は“危険だから”ではなく……。
レオニス「説教だな」
ロアルド「うむ。ここは説教だ」
ダス「いやぁ助かったぜ!」
ロアルド「『助かったぜ』じゃないよ! 俺はさっきなんつった?」
ダス「『行くな!』と」
ロアルド「わかってたんだな? 言ってることが」
ダス「だがスタコラ逃げたと言われっぱなしにはしておけないだろ?」
レオニス「まぁなにも言わずに離脱したことを見咎めはしたが……」
ダス「で、武器を替えて……見せてやる! 良いところを!!」
スティーン「若さだね……」

 ダス20歳、スティーン37歳。

ロアルド「いや、若さだからで片付けていいわけでは!(笑)」
スティーン「そんな見栄張らなくてもいいんだよ?」
ダス「しかし戦闘中傍観してるわけにもいかんだろう!?」

 中の人、ダスが兄でスティーンが妹。

レオニス「ど、どこから突っ込んだらいいんだ!?」
ダス「たしかにエレメンタルの時点でちょっと……」
レオニス「精霊に急所攻撃は効かないのはわかってて! 尚且つ反撃を受けたら大ダメージの可能性があったのもわかってて! そんな自己満足で!」
ダス「じゃあ隅っこで見てろってのか?」
レオニス「そうだよ。それが仕事だよ!」
ロアルド「そうだ。お前にはお前の仕事があるだろう」
ダス「隅っこで見てるのがか?」
レオニス「それ以外無いというわけではない。相性の問題だ」
ロアルド「今この場で無理に前に出る必要だけは無かった」

 序盤のレオニスが大ピンチ……とは状況が違ったのは事実。

レオニス「例えば俺が呪文が無いけど黙って見てられないから突撃するぜ!で反撃でボコボコにされたら……」
DM「リッツの顔が浮かんだ……(笑)」
 とにかくなにかしないとの一心で、無策に前線に近付いたら一瞬で殺されてしまったかつてのレオニスです。
ダス「わかった、無茶なことはしない……」
ロアルド「早い(笑)」
スティーン「戦闘はこれだけじゃないんだからね?」
ダス「ああ、そうだな」
レオニス「この様な愚かな振る舞いで神の奇跡を消耗するわけにはいかん」
ロアルド「俺はお前が憎いんじゃない。傷付いて欲しくないんだ」
ダス「なんか一瞬『ロアルド先生!』ってやりたくなった(笑)」


フォルカー「俺は周囲を警戒するぜ? スティーンもなにか聞こえたりしないか?」
DM「スティーンに聞き耳を求めても厳しいなぁ(笑)」
ダス「これこそ俺の仕事じゃあないのか?(得意げ)」
レオニス「わかっているなら何故貴様ーっ!?(笑)」
ロアルド「おいこら! 話はまだ終わってないぞ!!(笑)」
スティーン「神官ズが(笑)」

 そんなこんなで傷を治療しているわけだな。

DM「ダスは聞き耳に辛うじて成功した。どうも通路の方から大型……うん、少なくとも人間サイズより大きい存在が動いてる感じの音が聞こえた」
ダス「おっ……デカい奴が動いてる音がするぞ……」
ロアルド「奴か……この試練がどれほどの長さになるかはわからぬが……」
スティーン「待ち構えたほうがいいわよね?」
レオニス「どんな感じだ? 近付いて来ているのか?」
DM「まだ存在に気付いただけだね。辛うじて移動音を聞けただけ」
ゾア「こっちへ向かって来るかもわからんか……」
レオニス「ミラー・イメージを使っておこう。あとライト・オヴ・ウェニア」

 
 ダーク・ヴィジョンをかけて貰い、灯火管制を敷いて先行偵察を開始するダス。
 徐々に開いていく仲間達との距離。
ダス「俺はマスターローグだぜ!!」
ロアルド「なんか複雑で面白い形状だなぁ」
ダス「あー1回戻って報告したいが……もうちっと行こう」←フラグ

 ダスはさらに進み、写真で写ってる右下部分近くまで移動する。

DM「視認を振れ〜視認を振れ〜そこに来たのなら〜♪」
ロアルド「妙にラップ調な(笑)」
 BGMに合せてなんかリズミカルです。
ダス「まぁそこそこ22だぜ」
DM「すると地面の氷がメキャメキャ割れて……」

 
全員「うわあああああああああ!!?」
ロアルド「ううう〜ちょっと気持ち……悪い!?」
レオニス「キモッ!!」
ダス「ババーン!」
レオニス「ヤバい! ヤバい! ダス、さらば……!」
フォルカー「我々はまだこれを知らないのか……」
DM「敵は待機アクションで待ち構えてたから、不意討ちなんだぜ」


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 呆れた戦術眼だ。
 よくもまぁ、これで生き残ってこられたものだ。
 このようなことを繰り返していれば、必ずよくない結果を導くだろう。
 きつく言い含めねば。

 くっ、暗視による隠密行動程度では、獣の知覚力の前には不足だったか……。
 ……とても人のことを言えた状況判断力ではないな、私も。


・ゾア
 なんとか撃退。
 うむむ、ダスの気持ちはわかるが、それで余計な被害を出しては本末転倒。
 なにもしないで見ている、ではなく、被害を出さぬよう下がっている、というのも重要なこと。



・スティーン
 う〜ん……ダスはなんだか危なっかしいっていうか。不安だなぁ。旅の先輩なんだけど……。
 まぁ、大丈夫よね。

 ってことで、スティーンは知らないけど、これと戦うのかー。
 でかいよー。



・ロアルド
 ダスの決断。結果は説教であった(笑)
 いや、笑いごとではないな。これまでの失態を聞くに、こうした迂闊さに原因があるに違いない! しっかり反省してもらうぞ、ダスよ。
 と、行ってるそばから先行させてしまった!せめて俺たちも近づくべきであった……。


・フォルカー
 あ〜説教か、俺はキライだな。その場をフェードアウトするのも兼ねて前方を警戒。
 うん、わかってるよ俺は知覚がニブイって。だけど魔法陣の転移直後にはもう敵に囲まれてたんだぜ?
 何が起こるかワカンネーじゃねーかよ。説教なんざやってたら敵に先手を取られるかもしんねーだろ?

 やっぱ、俺には聞こえなかったわ(笑) ここは巧者のダスに頼るしかない。先行……して貰ったが離れて平気か?
 イヤな感じがするな……。



・ダス
 カッコ悪く予防線を張りながら、ケツ瓶腰抜けのままじゃいられないぜと明日に向かってダッシュしてみたんですが。その、ヤンチャが過ぎましたね。
 でも、ダメージ減少で一点も通らなかったのは予想外でした(笑) 切ナイ。

 そして、これこそダスの仕事。常に匍匐前進。

■“彷徨”キャンペーン 第1回(パーティーレベル8) チャプター8

レオニス「なんか卵植え付けられそうな……」
DM「AC27まで命中」
ダス「ワーオ! オモッキリ!! 組みつかれませんように組みつかれませんように……」
スティーン「いきなり悲鳴が聞こえる、みたいな……」
ロアルド「めっちゃ組みつきそうな足の数ですがな!」
DM「25ダメージと、つかみ強化」
レオニス「きたっ!!」
ダス「きたっ…………!!」
DM「さらばダス……君のことは忘れない……」
ダス「なんかいやがっゲフッ!!」
DM「つかみ強化で組みつき対抗ロールだね」
ダス「うりゃっ! お、ダイス目がいい!!」
DM「こっちは41」
ゾア「無理だよそんなの!?」
ロアルド「振らせないで下さいよ!(笑)」
DM「いやぁ無駄にAP使わせなくてもいいかなぁと(笑)」
フォルカー「ダスも悪い値では無かったんだが……」
DM「組みつきで19ダメージ」
ダス「ワオ! デカい!!」
ロアルド「ヤバい! 行くぞ俺は!! だ、ダスぅぅぅぅぅ!!」

 
 連携の為に行動を遅らせる時間も惜しんで、駆け出すロアルド。
ロアルド「うわ〜なんか呆然と見上げちゃう感じ……」
ダス「こいつぁ……勝てっこないわな。ダス、パァァァンチはダメだな……無理だろうが組みつき対抗ロールで脱出を試みよう……」

 当然勝てない。

レオニス「さぁ行ってくれ! ヘイスト!」
フォルカー「ダス、どうしたああああ!!(ダッシュ)」
ゾア「しまった! 照明に取り残された! 陽光棒出すしかないか!」
DM「じゃあ組みつき対抗ロール。42」
ダス「うっ……ぐにゃあああって心が……26」
DM「じゃあ呑み込まれた」
ロアルド「呑み!?」
ダス「呑み込まれた!? ……ぎゃあああ! これはヤバい! ダメージは?」
DM「胃の中で24の殴打ダメージと胃液が8D6の……」
レオニス「8D!?」
ゾア「8D6!?」
DM「で27ダメージ」
ロアルド「昇天……?」

 一応認識範囲外の仲間のHP状態はヒミツ。まぁどう考えても死んでいるのだが。

 
フォルカー「くっ! ここで攻防一体だ! ロアルド、下がれ!!」
ロアルド「くそっ! わかった!」
DM「ではフォルカーに攻撃して……」

 写真のとおり手も足も出ずに噛みつき→つかみ強化で組みつかれ、最後の砦だ頑張れスティーン!

スティーン「ウォーハンマーで攻撃します!! 19!」
DM「ヘイスト足した?(笑) 初心者だから優しいよ!」
スティーン「あ! 20です!」
DM「じゃあ命中した。頑健セーヴして貰おうか」
スティーン「はい」
ロアルド「なになに? 叩くと頑健セーヴを求められるの?」
スティーン「1です」
レオニス「ファンブルか……」
DM「じゃあこいつを叩こうとしたら、物凄い高熱が発生してボチュンってウォーハンマーが破壊された」
スティーン「ふぁっ!? はぁぁぁぁぁぁマイ武器!!」
ロアルド「ヤバい……」
スティーン「ヤバいです……武器が溶けたぁぁぁぁ!? わー! わー! わぁぁぁぁ!!」

 バトルスミスは自らが鍛え上げた愛用の武器を使った時だけ、ダメージが増えるのです。

レオニス「とにかくフォルカーを助けないことにはダスの後を追うだけだ! 今なんとかするぞ!! ディメンジョン・ドア!!」
DM「ナイス! まぁこのシーン、これから何度も見るようになるんだろうな(笑)」
レオニス「このレベルまで来ると日常茶飯事だからなぁ……(苦笑)」
DM「というわけでようやく知識チェックだ。……その数値なら結構わかるぞ。こいつはルモアハズという雪原の魔獣で、地面を掘って移動もできる」
レオニス「地中! 振動感知で待ち伏せか……!!」
DM「で、さっきも見た通り超高熱を発して自分を襲う武器を一瞬で溶かしたり燃やしてダメにする」
レオニス「雪原の魔獣だから冷気にも強くて、熱を発するから熱にも耐性が……とかなのか?」
ゾア「俺も早く攻撃に参加しないとヤバいぜ! スティーンの背後を抜けて奴を正面に捉える!」
DM「じゃあそこは機会攻撃範囲だな。がぶっと噛付いて……命中で24ダメージとつかみ強化で……」
ゾア「うぉぉぉぉ!? しまったああああ!?」
DM「こりゃ次のラウンドに……(遠い目)」

 胃の中にまっしぐらか!? 続く!


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 この手の圧倒的なサイズ輩は咥えられ、丸呑みにされたら最後。もう手も足も出ない。逆にそれさえしのげれば、どうとでもなるのだが……。
 そう、例えば咥えられた仲間を連れての瞬間移動のディメンジョン・ドアは定番だな。だが……孤立無援の遭遇が最悪だった。

 では問題。
 今回「ヤバい」って何回言ったでしょう?

 状況は現実逃避したくなるくらいの大混乱だ!


・ゾア
 ダスはどこだ? 何、喰われた!?
 照明は忘れるわ強化魔法は忘れるわ、ダスと同じくうかつに飛び出して狙われるわ。
 まったくいいところがありません。
 しかもスティーンの武器が破壊されるとは!
 武器を持って戦う前衛タイプには最も相性が悪い相手。となれば弓の出番!



・スティーン
 あ……あたしの武器が……。
 ッ……ショックなんて受けてられない! ダス!!

 あぁ……やばいです。めっちゃやばいです。



・ロアルド
 うわあ、ダス! しかし、これは気持ち悪い! 見た目で威圧されそうだ。でも、どうにかダスを助けないと! 頼むぞスティーン。
 しかし、今度は武器がぁぁぁぁ!
 いや、落ち着け、俺。フォルカーもゾアも傷ついているし、俺がしっかりしないと!


・フォルカー
 嫌な感じが的中、ダスが喰われちまった。早く掻っ捌いて助け出さないと!!
 接近したが場所が悪いし俺も喰われそうに。レオニス恩に着る助かったぜ。
 スティーンの戦鎚も爆ぜちまったし何なんだコイツは!



・ダス
 若い奴が口論を開始→勝手に先行(独断じゃないけど)→バケモノが!→食われる=最初の犠牲者。

 …………お約束過ぎる! ぐぬぬ。
 うぅん、かといってあの状況になったらもう厳しいですね。先行視察が良くなかったのだろうか。

 みんなー、がんばれー。

■“彷徨”キャンペーン 第1回(パーティーレベル8) チャプター9

 
ロアルド「そうはさせん!! 俺もディメンジョン・ドア!!」
DM「旅の領域呪文! さすがチート領域! 頼りになるぜ!!」
 クレリックは領域と呼ばれる特殊能力を、宗派毎に設定された選択肢の中から二つ選ぶことができるのですね。力の領域なら本来ウィザード呪文であるエンラージ・パースンやなんかが使えるようになるし、1日1回剛力を発揮することもできる。これがまぁ領域ごとの格差社会が明らかに存在し、いわゆるダメ領域なんかもあったりするわけだが……その中で旅の領域はブッチギリで便利なのだ。得られる特殊能力は強力だわ、呪文リストも有用なのばかりと。ディメンジョン・ドアも本来はウィザード呪文である。別に領域呪文=クレリックがウィザード呪文ばっか使えるようになる、というわけではないのだが。

 そして次々と武器を大破されつつも、取っかえひっかえで攻め続けるスティーンと、溶かされたところで経済的な損失は全然無いゾアの毎ラウンド4発の猛射撃!

DMスティーンはやっぱりAC高いなぁ。AC26まで命中だが、外れ」
スティーン「錬金術銀製のハンドアクス、えいっ!! 7ダメージ!」
レオニス「ライト・オヴ・ウェニアのエネルギーを発射! こいつ悪じゃあないよなぁ。7ダメージと12ダメージ!」
 彼は悪の敵に対してダメージ呪文を使った場合、追加ダメージ可能な上級職なのだ。
 ついでにこの呪文は悪魔やアンデットにダメージ倍な呪文だったりするが、当然ルモアハズは悪魔でもアンデットでもない。だが悪相手じゃなくても十分強い多用途呪文である。
 事前に唱えて保持する(効果時間は術者レベル*10分と長い)ことで照明になり、仲間に使えば回復呪文になり、敵に使えば攻撃呪文でしかも他の同レベル攻撃呪文とダメージ効率ほとんど変わらないっていうか、むしろ無属性エネルギーなので相手を選ばない強さがあって、それが邪悪にゃさらにダメージ倍な上に、ウィザードだけではなくクレリックも使える(クレリックなのにウィザード級の攻撃呪文が存在することに)……というチート級な強さが以前から問題視されてたので、これを最後に禁呪指定される(笑)

ロアルド「ゾアにキュアだ! 28点回復!!」
フォルカー「受けたダメージが大き過ぎる……動けねぇ……」
レオニス「なんとかフォルカーを回復させてやりたいのだが……」
DM「ゾアはウォープリーストって言っても、回復呪文唱えるより弾幕張るのが仕事だからなぁ」
 彼の覚えている呪文は、強化がメインなのです。
ゾア「クリティカルロール! …………が、AC12までしか当らんので単なる命中か。11ダメージ。2発目外れ、3発目外れ。4発目……命中で熱も突破で9ダメージ」
DM「これで倒れた!」
ゾア「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」
レオニス「キツかった……」
ロアルド「ダスぅぅぅぅぅ!!」



カスミ「おっかえり〜ってうわ。一人足りない……」
ゾア「これがダスだぜ……!(胃の内容物が詰まった袋を掲げる)」
カスミ「いったいどうしたのよ、こんなになって……(スティーンを撫で撫で)」
スティーン「カスミちゃん……(涙)」
レオニス「とにかく蘇生費用を確保せねばならない!!」

 で、あーだこーだ予算会議が始まり、パーティーの財産勘定やら蘇生のツテは大丈夫なのかといったことでオロオロする。

カスミ「まぁファクセリオンの神殿くらい顔が利くから、あたしが行ってあげてもいいけどね」

 ファクセリオンは魔導の都。極めて貴重な一点ものはともかくとして、そうでないマジックアイテムを探してて、ここに無いなら他でも無いだろうというもっとも魔導技術に優れた大都市。そして叡智神の最高神殿はここにあるのだ。カスミさん、サラッと凄いこと言ってます。

DM「ルモアハズの死体は銀貨4200枚で売れるよ」
レオニス「リザレクションが銀貨10910枚必要だから、それでは全然足りない!」
ロアルド「現金の持ち合わせは無い。仮にスタデッドレザー+1とバックラー+1を売れば銀貨1170枚だな……」
ゾア「俺はロングボウ+1や狩猟神の矢筒に、グラヴズ・オヴ・デクスタリティ+2がある」
スティーン「あ、あたしの鎧や盾も!!」
カスミ「いいのよ〜スティーンがそんなことしなくても?」
スティーン「で、でも助けられなかったあたしの責任だからっ!」
カスミ「バカ。そんなわけないでしょ!」
ロアルド「そうだ。スティーンが責任を感じる必要はない」
レオニス「ああ。それだけはハッキリ言わせてもらうぞ」
スティーン「でも……でも……」
レオニス「前衛の武具を売るのは最後の手段だ……あまりにも失うものが大き過ぎる」
ゾア「俺は弓さえ残れば……ってところか」
スティーン「でも……」
カスミ「よしよし(撫で撫で)」
スティーン「カスミちゃん……(涙)」
レオニス「カスミに泣きつくか?(笑)」
ロアルド「なんか泣きつく=スティーンを売り渡すみたいな感じじゃないか!?(笑)」

 躊躇する男性陣だが……。

 
スティーン「ふぁぁ……あ、あのカスミちゃん……必ず返すからお金を貸してもらえませんか……?」
カスミ「いいのよいいのよ。返さなくていいから」
ロアルド「こ、これは見過ごしていいのか!?(笑)」
スティーン「あはは(笑)」
カスミ「なによ!? 別に身売りじゃないわよ!?」
ロアルド「純然たる善意……?」
カスミ「あんただって大切な人が困ってたら、お金払うでしょ?」
ロアルド「それはそうか……」
カスミ「それをなによ! 誤解してない? あたしを!」
ロアルド「すまなかった……(笑)」
DM「うははは(笑)」
ロアルド「ここは強く出れないよなぁ……(笑)」
カスミ「ねぇスティーン? スティーンだってあたしが困ってたら助けてくれるわよね?」
スティーン「もちろん!」
カスミ「ホラ見なさい! 等価交換よ!」
レオニス「そうか……将来困ってたら助ける。お互い様よ、と」
カスミ「ね〜。じゃああとで結婚式しましょう(笑)」
ロアルド「んん!?(笑)」
レオニス「スティーンがそれでいいなら(笑)」
スティーン「れ、練磨神的に同性結婚が大丈夫なら(笑)」
DM「まぁ結婚は明らかに冗談っぽく言ってるね(笑)」
カスミ「あははは(笑)」
DM「カスミ、金はキミらから見たら唸るほど持ってるんだよ(笑)」
ロアルド「うわああああ(笑)」
レオニス「いや、必ず返すから!(笑)」
カスミ「愛するスティーンとお金の貸し借りなんてしないわよ。それに全額助けてあげようってんじゃないの。あたしが払うのは、スティーンの武具を売って得られる筈の金額だけ」
ロアルド「あとは我々でなんとかすればいいんだな」
カスミ「あとは新しいウォーハンマーを鍛える費用も出してあげるからね〜?」
ゾア「良かった……スティーンが気に入られてて……」
DM「まぁスティーンがどんなキャラでもカスミが気に入ってたかたというと、そーいうわけではない」
スティーン「あ、足を向けて寝られません!」
カスミ「いいのよスティーン。気にしなくて(すりすり)」
ロアルド「違う所を向けて寝てくれればそれでいい、と」

 それにしてもこのロアルド、エロエロである。


スティーン「ごめんねカスミちゃん……えうえう(涙)」
カスミ「もう、ダメよ。そんな潤んだ瞳で見つめちゃ……。皆がいるじゃない」
スティーン「カスミちゃん……(目を瞑る)」
 
DM「というわけでなんか他人目も憚らずキスシーンが展開されるのであった。ベタベタは日常茶飯事だったが、こんなの初めて!」
スティーン「このキスは、昨日……つまり、いよいよ明日は実戦よという夜に、自分のカスミへの気持ちをちゃんと認識した上での行動なんですよ。それまでは性の知識とかもなくて、『カスミと仲良し〜』の延長線上だったのが、カスミから『実はこういったことは愛し合う二人がするものなの』みたいに教えられたりして!」
レオニス「ということは“することはしてた”というわけですね」
ゾア「昨夜はお愉しみでしたね」
DM「破瓜したと」
スティーン「ええ! で、関係をはっきりさせて意気揚々と冒険に出たら、意気消沈で帰って来て……カスミに優しくされたのでキスを欲しがったと!」
レオニス「なるほど。このキスの前の晩には二人の心は向き合っていたのか」
スティーン「で、戻って来て涙ですよ!」
ロアルド「すげぇ話だ!!(笑)」
スティーン「もう! 超萌えますよ!!」
DM「Role Playing Game!!」
スティーン「ガッツリですよ! 私ガンガンテンション上がりますよ!(笑)」
ロアルド「彷徨キャペーンって海洋キャンペーンの頃からエロばっかだな!?」
DM「寝盗られの次はガチ百合」
ロアルド「行為にまで至ってるからな!(笑)」

 ロアルドの喰い付きのよさも凄いぜ!!


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 ダスの死には我々にも責任がある。
 ヒトミ殿やカスミ殿に師事した恩に報いることなく、無為に死なせては、面目も立たぬ。
 何とか救ってやらねば。

 スティーンを支えてくれるカスミ殿には、本当に感謝の言葉もない……。
 の、だが……、この睦み合う様はいささか度が過ぎてはいないか……。



・ゾア
 助かったよロアルド! というわけでヘイストも受けての怒涛の4連続射撃開始!
 すまんフォルカー、私の呪文では戦闘中の回復は気休めにしかならない。ならば最速で敵を倒すしか!
 辛くも勝利したものの、ダスを失ってしまった……。
 スティーンはいい子だなあ。
 あれ、でもなんか雰囲気がただならぬことになってるよ?



・スティーン
 あぅ……カスミちゃんごめんね。本当にありがとう……。
 あと、もうちょっと……抱きしめてもらっていい?

 で、この涙も訳があってでしてね!
 ずっと強くあれと人前で涙を見せず暮らしてきたスティーンがカスミという対等に心を明け渡せる存在を得たことによって安心しきっての涙であると!
 ここは強調したい! もう、プレイヤー個人としてスーパーハイテンションです! はい。



・ロアルド
 目の前で繰り広げられるガチ百合展開に、つい喰い付いてしまった! ダスが死んだというのに……。これは、もう本能なんだよ、俺の。
 いや、ダスの死を未然に防げなかったのは自分にも責任がある。反省しよう。済まん、ダス。そして感謝する、カスミ!
 しかし、昨晩そんなことがあったとは……これは油断できないぞ、今後に期待だ!



・フォルカー
 ルモアハズに辛勝、だがダスが溶けてしまった。
 何が起こるかわからないって考えてたのに、独りにしたのはマズかった。済まない、助けるために俺に出せるものは無い……。

 カスミ姐さんはスティーンに優しいみたいだな。金銭面でも助けてもらって感謝している。
 それよりも、スティーンはカスミ姐さんと……まあいい、幸せみたいだからな。



・ダス
 ディメンジョン・ドア頼りになるぜ! そして、何とか倒した! 強敵だったぜ!
 新パーティでの死者第一号にして、また折角スキャバード・オヴ・キーンエッジで得たマジックアイテムをパーにしてしまった。申し訳ない。
 スティーンがいい子でよかった。えぇこじゃのう。パーティーじゃ一番年上だけど(笑)
 そしていつのまにか覚悟完了というか調教完了というか(笑)