■“豊作キャンペーン” 第7回 チャプター1

 ヴィンフリート・ベッカー ウィザード6/アリストクラート1
 リーンハルト クレリック6/ビリーヴァー1
 ヨルン バード4/レンジャー2/ファイター1
 ノア姫 パラディン6/アリストクラート1
 フェスト ローグ6/ウィザード1

 
 突如として復活したリプレイ!
 だがこれは新規プレイではなく、何年も前にテキストだけ書き起こされていたものの、それを公開用に調整しないまま、ずっと放置されていた奴のサルベージ品!!
 しかも前回が4回だったのにいきなり7回なのは、4回までは(同時期の他のキャンペーンも含めて)全てワダツミが録音や録画からテキスト書き起こししていたのを「もうこれ俺1人で全部やるの無理」 となり、メンバーの持ち回り制に変更したものの、当番になったメンバーがまったく作業しないまま次のメンバーの番になり、自分の担当を書き起こしたから、というやつだ!(笑)

 というわけで失われた期間の内容を要約すると!!

 
 粘菌に覆われた村の地下に存在した洞窟でキノコ人間軍団をサーチ&デストロイ!!

 
 キノコ狩りの聖騎士! ノア・ロイヒトゥン!!! チャッチャラーチャチャラー!!! チャラッチャラー!!!
 イェイェイェェェェェイワァァァァァァオウ!!!
 そんな中、このキノコ大繁殖には竜の勢力が関わっていることが判明する!!(画像は関係無い

 
 見事、大繁殖元と思しき存在を最深部で撃破するも、凱旋の報告の際に「竜の勢力の存在」 のことを報告し忘れ、DM的に「え、それ報告しないまま終わるとヤバいっしょ」 と、ノア姫のお兄様といろいろ質疑応答してもらった流れでそれが判明し、「一番大事なことなんで真っ先に報告しねーの?」 とお兄様に怒られたのさ!!

DM「じゃぁ、報告を終えて部屋から退出する所からだね」
ノア姫「私の浅はかな考えが、貴方たちを巻き込んでしまいごめんなさい。戦いが終わり気が緩んでおりました」
ヴィンフリート「いえ……」
DM「実際なぜ報告しなかったかって、パーティーの中でも明確な理由ないでしょ(笑)」
ヴィンフリート「みんな忘れてたというか……これはキャラのせいに出来ないというか……」
リーンハルト「言わなくて良いのーって思ったんだけど、まぁいいかなって」
DM「お前そんなんばっかりやな!」
ノア姫「後出しはずるいですよ(笑)」

 あんな大事なことを気付いてて尚言わないのが一番罪深い(笑)

ノア姫「まぁ……みんな言わなかったんだから仕方ないですね。今回の件で具体的なお咎めとかは」
DM「特にはない。ペナルティとしてではなく地下の腐海の清掃や残りの討伐があるから、休んでから手伝いすることにはなるけど」
ノア姫「じゃぁ叱られただけで?」
DM「おとーさんが『ワハハー』と笑って終わっちゃったしね。強いて言えばヴィンにはお前やっちまったなー、姫には1人だけで決めなくてもいいんだぞと」
ノア姫「うーん、決めてた訳じゃないからなあ」
DM「いや、こいつ等が姫の判断に丸投げしすぎなんですよ! 間接的にパーティーメンバーに対して言ったようなもので」
ノア姫「でも私も頼りっぱなしやしなー、お互い様やなー」
ヨルン(俺らには勿体無いなさ過ぎるお言葉じゃあないですかねえ!? )


DM「というわけで皆さんは当分再びキノコ狩りの男と化します。ロイヒトゥン領にキノコバブルがやってきた!」
ヴィンフリート「キノコ狩りの男!」
DM「チャラチャチャーチャチャラー、今回収穫されたキノコで難民になった人の食糧1年分賄える勢いだね」

 まぁ1年間キノコ食べ続けるのも大変そうだが。
 とは言ってもそれは現代人の感覚で、中世の村人なんて一生同じもの食べ続けるなんて日常茶飯事だぜ。……いやまぁ季節ごとに若干変わっては来るけど!
 そんなわけでまぁ「食糧が1年分確保されてる」 という安心感が最高にハッピーになれる勢いです。売って金に換えると、周辺地域の罪もないキノコ狩りの男たちが相場の大暴落で死んじゃいそうなんで、消費しましょう(笑)


 そんなわけでキノコ狩り編終了し、次回から新エピソードへ突入するYO! チェケラ!
“豊作キャンペーン” 第7回 チャプター2

 
 というわけで今回から新章突入だ!!

DM「さて、キノコ事件からそう時間を置かず。農繁期を前にヴィンは領主たちの朝食に呼ばれます」
ヴィンフリート「ほほう」
DM「朝食で話をするのはロイヒトゥンでは割とあることです。勿論ノアとヴィン父も居るよ」
ノア姫「ぐーてんもるげん! ハーワーユー!」
DM「さて、用件は恒例の地域対抗大運動会『デスレース』について……ではなく、『大征伐』の件です。で、コレは毎年行われている行事なので、予備知識として知っています」


 大征伐とは!
 この地域一帯の西側、永久の森方面に広がる湿地帯に巣くうリザードマン共を農繁期で忙しくなる前に攻める、毎年の恒例行事。 向こう1年間にリザードマンが人側の領地に溢れ出て来ないように頭数を削るのが主な目的である。
 周辺領から多くの貴族が手勢を率いて参加するため人脈作りや名声を高める機会でもあり、催しの規模は大きい。
 しかし敵も座して狩られるを待つわけではなく、場合によっては大型ドラゴンが登場する場合もある。 というかいつも登場しているが、遭遇しない幸運な部隊と遭遇しちゃう不運な部隊がいる。
 期間は相手があることなので前後するが、10日以上(前後の準備や移動除く)である。

 リザードマンとは!
 
 コボルドに並ぶ竜の尖兵。つまりこの世界では人類にとって不倶戴天の敵なのである。
 人間よりもパワフル&天然のスケイルメイルなので、双方の一般兵同士がタイマンしたら人間のほうが分が悪い。原始的な装備にも関わらず、完全武装の騎士と互角に渡り合える、生来の戦士なのだ。

 
 そしてコボルドは日本だと「モフモフ犬人間」 なイメージだけど、それは日本発祥のローカルイメージで、D&Dでは人型爬虫類じゃんよ! なので竜の眷属の末席さ!!
 小型種族なので人間より体格で劣る為、タイマンなら人間有利。それはコボルドも承知しているので、正面からのパワー戦は極力避けて、被弾面積の小ささを活かした射撃戦や、地の利・罠を駆使したゲリラ戦を好む。

  
 ちなみに日本ではなんで犬人間のイメージが定着したかってーと、ゲーム史における伝説レベルの傑作タイトルであるファミコン版ウィザードリィで、末弥さんが犬人間で描いたから(笑)(左画像
 最高のゲームと最高のイラストレーターが発動したコンボの影響を受けた作家が続いて犬人間で描くようになったから、日本人は皆コボルドが犬人間だと思うようになったのだな。
 ちなみに右の画像はファミコン版ウィザードリィが発売される前年に出版された富士見ドラゴンブック「モンスター・コレクション」 で末弥さんが描いてたコボルド。この時点では犬顔鱗ボディなのが興味深い。進化の過程である(えー


DM「というわけでリザードマンの知識ロールをどうぞ、って2人とも最大値か!」
ノア姫「24」
ヴィンフリート「30」
リーンハルト・ヨルン「(ころころころ)ショボい……」
DM「ポンコツが居んぞ! 目標値低いから最低限は知ってるけど、大分あやふやな感じに(笑)」

 なお、フェストは振れる知識がありませんでした(笑)
 かつて所属してた組織が「反貴族&反ドラゴン」なのに、それに関わる知識技能がないのはスゲー問題があるね!?

DM「爬虫類系の竜の眷属というわけで、人類とはイデオロギーの段階で相容れない敵です。ゴキブリ以上の嫌悪感に加えて互いに憎しみを抱いてます」
ノア姫「姫もそうなん?」
DM「あー、そうだねえ。基本好きってことはないと思うけど。じゃぁ、ここでこの世界の歴史を復習しようか」

 解放戦争。
 それは解放の英雄達が中心となって星渡りの民と原住民族が一致団結し、竜の支配からの脱却を果たした大戦争。
 エイファスがもたらした物理魔導という革命的な力を得たことで、人類は初めて竜と戦うことが可能となった。

 現代の魔導技術では実現不可能な力を持つアーティファクト群がエイファスから与えられ、猛威を奮ったとされる。その為、世界各地に存在する当時の生産施設や倉庫等は、古代遺跡として一攫千金の対象とされている。

 戦いの序盤、まず地竜王と闇竜王がエイファスに寝返り、続いて風竜王と火竜王も中立を宣言。

 中盤には不死王ティーフヴァルトの調略によって水竜王も中立化。

 戦いの最終局面は光竜王、氷竜王、雷竜王との3対1の戦いに辛くも勝利したエイファスが、その帰路を裏切った闇竜王によって奇襲され、相討ちとなって果てることとなる。

 それから700年余が過ぎ、歴史は新たなる転換期を迎えようとしていた。


 竜王。
 精霊の支配者。最強の生命体。フロウ(人間)の天敵。
 物質界でもっとも強靭な肉体と高い魔力を兼ね備えた存在。

 それぞれが高い精霊力を備え、支配する力を持つ。
 光竜の放つ輝きは苛烈な陽光の如き光線となって貫く。
 闇竜の漆黒は生気を喰らいつくし、物質を侵食する。
 地竜は植物・鉱物を自在に操り、致命的な毒や酸を撒き散らす。
 水竜が引き起こす津波はあらゆるものを押し流す。
 火竜はどんな炉よりも高い灼熱を発する。
 風竜の翼はもっとも疾く蒼穹を翔ける。
 雷竜が纒う稲妻の轟きは城をも揺るがす。
 氷竜にもたらされた吹雪の前ではすべてが凍てつく。

 大地の安寧を願う竜は、フロウの、地を被い尽くし喰らい尽くさんほどの繁殖力を疎んだ。700年前までのフロウは、竜のそうした思惑の下で大規模な社会を形成出来ないような支配を受けてきたのだ。
 解放戦争によってその支配から解き放たれたフロウ。だが竜達にとっての認識は、今も管理対象、自然界の危険な害虫、寄生虫で変わりはない。
 竜王それぞれがフロウへの立ち位置を違えており、中には地竜王のように好意的なものすらいるものの、眷族達がそれに例外無く同調しているわけではなく、あくまで個体の自由意志である。

 この辺が書かれたテキストをノア姫が「ナレーション演技」で音読していました(笑)

 
ヨルン「つまり竜にとって人類は本当にゴキブリで、人類から見れば気色悪いからで親を殺されているような気持ちになるですよ」
リーンハルト「人間はほっとくとすぐ増えるし、適当に減らさないとネー」
DM「どうですかこの人間ホイホイ、偽の宝の情報を流してヤツらを集めますゼ!」
ヴィンフリート「ダンジョンこえぇー」
DM「で、姫はどう考えてるかですよ」
ノア姫「んん〜。(悩みつつ)子供の頃は一緒に共存できないものかと思ってたし、これまで答えを出さずにただ憂いていた」
DM「らん、らんらららんらんらん、らんらんらららん」

 
 いわゆる「進撃の巨人世界での巨人に対する感情みたいなもん」 と言えばおわかり頂けるだろうか。もっともあの世界よりは遥かに「対抗する手段」 を持っているわけだが。それでも一般人にとっちゃあ恐怖と絶望の象徴である。

ノア姫「けれど今は部下がいて、国があって、自分で考えなきゃいけなくなって来た。その現実に直面し始めたところでまだ気持ちは曖昧に甘いまま。揺れ動いております」
DM「うん、これから竜や人と接する事で考え方が変わる可能性はある。結論を出すにはまだ早い」
リーンハルト「パラディンがリザードマン側の非戦闘員を平気で殺せるかというと、そういうわけではないしね」
ノア姫「このままの生き方でいいのかとも思うし、かといって領民たちを見れば、けして自分だけの事ではないと実感してしまう」

 命乞いするリザードマンの女子供を躊躇なく虐殺できる人は、悪人ではないだけで善人ではないのだ。
 だがこれは「善人は他の命を奪わない」という意味でもない。 「鼠が大発生したんで殺鼠剤撒いたら善人じゃない」なんて処理されてもゲームにならんし(笑)
 なんにせよ、他の命を奪うことに抵抗はあれど、そのまま何もしなければリザードマンも鼠も順調に数を増やし、いつかは攻めて来たり危険な健康被害を引き起こす。
 
 そんなわけでこの世界の「善人」が皆アンデルセン神父のような価値観ってことはなく、姫のような悩みを抱える人だって存在しているのだね。
 
 もちろん「蚊や蚤が自分の血を吸ったから殺す」 のとおなじ感覚で「駆除」 する人もいる。竜が人間に対して「そう」であるように。
 なんにせよ街から一歩外はヒャッハーな山賊なんてや大型の肉食獣なんてまだまだ弱い方なレベルで魔獣や妖魔っていう危険がウォーキングしている、世紀末よりもデンジャラスな世界だから、現代人と同じような感覚が当然だと思っちゃうと、齟齬が出るってことだね。命や人権の価値は、今よりも遥かに軽いのだ。そういった余裕は自分の生活に余裕が無いと持てないのだから。そしてそんな世界でも「善人たらんとする姿」はとても格好良いのだな。


DM「というわけでなぜなにフローラントを終え、食卓へ」
クレーメンス「大征伐だが、今年からはノアにも行ってもらおうと思っておる」
ノア姫「一瞬俯きつつ。はい、わかりました。とキリッと返します」
アーベル「今年から指揮官は僕だ。よろしく頼むよノア」

    
 クレーメンスはノアパパ(左)、アーベルはノア兄(右)です。

ノア姫「……。よろしくご指導お願いします、お兄様」
DM「なんなの? お兄ちゃんそんなにノアのこと苛めてないのに(笑)」
ヴィンフリート「裏が見える(笑)」
ノア姫「オニイチャン、メッチャ、スキヤデー、シンライシテルデー」
DM「お兄ちゃん真意看破しちゃっていいの?」
ノア姫「違うんですよ! なんか含んだように聞こえるんですよ! いかにも裏がありますみたいな!」
DM「そんな、お兄ちゃん言ってることとやってることが違うなんてことなかったでしょ、別に(笑)」

 まさかのC.V.遊佐扱いである。濡れ衣なのである。

DM「まあ何事もなく、1ヶ月弱経ち出発の日です。領民たちが声をあげる中を行軍していきます」
ノア姫「にこやかに対応してますが、姫の中ではやっぱり大征伐に対しての葛藤を抱いたままですね」
DM「目的の宿営地が近づくに連れ、他の諸侯たちの軍勢がゾロゾロ進んでいるのも見られるようになります。他にも軍隊に付いてる商人たちが出店やってたり」
ヴィンフリート「アレは何々卿だ! みたいな」
ノア姫「思った以上にいろいろな所から来てるんですね?」
 
DM「周辺一帯から来てるからね。つまり傭兵隊キャンペーンの冒険が始まる1年前のシアンが居るかもしれない(笑) シアンパパは確実に居る」

 豊作キャンペーンは傭兵隊が結成される1年前が舞台なのです。
 参考までに『来年の』大征伐に投入される兵力は、騎士800人、民兵2,000人、魔導師140人、傭兵5,200人、後方支援部隊8,000人である。
 
 なので遍歴の騎士となって旅に出て傭兵隊に入る前のシアンが領民と幸せに暮らしているんだろうし、その時点での並の騎士より腕は上なんで、従軍しているかもしれない。

ノア姫「今回は私たち揃ってお兄様の部下という扱いですよね」
DM「そうです。ロイヒトゥン子爵家の嫡男及び家臣団と、その更に手下だからね」
ヴィンフリート「周りから見ればね」
ノア姫「じゃあフェストに……くれぐれも問題を起こさないように」
フェスト「わーってるよ!」
ヴィンフリート「喧嘩厳禁だぞ」
ヨルン「なんたって貴族だらけだからな」
DM「石を投げれば貴族に当たるからね」
ノア姫「私だけならまだしも、今回は兄の顔に泥を塗ることになります」
フェスト「流石にこんな規模に喧嘩なんか売りはしねえよ。安心しな」
ノア姫「大丈夫です、誰も貴方が喧嘩を吹っ掛けているなんて思っていません。自然な行動ですものね……(震え声)」
DM「でもたしかに、フェストがよくお世話になったというか。所属していたテロ組織の先輩方を弾圧したり殺したりしている貴族は実際に参加しているワケだからね。つまりフェストのイメージでは『悪辣な領主』のバーゲンセール会場」
フェスト「あぁあ"ー。やべぇ、闇討ちとかしてえー、戦場だったらわかんねぇよなぁ!」
ノア姫「そ、その事(フェストにとっては仇敵ばかり)は私は知っているんですよね」
DM「知ってる知ってる(笑)」
ノア姫「じゃぁ、よく言って聞かせます。今は私の部下です。勝手な行動は慎んでくださいね」
フェスト「あんたの迷惑にはならねえよ……今はな」
皆「今はな!?(笑)」
ノア姫「ど、どうしてもガマンできなくなった私に相談してください。話は聞きますから。3人には、大丈夫だと思うけれど……フェストのことを少し気にしていてねと」
DM「すこしで良いのかい? ア・リトルで?」
ノア姫「だって、今日はちゃんと仕事がありますから! フェストを見るのが仕事なったら本末転倒でしょう?」

 だが奴は弾けた……ってならないといいね!! 続く!!
■“豊作キャンペーン” 第7回 チャプター3

 ロイヒトゥン家の派遣軍、貴族連合の合流地点まで旅をしています。

DM「すげー、悪魔将軍だ!」
ヴィンフリート「そんなの居るの?」
人々「姫だー! あれがノア姫だー! 姫様だー!」
ヴィンフリート「ノア姫コール多いな!?」
DM「まぁ、ノア姫は実際に人気があります。モテモテです。その後も行軍して目的地のパルタナ大湿原に到着しましたので、付近で野営の準備をしています。すると、隣接しているホルストマンの設営場所で騒ぎがあったようです」
ノア姫「なにかしら?」
フェスト「奇襲か?」
ラング「なぜ此処に!」
DM「あの声で叫ばれるとよく聞こえるなと思った」
皆「あー(笑)」
ノア姫「では隣の区画のテントへ行って、いったい何があったのですか、と」

 
DM「リーケがテヘペロしてます」
皆「あぁー(苦笑)」
ノア姫「リーケ貴女どうしたの?」
リーケ「ちょっとお礼を渡したら連れて来てくれましたの」
皆「わぁい(苦笑)」
ノア姫「みんな大好きお金……(笑)」
フェスト「ストレートだなぁ……(笑)」
ヨルン「リーケの『ちょっと』ってどんくらいなんだろ(笑)」
フェスト「多分金貨なんじゃ金貨なんじゃ(笑)」
ラング「お騒がせしてどうもすみません。兵站の商人どもに紛れてきたようで……。商人どもはいつ裏切るか判りませんからな。人身を売り飛ばされていたかもしれませんぞ」
リーケ「人を見る目くらいありますわ」
ノア姫「いくら貴女に人を見る目が有ると言っても、そうは言ったって世の中何があるかわからないもの。心配でしょう?」
リーケ「でも、あの男は優秀よ(ちらり)」
シュプリック「……」
フェスト「おまえかー! まぁ、たしかに信頼は出来るかも知れねぇけど(笑)」
ノア姫「そんな事言っても、だーめ。とコツンとします」
DM「リーケは嬉しそうだ」
ノア姫「なにやってもご褒美だなぁ!? リーケにはまだ危ないわ」
リーケ「戦場を見ることは大事ですもの!」
ノア姫「それでもタイミングというものがありますわ(リーケの真似をしながら」
リーケ「足手まといにはなりませんわ」
ノア姫「そーいうことではありませんわ」
皆「可愛い(笑)」
ノア姫「わわわわわっ」
ヨルン「わっすれっもーのー」
リーケ「お姉さまとラングがいるのだから安全ですわ」
ノア姫「私たちも今回は仕事あるのですよ。貴女のことは守れないかもしれないわ」
リーケ「でも、お父様から許可は得ましたの」
ヴィンフリート「得たんかいっ!?(笑)」
DM「真意看破をどうぞ(笑)」
ノア姫「あー、あー。リーケには甘いからなー。よーしっ7だ! どうだぁ〜?(笑)」
DM「オラっ、話術のプロ(バード)!」
ヨルン「7です……」
DM「最大はヴィンの15。うん、誰も『ウソだ』とは思わなかった」
ヴィンフリート「えええ?(笑) なに磨いてんだこの娘」
フェスト「娘に甘ってことかねぇ!」
ノア姫「じゃぁチラッとラングを見ます」
ラング「聞いておりませんな……。そうであれば私めにも連絡が来るはず」
ノア姫「そうよねー」
リーケ「後から付いて来たんですもの。仕方がありませんわ」
ラング「そうであっても早馬と言うものがありましてな……!」
ノア姫「ちなみにリーケはお稽古サボってるイメージなんですが、リザードマンと戦えるんですか?」
DM「戦闘能力はないよ。けどメッチャ頭がいい」
ノア姫「ここは戦場なのよ? 自分の身を守れないようじゃ……」
リーケ「自分の身も守れないような者など、この戦場にはいくらでも居ましてよ?」
皆「……」

 そこらへんのレール・キャノン貴族みたいなヤツも、もちろん参加しているのだ。

ノア姫「減らず口を言わないで、貴女のことを心配しているのよ」
リーケ「勿論、無理に前線に出してくれなど言いません。ここで華麗に指揮を執る姿をお見せしますわ!」
ノア姫「……ラング殿がそれで良いのであれば、ホルストマン家の事ですし」
ラング「……まぁ、参考までにお聞きすることはあるかもしれませぬな」
DM「無碍にも出来ないし、みたいな(笑)」
ノア姫「あまり人に迷惑をかけてはダメよ?」
リーケ「はいっ」
ノア姫「……思ってねーな。思ってねーな思ってねーなこの娘(笑)」
DM「まぁ実際ん所、周囲の家臣たちは、ラングがリーケに押し切られて無茶な作戦をすることになる……的な心配はしていません」
ノア姫「それよりも、ノアの中では『この娘をこのまま成長させて良いのだろうか」 という感じですよ。真面目なんでノアちゃん」
DM「というわけでノア姫はそろそろ他の諸侯に挨拶回りに行かなければなりません」
ノア姫「じゃあリーケに『私はこれから挨拶に伺わなければいけませんから』と」
リーケ「私も行きますわ!!」
ノア姫「リーケお願い。言うことを聞いて。あとでまた会いに来ますから」
 
DM「不承不承従ったリーケは、ヴィンを睨んですごすごと」
ヴィンフリート「なん……だと……(笑) 俺悪いの!? 敢えてなにも言わなかったのに!!」
リーケ(なんでなにも助けないのよ!!)
ヴィンフリート「えええそっち!?(笑)」
ノア姫「私の肩を持ちなさいよ、と(笑)」
ヴィンフリート「なにこの板挟み(笑)」
フェスト「大変だな色男は(笑)」
ヴィンフリート「フェストに八つ当たりしてやる(笑)」
ノア姫「こうして人の恨みがグルグルと(笑)」
DM「あ、ちなみにノア姫以外は、ドレス姿じゃないリーケは初めて見た気がします。旅装です」

 
 こんな絵もあったんだが、残念ながら着替えてしまっていた……!!

 そんなわけで陣地に戻ったノア姫たち。お兄様に指示を仰ぎに。

アーベル「あいさつ回りはノアの方が良いよ」
ノア姫「分かりましたわ」
DM「で、たまたまなんだけど、隣がロールヴァーゲ侯爵家の陣地です。ノアは勿論知ってるけど、他は知識貴族で」

 
 大雑把な関係貴族の領地配置図です。赤いラインはバーン帝国との国境線で、黄色いライン内は解放戦の時の大規模戦闘の悪影響で出現した砂漠、虚無地帯です。
 ロールヴァーゲ侯爵領の中には、部将であるシアンの実家とかもあります。領内の左下にちっこくあるシュティークロート子爵領がそれです。
 
 ノア姫のロイヒトゥン子爵家やハインリーケのホルストマン子爵家(画像)は、ビューリンゲン伯爵家の部将です。
 北にあるフォアサイト子爵領は、赤き森キャンペーン第2回で出向いた土地ですね。

 
 ヴィーリオン王国ロールヴァーゲ侯爵領。
 大陸全土にその名を轟かす、武門の誉れ高き名家。
 領土の北限が西にアーエイト山脈、東に虚無地帯を臨む平原の国境に存在し、バーンに対する最前線を受け持っている。
 バーン建国戦争に於いて、その猛進を遂に押し返すことに成功した功績を知らぬ騎士はいない。

 国境線には数々の城塞・砦が存在し、分厚い迎撃地帯を形成。ヴィーリオンの絶対防衛線としてロールヴァーゲ侯爵領の兵力のみならず、諸侯からの派遣軍も駐留している。

 領内は要衝の必然として経済活動のポテンシャルは高く、それをさらに積極的な振興政策が後押ししていることから、極めて活発。一部の口さがない者からは「戦争特需」 「騎士だが、商人だ」 と揶揄されるほど、近年の経済発展はめざましい。
 それによってバーン最大の武器である「豊富な常備兵力による戦略の柔軟性」 に継続的な対抗能力を得ているのだから、ロールヴァーゲ家としては「言わせておけ」 というものだが。


ノア姫「ヴィンは挨拶回りに付き合ってください。皆はフェストのことをお願い。よし、ロールヴァーゲ兄弟に会いに行くぞー!」
皆「おー!」
ノア姫「ではお隣さんに行き、守衛に。ロイヒトゥンのノアと申します。ご挨拶に参りました」
衛兵「今すぐお取次ぎ致します」
リーンハルト「お、俺、ノア姫と話しちまったー!」
DM「もうこの耳洗わねえ……ってファティマじゃねえかよ(笑)」
衛兵「どうぞこちらへ」
DM「軍議をするような場所で、ロールヴァーゲ兄弟(ヘルベルト子爵・ファランスヴァルト男爵)が居るね」
ヘルベルト「この様な所ですまない。なにぶん戦地なもので、謁見の場を用意していないのだ」

 形式を重んじて設けてる貴族もいます。ていうかそれが普通。なにせ戦争よりも外交しに来てるようなもんなんで。

ノア姫「いえ、とんでもありません。こちらも突然の訪問、失礼致します。この度は初めて大征伐に参加しております。どうかご指導のほどよろしくお願い致します」
ヘルベルト「指導と言っても、基本的には正面での戦いになりますから。ただノア姫の部隊はそう最前線には出されないでしょうし、些かやりがいが足りないかもしれませんな」
ノア姫「少しでもお力になればよいのですが。今回は我が兄の背中を見て、色々学ばせていただきます」

 
ファランスヴァルト「しかし、ノア姫の人気は流石ですな。陣中は姫の話題で持ちきりですよ」
ノア姫「またまた。私もお2人のお噂はかねがね聞いております」
DM「この2人の騎士、特に弟のファランスヴァルトは騎士として大変に高名なのだ。ヴィーリオンの中でも上から数えた方が早いレベル」
ノア姫「では、長居をしてもお邪魔でしょうし、このあたりで失礼致しますわ」
ファランスヴァルト「わざわざご足労頂きありがとうございます。ノア姫とこうして会話が出来たのも、騎士としての誉れでしょうね」
ノア姫「ふふ、またご冗談を。そのように言っていただき光栄ですわ。私もお2人にお会い出来たことを、領に戻り自慢してしまいそうですわ」
DM「という貴族トークが繰り広げられますが、実際どっちもビジネスライクなお世辞ではないという(笑)」
ノア姫「ロールヴァーゲ家の御武運をお祈りしております。さて、残りのご挨拶は?」
DM「挨拶回りでリーケとエンカウントするために足止めされつつ(笑) まぁ、主だった所はココくらいなので、あとは省略」

 アシュラムではない。続くよ!!
■“豊作キャンペーン” 第7回 チャプター4

 挨拶回りは大変だったよノア姫。

DM「戻ってくると、夕食の誘いの手紙が。40通くらい(笑)」
ノア姫「40通……どうすればいいんだろう」
フェスト「じゃぁ、フェストがバーン!」
皆「わーっ!」
ノア姫「お前問題起こすなって言ったやろ!?」
DM「フェストが破った!? 行け、フェスト! レッツゴー!」
ノア姫「フェストには渡しません! そこはやっぱり交友を深めた方が良さそうな所とお食事するべきで」
DM「正しい判断でございますな」
ノア姫「というわけで。……ロタール。どのお誘いが良いと思う?」
DM「その質問をロタールに振るのは結構ズルいよ(笑) プレイヤーがクレバーだ!(褒め言葉)」
ヨルン「クール&クレバー」
ノア姫「ズルくないよ! 自分に知識がないから、ちゃんと知識がある人に頼ってるの」
アーベル「ん? 招待状が来ているのか。ふむ」
DM「ロタールと言わず、お兄ちゃんが帰ってきて選別しはじめました(笑)」
アーベル「なんだ、ロールヴァーゲからは来ていないのか。嫌われたのかい?」
DM「お兄ちゃん、看破する必要もないくらい明らかに冗談として言ってます」
ノア姫「そのようですわね。嫌われてしまいましたかしら。あら困りましたわね」
アーベル「ははは、それは困るな。いっそこちらから誘ってみるかい?」
ノア姫「いえいえ、ご迷惑になってしまいますわ」
アーベル「だが、ノアの誘いを断る男なんてこの国にはおそらく居ないと思うよ」
ノア姫「ふふ、お兄様くらいですかね」
アーベル「それはそうだ」
ノア姫「そういえば、久しくお兄様と2人でお食事をしてませんわね」
アーベル「そうだな。この作戦の準備に忙殺されていたからな。……戦いが終われば祝勝会もあるだろう。その時には招待させてもらうよ」
ノア姫「はい、待ってますわ(にこっ)」
DM「生 き て 帰 っ て こ れ た ら な … … !」



DM「というわけで、お兄様が招待状の山からチョイスしたのはクノーベルスドルフ伯爵。と言うわけで知識ロールをどうぞ」
ノア姫「19」
ヨルン「26」
DM「えー、クノーベルスドルフ伯爵の次男とヨルンは魔道学校で同級生でした」
ヨルン「次男さん?」
ヴィンフリート「次男ドルフ伯爵が」
DM「マックス君です。まぁ、あまりいい思い出は無いんだけど。『卒業したら親のお金で自由気ままに暮らせたら良いなー!』と公言して憚らない人物でした。して、ヨルンとの関係は?」
リーンハルト「そうだよなー。やっぱ親のスネを齧ってナンボだよなー」
 
ヴィンフリート「あいつと一緒に居れば、もしかしたら一生食いっぱぐれないぞ!」
ヨルン「あー……。ま、まあ。距離知ってる人くらいの間柄で」
DM「距離を置いた(笑) まぁ親の方は絶望的な醜聞も絶賛されるような風聞もなく。ごく普通に領民を虐め、ごく普通の被害を出して魔物を撃退し、領地を維持している人です。ただこの大征伐、伯爵クラスの家はそう何家も来ていないのだ(上からロールヴァーゲ侯爵家、ビューリンゲン伯爵家、アインバーンツ伯爵家とクノーベルスドルフ伯爵家)。その中の一つから声が掛かれば、ある意味で選択肢は無いと言える」

 というわけで出向いて。

DM「食事会はつつがなく終わり、夜も本格的に」
ノア姫「ロールプレイしなくていいんだ」
DM「まぁ、面白いこと起きないし。皆居ないとつまんないし」
ノア姫「フェストが居ないとつまんない」
DM「フェスト、今の隙に招待状破こうぜ!」
ノア姫「はいっ、夜が明けて!」
DM「いやまだ夜で。これからビューリンゲン伯爵家の中間管理爵位の方々と軍議ですので、フェスト以外は集まります」
皆「(笑)」
DM「まぁフェストも来て良いけど。口出せるわけじゃないし」
ノア姫「フェストはどうしたい?」
フェスト「行く」
ノア姫「もう私の部下だし。あなたもこう言ったマジメな空気を実際にマジメに体験して貰わないと。けれど私の、後ろで、喋らず、大人しくしているのよ?」
フェスト「へーい」
ヴィンフリート「へーいじゃないだろ!」
フェスト「はーい」
リーンハルト「子供か」
ヨルン「姫……。彼女の過去を考えれば、あまり貴族方の前で顔を売るのはどうかと……。もしあの組織との係わり合い等を勘ぐられては事です」
フェスト「そう言えばそうだな」
ノア姫「自分で言っちゃった!」
DM「そう言えばって、今まで考えてなかったのかよ!」
ノア姫「でも、1人で置いておくのも怖いのっ! フェスト、もう先に寝てる? 留守番しててっ言うと、それ以上の事してくれそうだし」
DM「テントに吊るして置くか」
フェスト「簀巻き? 簀巻きなの?」
ノア姫「(おそるおそる)フェスト……。1人で大人しく留守番……できるかしら?」
フェスト「あたしを誰だと思ってるんだい!?」
ヴィンフリート「それはどういう意味だ(笑)」
ノア姫「私もまさか、あなたが大事を起こすなんて……思ってないのよ?」
フェスト「え? 大事起こすと思ってるって?」
ヴィンフリート「もうコイツ聞き間違えしてるぞ!」
DM「起こすなよ、絶対起こすなよ!」



DM「さて、軍議の方はリーケが口を出しまくってます」
フェスト「そっちはそっちで爆弾が行ったようだな」
 
DM「ただ、趙括や馬謖の如く聞きかじりの兵法を垂れ流してるワケではなく、現状に即してる的を射た意見を言っています。12歳の娘が言ってるという色眼鏡で見なければ、とてもちゃんとしています。そしてたまにノアの方を見て、ドヤ顔してきます(笑)」
ヴィンフリート「ワタシやってますわよオーラを(笑)」
ハインリーケ「ホメてホメて!(しっぽパタパタ)」
ノア姫「うーん、内心では自分の意見をズバッと言っているリーケを見て、羨ましくもあり、妬ましくもあるかもしれない。色々考えちゃいますね。ところでお兄ちゃんはどんな反応してるんですか?」
アーベル(おやおや。父親に比べてずいぶんと優秀なようだ)
DM「……て思ってるけど、果たして真意看破できるかな……!」
ノア姫「とうっ……、伊達に家族じゃないよ! どやっ24!」
DM「ほう、じゃぁ好意的に見てるんだけど、手放しではない含み笑いをしているように感じる(笑)」
ノア姫「じゃぁ、姫としてはお兄ちゃんがリーケのこの様子を好意的に見ているとしか受け取れません。そして、私が本当に出来ること、必要なことは何なのだろうと考えてしまいます」
DM「ワターシニーモーデーキルコトー。特にそのことをお兄様に相談したりはしないと。お兄様に能力を認められてるっぽいリーケにジェラシット?」
ノア姫「羨ましいし、妬ましいし、その分自分を卑下してしまいます。それに大討伐自体もまだ割り切れていないので、本当にココに居ていいのかと」
DM「ブラックノアが! 今日は割と色々な人に持ち上げられてたけど、その辺は空虚に感じてしまうのね」
ノア姫「そうですね。皆が見てる姫という外側だけしかなくて、私の中身って無いんじゃないかと。……この症状が進んだら、ノアは地位を捨てて1人旅しそうな勢いに」
DM「ちい散歩しなくていいから!」
ノア姫「今日はもう寝れない気分なので、夜風に当たっています。リーケにも何かいけないことを言ってしまいそうで、避けてしまいます」
DM「姫様悶々とした感じに」
ノア姫「うーん、グワーッと感情を抱える感じでなくて、逆に冷静というか。カランコロン?」
DM「では、眠れないノア姫。……騒ぎが聞こえます」
ノア姫「! なにかしら?」
DM「そこには酒に酔って暴れるフェスト……! じゃなく、背後の闇の中からスッと」
ロタール「ロールヴァーゲの天幕の方でございますな」
ノア姫「!? 後ろに居たんだ! えー、じゃあ。何があったのかしら」
ロタール「確かめてまいります」
ノア姫「そうね。いいわ。私も行きますっと騒ぎの方に向かいます」

 エンブレムターン (チャーラリーラー

DM「一方姫パーティーのテント。聞き耳を振ってください」
フェスト「26」
DM「お。では、無視して寝てますか、フェストだけ起きますか?」
ノア姫「その選択肢がフェストに与えられるのか(笑)」
フェスト「よし、勝手に行こう。夜襲かーっ!?」
DM「装備は整える? 着の身着のまま?」
フェスト「剣だけ持って行きます」
DM「では、フェストが先に着きますね。ロールヴァーゲの宿営地近くで、衛兵と押し問答している男が居る」
フェスト「じゃあその衛兵に対して。どうしたんだい、夜襲か?」
衛兵「夜襲ではない」
男「助けてくれよお! なあ!」
フェスト「じゃぁなんなんだい、こんな夜中に。助けてくれって何だお前は」
DM「フェスト活き活きしてるな(笑)」
ヴィンフリート「暖まってる」
男「俺は雇われの斥候だ。命令を受けて湿地を偵察していた」
フェスト「そいつはご苦労様だ」
斥候「仲間が居るんだよ、助けてくれよ。俺だけじゃ無理なんだよ!」
衛兵「駄目だ駄目だ!」
フェスト「ヤバイやつでも居たのか?」
斥候「仲間を置き去りにして助けを呼びに来たんだ! 何とかしてくれよ!」
フェスト「助けかー。流石にアタイ一人じゃ行けねえなー。どうしたもんか」
ノア姫「フェスト、こんな所で何をしているの?」
フェスト「いや、夜襲かと思って」
ノア姫「夜襲ならもっと騒ぎになっているでしょ。何があったの?」
衛兵「我々が放った斥候部隊の者ですな。どうやら情報収集していた先で危機に陥り、仲間を残して助けを呼びに戻ってきたようです」
ノア姫「わかりました。では、落ち着いて状況を教えていただけますか。と斥候の肩に手をやります」
斥候「俺たちは湿地帯を進むうち、奴らの巣穴を見つけたんだ。なにか……戦利品になるものがあれば……と思ったんだが……」
DM「と、言いにくそうにしてます。ただ予備知識として。彼のような傭兵家業では、こういう時に分捕り品の収入が無いとやっていけない。さらに『巣穴を見つけました』だけじゃ斥候の仕事にはならないんだよ。リスクがあったのは確かだけど、状況としては単純に『余計なことをして勝手に危機に陥っ た』という訳ではない事を認識しておいて欲しい」



斥候「今はロープトリック(異次元に隠れる呪文)で立て篭もっている。あと6時間は大丈夫なはずだ。ここからウォーターウォークを掛けた馬なら1時間で付く」
DM「ちなみに普通に沼を歩いたら5時間は掛かる」
ノア姫「リザードマンの数は」
斥候「見た範囲では10や20じゃきかない」
ノア姫「結構な数ね……」
斥候「俺たちはコレが貰えるくらいなんだぜ! な、助けてくれよ!」
DM「と小さなメダルのようなものを見せます。姫の知識ロールだと……ロールヴァーゲの家紋が入った勲章のようなものとしか判りません」
ノア姫「それは?」
斥候「これは、俺たちみたいな雇われが功績を挙げた時に貰える勲章なんだ」
DM「これを持っていると言うことは、もしかしたら十把一絡げの傭兵じゃないのかもしれないという事です」
衛兵「確かにお前たちも功績があったかもしれん。しかし、お前たちのような傭兵を助けるために被害を出すわけには行かん!」
フェスト「姫、何とかできねえか」
ノア姫「何とかはしたいけど、簡単な話じゃないのよ。ロタール。リザードマンが50匹居るとして、兵力はどの程度必要なの?」
ロタール「相手の質にもよりますが、ヴィンフリート殿1人で20匹は片付けられるでしょう」
DM「ヴィンフリートが万全に戦えるよう周りでサポートして、魔法をガンガンやればってことね。開けた場所で遠くからの接敵なら、独力でもそれくらい倒せちゃうけど」
ノア姫「では、私の部隊で事は足りるでしょうか」
ロタール「それは断言致しかねますな」
DM「これはロタールの立場として断言は出来ないなー」
ノア姫「少しだけ時間を頂戴。すぐに戻るから」
斥候「本当か、本当に助けてくれるのか!」
ノア姫「まだわかりません……。ロタール、兄はお休みでしょうか、と一旦去ろうとします」
DM「という訳でここで他の3人が合流します」

 カクカクシカジカ

ヴィンフリート「ふむ、そうだったのですか」
リーンハルト「ロールヴァーゲ家からの救援は……」
ノア姫「首を横に振ります。……けれど、私は助けたい。私1人ではどうしようも出来ない。貴方たちが一緒に来て貰わなくてはいけない。と、珍しく自信なさ気ではあります」
ヴィンフリート「もちろんです」
リーンハルト「そう言うと思っておりました」
DM「その地味ぶりが凄過ぎて未だにどんなキャラか俺もわかっていないリーンが今日、ついに動いた……!」
 
 別名「無駄にイケメン」のリーンハルト……!!

ヨルン「ここで彼ら斥候隊を無事救出し、リザードマン殿の情報を得られれば、姫の名声はさらに轟くことでしょう」
DM「それはそうだな(笑)」
ノア姫「わかりました。では、兄に許可を戴きに戻ります」
DM「(……それはアカン)ヴィンフリートは絶対許可なんて貰えないと思ったよ」
ヴィンフリート「こ、ここは我々だけでよろしいかと。必ず止められてしまうでしょう」
ノア姫「……、でしょうね……」
斥候「た、大将! 助けてくれよ、大将!」
DM「と悩んでいると、ロールヴァーゲ弟が騒ぎを聞きつけてやって来ました」
ファランスヴァルト「なるほど……。しかし私の権限はそういった例外を認める為のものではないからね……。ノア姫、この度は此方の部下のことでご迷惑をお掛けいたしました。あとはこちらで」
ノア姫「彼の見かけたリザードマンは20。我々の部隊は5人おります」
ファランスヴァルト「ところでノア姫、一つお願いがあります。聞いていただけますか?」
ノア姫「はい? なんでしょうか」
ファランスヴァルト「どうやら明日の戦いを前に気持ちが昂ぶってしょうががない。遠乗りに付き合っていただけませんか?」
皆「おぉ……!?」
ノア姫「……! あら、私でよろしいのですか?」
ファランスヴァルト「えぇ、勿論。騎士にとって、貴女はとても魅力的な存在ですからね」
ノア姫「あら、お食事は誘ってくれなかったのに?」
ファランスヴァルト「もし貴女を口説くつもりなら、それは逆効果だったでしょう」
ノア姫「まあ、ふふっ」
衛兵(え、え? マジっすか!?)
ファランスヴァルト「これから姫と逢引だ。もちろんそれを他言するような野暮を、君はしないよな」
衛兵「は、ハハッ!」
ノア姫「ロタール? 私これから逢引ですの。逢引でしたら、兄に許可を取る必要はありませんものね?」
ロタール「姫と偉大な騎士様の逢瀬を邪魔するほど、私も野暮ではございません」
斥候「? ? ……! や、やったー!」
ノア姫「何を勘違いしているかわかりませんが、皆さん明日のためにお休みです。お静かに。さて、準備をしてまいりますわ」
ファランスヴァルト「えぇ。素敵な装いを期待しております」



DM「ファランスヴァルトさんから人数分のレッサーレストポーションが支給されました。仮に徹夜とかして疲労状態になっても、それさえ飲めばノープロブレムだ!」
 
ノア姫「不謹慎かも知れませんが、私なんだか楽しくなって来ましたわ」
ファランスヴァルト「えぇ、私も実に高揚します」
DM「斥候もテンション高めに案内してる。こんなドリームチームが助けに来ると思わないから(笑)」

 小粋なトークが展開される中、第7回終了! 次回は突撃リザード巣穴だ!!!