“真実は見えるか”キャンペーン 第3回 チャプター1

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

 フハハ。やはり速攻で第3回が始まってしまうんだよ!!! 喜べ諸君!!! ……喜んでね? 感想ちょうだいね?

 閑話休題

 ダスティが持つ国境越えの報酬を多分に含んだ金貨20枚(銀貨にして2000枚)が気になって仕方がない一行。

  イラスト:★Yuuki
ダスティ「前回のプレイ後にメンバーの資産確認したら、みんな案外持ってる気がしてきましたよ(笑)」
DM「貴族故の金銭感覚の違いか。まあ流石に一連の『4桁の誠意』はプレイヤー発言でしょ?(笑)」
レーグネン「ぐっ、私の手元には銀貨700枚しかない。これではこの事態に対処するには心もとない」
DM「レッサー・ウィゴーのワンド3個ほど買ったらもうオシマイだあぁ」
モニカ「わたくしも同じようなものですわ……」
アルブレヒト「案外持ってるな!」

 全員爆笑

アルブレヒト「いや『むぅ、確かに足りないな』」
ダスティ「村人たちの前でああ宣言してしまった以上、私たちの誠意のため、装備を整える資金が足りないと言うのであれば。この2000円!」
DM「円!?」

 2000円では銀貨2枚である。

ダスティ「枚です! いや、金貨なので20枚です」
アルブレヒト「このお金はつまり、バーンに抜ける際の手付金という事か?」
ダスティ「そうです。その他の収入も含みますが、それを含めた私の全財産です。こうなったからには今持てるすべてを以て、目的を果たしましょう」
モニカ「これは本当に受け取っていいの?」
ダスティ「よ、よろしいです……。余ったら返してくださいね……?」
DM「これが貧乏人というやつだ……! いやダスティがじゃなくて、お金のないパーティは毎回『倍プッシュだ』ってなる。共産化のはじまりだ!」

 パーティーの所持金を完全に一元管理して「最適化された購入プランを実行する」ことは、ロールプレイ上大きくイメージを損なう行為なので、常態化は避けるべきことなのですが。

 
 各自の分け前とは別にプールされている筈のパーティー資金が枯渇した場合は、個人の財布からの徴発が始まることになります。
 これが極限状態に陥ると「金目の物を売り払って金策する」ほど窮するようになるのだが、それはまぁ蘇生費用がそもそも手の出ない領域である現在ではなく、「無理すれば払えてしまう未来」までお預け(一生お預けしてもらいたい

アルブレヒト「ほう、そんなにあったのか」
モニカ「でもレーグネンの置かれた状況を考えると、モニカもお金を出した方がいいのかな」
DM「言ったそばから共産化し始めたぞ!」
レーグネン「いや、モニカ様が出したら私も出します」
モニカ「そういうことでは……」
レーグネン「出します」
モニカ「でも持ってても使わなそうだし」
DM「ちゃんと個人資金で装備を強化してもらわないと、パーティがいつまでも強くならないんですよ」

 D&D3.5版は明白でキッチリとしたマジックアイテムの価格設定ルールが存在し、それをフル活用して「金を使えば使うほど強くなれるゲーム」なので、TRPGやCRPG問わずありがちな「途中から金が余る」という状況は絶対に起こりえません。際限無く金の使い道があると言っていいでしょう。
 これはいわゆる「マジックアイテムは太古の魔法文明の遺産」ではなく、リアルタイムでマジックアイテムが生産されまくっている「現役バリバリな魔法文明の時代」ゆえの光景なわけですが、結果として「全身を無数のマジックアイテムでゴテゴテ身を固めることで強さのインフレを招いた」という面は否めなく、それを反省した5版ではマジックアイテムの扱いが大幅に「やんわり」としたものとなり、価格設定のルールも曖昧に。「DMがいい塩梅にバランス取って与えてね」といった「古式ゆかしい方式」に先祖返りしました。なお、入手がそこまでカジュアルじゃなくなった代わりに、個々の存在感と影響力は3.5版よりも大きいものとなっております。

 まぁ放蕩TRPG部の場合、前例の数々に於いて基本的に資金繰りに苦しむケースが多いので、「バランスが危ぶまれるほどの全身マジックアイテムコーデ」に陥ってしまうことをイメージしづらいかもしれませんが!!!
 決してシナリオ内に配置してある財宝、報酬がシブチンだから……というわけではないことだけは、主張させてもらいたい!!! 大抵はうっかりミスからの蘇生費用で酷いことになってるだけなんだ……!!!
 ちなみにルール通りの裁定だと、蘇生する度にペナルティでレベルを永続的に1失うことになるんで、もっと悲惨なことになります。僕は基本的に永続的なレベルダウンは「中々集まれない遊びで喰らうペナルティ」としてはあまりにも厳しくて切ないと思っているので、不採用の方針なのです。ちなみに全体的にカジュアルになった第5版ではこのレベルダウンという重いデスペナは存在しなくなり、レイズ・デッドの触媒費用も1/10と激安になってたりします。


アルブレヒト「ダスティはよくこんな危ない所、金持って逃げようとならないね」
DM「属性、善なんじゃないのか(笑)」
ダスティ「あー、ブレてますか?」
DM「いやいや、いいんだけどね」

 状況と気分次第で秩序にも混沌にも善にも悪にもブレることが許されるのが中立の中の中立、真なる中立です。普段は困ってる人を見捨ててるけど、「この人は個人的に気に入ってるから助けたい」とかしていいのです。ただし、D&Dは「善」や「悪」が行動に制約を受ける代償として「大きな恩恵」が得られるゲームなので、「普段苦労を背負い込みがちだが、それと引き換えに強力な力を使える」なんていう善人的なメリットは受けられません。モニカやレーグネンといった聖職者は属性と戒律という二重の縛りがある分、アルブレヒトやダスティよりも「スペック的に強い」ですし、聖職者じゃなくても普段善行を積み重ねるロールプレイをしていれば、DM(神)から色々と温情が与えられ易いというものです。

モニカ「もしかしたら先行投資かもしれないし」
ダスティ「たしかにそれはあります。最初からこの人たちって決めましたから。出会ったときにいきなり全財産を叩いたし、もう行くしか」
モニカ「大博打だ!」
アルブレヒト「我々が貴族に返り咲いた際には返そう、はちょっと遠いか」
レーグネン「我々の属性グッドだから大丈夫だけど、ヴォルフェンビュッテルの事知っちゃった流れ者なんて、信用できなかったら埋めるかもしれないし」
モニカ「たしかに。でももう仲間でしょ?」
ダスティ「そこはもう信じてますよ」



レーグネン「共有資金が増えた所で。遠吠え対策のリムーヴ・フィアーが人数分無いので買出しに行く必要がある」

 事前にかけておけば10分間[恐怖]に対するセーヴに+4のボーナスを与え、事後にかけると効果時間の間だけ[恐怖]状態を抑止します。つまり[恐怖]の効果時間が10分以下なら、実質無効になる。
 ちなみにD&Dの1ラウンドは6秒。GURPSの「2秒」ほどじゃないが、比較的早目。一方で戦闘は本格的なシミュレーションRPG状態なので、「プレイ時間4時間の戦闘だったが、ゲーム内時間は2分しか経過しておらず、冒険者たちはダンジョン突入から20分で消耗し尽くして帰ってきた」なんて光景は日常茶飯事。

モニカ「レッサー・ウィゴーのワンドも補充したいです。全員では戻れませんものね」

 滞在しているエレル村ではスクロールやワンドなど売っているわけがないので、町まで買いに行く必要があるのだ。
 プレイヤー達は、ここで全員で戻った場合に不退転の誓いを破ったと、神から怒られる可能性を心配している。

ダスティ「誰かがひとっ走りして行く分には問題ない?」
DM「君たちの判断ではね。街までは15キロくらい」
レーグネン「夜になればまた被害が発生する可能性が高い。今日には再び廃坑に向かいたい所だ」
アルブレヒト「一人が根性でお使いに行けばなんとか」
モニカ「ダスティかキャスに行ってもらう? 町に強いのがダスティ、騎乗が上手なのがキャス」
DM「このパーティ〈騎乗〉はみんな同じくらい怪しいけどね」

〈騎乗〉を持っているのは現状モニカ、アルブレヒト(1ランクだけだが)、キャス、ダスティだけ。以前説明した通り、〈騎乗〉が0ランクでも馬に乗ることは出来る。

DM「レーグネンなんて貴族の身分だったのに〈騎乗〉が0ランクだから、地元じゃ皆から馬乗るの下手だと思われてるぞ」
レーグネン「レベル上がったら取ろう……」

 馬を持てる裕福レベルな貴族の男子で〈騎乗〉が無いのは、現代人で言えば「中学生以上の漢字が読めない」くらいヤバい感じである。
 ただこの辺はDMがキャラメイク時にちゃんと指摘してやるべきなことでもあったので、次のレベルアップ時に育てれば過去に遡ってちゃんと馬に乗れたことにしてあげたい所存!

 結局、道中に問題が起きた時のためにキャスとダスティの二人が行くことに。今から行けば日没前までには戻ってこれる計算となった。戻ってくる時間を見計らって、廃坑のある森の入口にて合流することとなったが。

DM「と出発しようとしたところ、クラウスと鉢合わせました」
モニカ「クラウス!?」
DM「さっき、『クラウスとの合流タイミングはダイスで決める』とか言ってたけど。実は翌日にはハインリーケの元から出発したので、いじわるではなくこのタイミングの到着は決まってました(笑)」

 そして、クラウスの隣には名馬に乗った見慣れない長身の女性が。

モニカ「クラウス、そちらの方は?」
DM「それには少し時間を遡る必要があります。というわけでクラウスが呼び止められた翌日、いきなりこんな事がありました」


 Don't give up justice, I want to get truth! ほわんほわんほわん〜!


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 過去のキャンペーンでは、資金に窮してばかりだったので、個々の分け前というものは存在せずパーティー単位での資金繰りを行うのが常だったが、今回はしっかり分配できるよう稼いでいきたい。
 生活費がやたらとかかるのが少々ネックだが、一発当ててどばっと使うのが、まっとうな傭兵ってものだ、散財は全く問題ない。
 ……などとは常々思っているのだが、早速ダスティの個人資金を借りる始末である!



・モニカ
 この時点でのモニカの所持金は銀貨1200枚ほど。
 モニカの「持っていても使わない〜」というのはこのボンボン娘は小銭の使い方知ってるのだろうか、みたいな思想があったための発言ですね。(それはそれとして、自分で管理するべきなのは確かです)
 私の記憶違いでなければ、モニカとダスティで買い出しに行ってます。この二人どんな会話をするんだろう。……お互いの兄妹(姉弟)のノロケ話かな。そういう意味では気が合うのかもしれないですね。



・レーグネン
 先立つもの、必要ですよね! (指で輪を作りながら)
 まあ共益費みたいなのはある程度必要ですけど。このまま貧困街道を邁進せず、個人の財布を維持出来るように頑張りたいです。
 ダンジョン入って10分で出てくる……。何度やった事か!



・ダスティ
 締め切りすぎるも未提出
“真実は見えるか”キャンペーン 第3回 チャプター2

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

  イラスト:★Yuuki
ハインリーケ「おかえりなさいヤカ。ところで貴女がいない間に来てて、今朝出発した私の友人が実は戦勝神の神寵者なんだけど。ある日いきなり城を燃やされて困ってるらしいのよ」
八夏(DM)「なんですって。神寵者殿の城が。そんなことをするのはきっと悪に違いありませんね。今から助けに行ってきます! そこな侍従の人、案内をよろしく頼む!!」
クラウス「え????? なんですか突然。本当について来る気ですか」
八夏「それはそうでしょう。そこに悪があるなら」
クラウス「親御さんのご許可は」
八夏「大 丈 夫 で す 。まぁ、その親も……いえ、なんでもありません」
アルブレヒト「さすがに元服もとうに済んでる侍を捕まえて『親御さんは?』は無礼というか、無い(笑)」
DM「これは明らかに『ママの許可は得たんでちゅか〜』みたいな感じに煽ってる物言いである」
アルブレヒト「その場で斬られかねないというか」

 第二抜刀事件!

クラウス「あれ? でも設定に……」

 プレイヤー達はすでに八夏の設定を読んでいるのだが、クラウスのプレイヤーは「そこで得た、キャラが知るはずのない八夏の生い立ち」を前提に話を進めようとしているんですな。
 まぁキャラが実際に生い立ち知っている上で言ってたとしたら自然な会話かと言われたら、それはそれで穏やかじゃない発言だったりもするのだが(笑)

DM「どちらかと言えば、断りたいから敢えて言ってるみたいな(笑)」
クラウス「なるほど。では巻き戻って『ついて来るのは構わないですよ』」
八夏「では! 行きましょう。恩のあるハインリーケ殿の友人とあらば、悪のはずはない」
クラウス「あ、あぁ。では行こうか」
DM「では、出る時にハインリーケがクラウスに耳打ちするね」
ハインリーケ「ヤカには絶対に聞かれないように、キャスに伝えて欲しい事があるわ。『貴女の件と関りがあるかは判らないけど、人身売買組織に関する情報があったわ』と」
DM「八夏に聞かれると、人身売買組織の方に行っちゃいそうだからね」
八夏「『悪は捨て置けません!』ってなりますね(笑)」
DM「なので知られないように。というわけで出発するんだけど、道中二人でいったいどんな会話するのかな、と。空気感を出すのにロールで雑談をしてみて欲しい」
八夏「では。『ところで侍従の方』」

 八夏も(元)貴族なので、こういった接し方に。

八夏「すっかり忘れていましたが、あなたお名前はなんでしたっけ」
クラウス「クラウスです」
八夏「なるほど、クラウス。では、神寵者殿のお名前も聞き忘れていたのだが」
ダスティ「ハインリーケから聞いていないのか(笑)」
八夏「着いて即、出たので」
DM「冒頭のやりとりママです(笑)」
クラウス「シンチョウシャ……? うちのパーティの?」
モニカ「神寵者はフェイヴァード・ソウルのことだよ」
DM「クラウス、だいぶポンコツだぞ!!」
クラウス「戦勝神と錬磨神を合わせてシンチョウシャ? 違う? 『モニカ様です』」

 このあたり、冗談や皮肉抜きで「クラウスは何を言ってるんだ? 何をわかってないんだ? え、今どうなってるの?」という空気が場を支配した(笑)



 神官が信仰心に根差した修練によって神の奇跡を授かるようになるのに対し、神寵者は神に召命されることでその力を目覚めさせられる。つまり天より才を与えられし者……天才である。当然その絶対数は極めて少ない。
 神寵者は誰に教えを説かれずとも、自然と神の意志を代行するが如き立ち居振る舞いを行なう。その生き様がそのまま神意の体現たらんとするのだ。未熟な内は道を見誤ることもあるのだが、見失うことは無いと断言してよい。
 当然例外無く高い神霊魔導の力を持ち、特に若年のうちは同世代の者よりその力が劣るケースは滅多に無い。

 だが法王や大司教がすべて神寵者というわけでないことが示す様に、修練によって神に近付く者の信仰が劣るというわけではないし、神寵者に修練が不要というわけでもない。言わばシード選手である。
 つまり、無能な神寵者はいないのだが、神寵者より優秀な神官は大勢いる。
(フローラントwikiより抜粋)

DM「仲間の設定はおさらいしておいてね」
クラウス「八夏殿は腕に覚えがあるようですが、どのような冒険をしてたのですか」
DM「八夏は主に局所防衛と、戦場で人を斬ってました」
八夏「そうですね」
クラウス「ではモンスターではなく対人での経験が」
八夏「初陣は16の時でした。敵の足軽大将を討ち取ったのが一番の手柄です」
クラウス「『戦争経験者だ!』と、すこし尊敬の眼差しですねー」
八夏「……」
クラウス「……」
DM「会話が(笑)」
クラウス「では我々がここに至った流れを掻い摘んで」
DM「そこはロールプレイで説明しよう。主観の違いによる説明の行き違いが発生する可能性もあるし(楽しみ)、後で『いや、マスター冒険者なので流石にそこまで(話してたら自分が困るようなこと)は話してませんよ』みたいなことにならない為にも」
クラウス「えっ……」
八夏「……」

 長い……長い……沈黙!!

DM「流暢なロールプレイをしろとは当然言わないが、とにかく会話して! 事実として『ロクに会話せずに終わりました』なら次に行くから(笑)」
八夏「(私から助け舟を出すしかありませんね!)城が燃えてからどのくらい経つのですか」
クラウス「2か月くらいですね」
八夏「最近ですね。では、まだ悪が居るかもしれません」
クラウス「追っ手が差し向けられているようなので、まだ安心はできません」
八夏「そうですか」
DM「境遇がすこし近いというか、八夏の方は戦争だしねって感じだけど。正々堂々戦って負けた」
八夏「無念ではありますけどね」
クラウス「……」
八夏「……」
クラウス「や、ヤカ殿はハインリーケ様とのご関係は、どのような」
八夏「ハインリーケ殿とは偶然知り合った仲ですが。どうやら日輪のことが珍しいらしく、私の話を喜んで聞いてくれました」
DM「『旅のサムライが居る!? 面白そうね、連れてきなさい』以上」
八夏「ハインリーケ殿はお若いのに、知識も手腕もある」
クラウス「あれほどの方はそうそう居りません」
八夏「モニカ殿とハインリーケ殿の仲は」
クラウス「貴族同士の社交界で出会いました」
DM「ご近所だしね。100キロくらい離れているけど」
八夏「ヴィーリオンは領土が広いですからね」
クラウス「モニカ様の能力は、周囲に期待されておりました」
八夏「会うのが楽しみです」
クラウス「あと、ヒノワの装備が珍しいので、そのワキザシを触らせてもらっても」
八夏「ふむ、こちらならいいでしょう。ですが、この槍はダメです」
DM「サムライソード! 錬金術銀の日本刀っていう不思議なアイテムだからね」

 銀の武器は錬金術銀をコーティングした武器で、普通の武器に耐性のある敵(の一部)に対して使用するもの。通常のダメージが若干減る。

八夏「そういえばクラウスは武器を持っていないようですけど、どのように戦うのですか」

 クラウスのクラス、魂刃士(ソウル・ナイフ)は刃を具現化して武器にするぞ! トリオンが切れたら死ぬ!(死なない

DM「クラウス、予備武器は?」
クラウス「ダガー持ってます」

 武器、持ってた。そしてそこでまたも口を閉ざすクラウス。
 そこはマインドブレード展開して「わお! すごい!」「はっはーすごいでしょう!」と小粋なトークに繋げる流れでは!?(小粋?

モニカ「(沈黙に見かねて)他の、他の仲間のことを聞くのです……!」
八夏「神寵者のことしか言われてないので聞けません(笑)」
ダスティ「お兄様のことくらいは会話で知ってもおかしくない気がするので、そーいうことにして進めましょう!!」
八夏「なるほど(乗るしかない、この助け舟に!)、『おぉ、モニカ様にはお兄様が居るのですね』」
クラウス「ええ。………………名前忘れた」

 全員爆笑。助け舟轟沈。
 何度でも言おう。この執事見習い、ポンコツである。

クラウス「思い出した、アルブレヒト! アルブレヒト様です。皆お兄様呼びするから、頭の中がお兄様になってました(笑) 城から逃げてきたのはモニカ様にその兄、アルブレヒト様。神官のレーグネンに自分。そして協力者としてダスティとキャスで活動しています」
八夏「なるほど、しっかりとしたパーティになっているようですね。アルブレヒト様も神寵者なのですか?」
クラウス「シンチョウシャ……?」

 何度でも以下略

モニカ「神寵者はクラスですよ」
アルブレヒト「戦士、魔法使い、みたいな」
モニカ「戦勝神の神官、戦勝神の神寵者みたいな。つまりお兄様は」
クラウス「神寵者デハナイ?」
DM「よし、取り敢えずフローラントwikiのこのページを読み直しなさい」

 読んでる。
 というか第1回のチャプター11でも神寵者の説明してるのになぜこうも綺麗サッパリ忘れる!(笑)

クラウス「なんか勘違いしてました。神に仕える人、信奉する人のことを神寵者かと認識してました」
八夏「神寵者=信者みたいな」
クラウス「アルブレヒト様は違います。モニカ様だけです!」
アルブレヒト「まあ、もしかしたら叡智神の神寵者になる可能性もまだあるし」
モニカ「そうですよ!」

 ならない。

八夏「では協力者の方々は何をやってらっしゃるのですか」
ダスティ「巧者(ローグ)です」

 TRPGあるある。「その場にいないキャラが返事をする」が炸裂だーっ!!(笑)
 しかし「クラウスだけだとキャッチボールのはずが八夏の遠投になるから、ついフォローのつもりで……」という優しさなのだ……!!

クラウス「案内人、と言いますか」
八夏「なるほど、逃亡する際の道すがらで出会ったのですね?」
クラウス「表の逃げ道は使えない状況でしたので、裏のルートを使用した際に」
八夏「たった2か月前ですが、大変な目に遭ったのですね」
クラウス「えぇ。城が燃え……」
DM「ヒゲが燃え」
アルブレヒト「本も燃えた……」
レーグネン「裏社会の人間なんて、もしかしたら悪かもしれませんぜ」
八夏「あ……。いやまあ私の知り合いにも忍者が居ますし」
DM「いたね! 名前も覚えていないけど」
クラウス「クラウスはニンジャって聞いて分かります?」
DM「知識ロール振ってみよう。〈知識:地域〉で」
クラウス「おっ、18です」
DM「存在くらいは知ってるね」
アルブレヒト「蛙に乗ってたりする」
モニカ「蛙を召喚した」

 
クラウス「ヒノワで有名な、手を叩くと現れると言う……あの!」
DM「錬成じゃねーか! なんか知識が混ざってる」

 ていうかその場にいないレーグネンの「ニンジャ」発言を拾ってそのまま会話を進めるなお前ら(笑)

八夏「ウチの忍者はそういうのは無かったですが。そうしている家もあるのでしょうか」
クラウス「ヒノワの屋根裏にはニンジャが潜んでいると」
八夏「一応、彼女にはまともな部屋を与えておりますが。そのような所に押しやったことはないです」
皆「(笑)」
八夏「おかしいな、何か知識が(笑)」
モニカ「知識成功しているはずなのに(笑)」
DM「知識の偏りを感じる……まぁ大して高くない結果だったからな……」
八夏「クラウスはどこでその知識を?」
クラウス「アルブレヒト様の本です」
DM「あるのかそんな本(笑) 手を叩いたらニンジャがヘイするやつ」
八夏「ぬうぅ。ではお会いした時に聞いてみましょう。何かと勘違いしているかもしれません」

 編集マジックでもグダってる感が伝わる空気ですが、これだけの会話に1時間を要したくらいにキャッチボールが弾まない二人!!

 Don't give up justice, I want to get truth! 会話の着地点は見えるか!!

●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 この執事見習いにはアルブレヒトもずいぶんとダメな人扱いをされてきたけれど、本人もだいぶではないかな? かな?
 八夏殿、美少女武士(語呂が悪い)の登場だ!
 遠い外国とはいえ貴族の出。彼女もこっち側の人間である。またダスティの悩みが増しそうな気もして、皆がどう絡み合っていくのか先の展開が楽しみだ。



・モニカ
 初登場のヤカさま!
 第二の抜刀事件勃発と思いきや流石にそんなことはなかった。
 その後の展開、当時は頑張るのよ……八夏、クラウス! と母親のような気分で見守っていました。
 クラウスのぽんやり感、好きです。憎めない良い子なんだと思います。
 でもお兄様の御名を忘れるのはよろしくないですよ! 脳髄にしかと焼き付けてくださいね!
 因みに蛙を召還するニンジャはNARUTOネタでした。



・レーグネン
 クラウスのすっとこぶりが(笑)
 ニンジャの話も膨らむとは。
 八夏は、初登場から悪を斬る気が漲ってて頼もしいですね!



・八夏
 プレイは久しぶりになりますが、よろしくお願いします。
 そして初っ端から会話がグダグダになってしまったのは申し訳ない。
 なんだろう、この初めての親睦会で会話の糸口がつかめない学生みたいな状況……。



・ダスティ
 ピンチに陥ったパーティーに救いの手が? キャス姉と入れ替わるように新キャラクターが登場!
 プレイ中は、その口調や思想、能力値から、八夏を「BAMBOO BLADE」の屈強女子みたいなイメージで見ていたけど、そういえば黒髪ロングの美女だった……。

     
“真実は見えるか”キャンペーン 第3回 チャプター3

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4


 イラスト:★Yuuki
*作画コストの都合上省略されていますが、実際の装甲部分は小札で構成されております。
 ●天杜八夏 711〜
 侍4レベル 秩序にして善
 STR16 DEX11 CON16 INT13 WIS12 CHA14

 日輪皇国の草城国に勢力を持っていた豪族、霞峠家に仕えた武将である天杜家の三女。
 幼い頃から最も懐いていた次兄、総司の読む昔話や読本の影響を過剰なまでに受けて血気盛ん意気軒昂。
 最も好きな読本は「陽都屠竜九狼伝」。神狼の力を授かった9人の侍が、邪悪な竜王に支配された都を解放する痛快冒険活劇譚だ。推し侍は狼山道丈。音無しの槍術を駆使する快男児で、九狼士の中でも一際正義感が強い。なぜ自分の名前が九夏じゃないのかと本気で泣いて家族を困らせたことが11回ある。軽く泣いてへこんだことは174回。
 真っ当に育つ姉たちを横目に女武者への道を邁進した結果、事もあろうに素晴らしい才能を発揮してしまった八夏は、「生まれてくる性別を間違えた」「黙ってれば美少女」「無駄美姫」などと称賛の声を浴びつつメキメ……すくすくと立派な武士に成長した。
 ……のだが。
 解放歴729年冬、主家が隣接勢力との戦争に敗北し、当主総寿や主だった家臣たちが討ち死にした中、辛うじて生き残った嫡男晴寿は一族郎党を連れてヴィーリオンへ脱出。多少なりとも持ち出せた財産を元手に商人にでもなるかと日々家族会議が繰り広げられる中、我慢の限界に達した八夏は「兄上、せっかく大陸へ渡ったのですから八夏は巷に蔓延る悪を成敗しとうございます」と置き手紙を残して飛び出したのであった。駆けよ〈正義鹿毛〉。盗んだ(兄の)名馬で走り出す。19の夜。
 なお、戦の敗北や家族の討ち死にに関しては「まぁ、それも戦国の世の倣いですし」とサバサバしたもので、特に仇討ちなどへの固執、計画はない。ていうか今はそれどころではない。
 まず一度はこの目で見たかった「世界最大の悪の牙城」と目している永久の森を目指し、道すがら西に向かう隊商護衛をこなしつつゴーゴーウェスト。王国横断4ヶ月1500キロの旅を経てビューリンゲン伯爵領へと至る。
 なお、別にそのまま永久の森に突撃するつもりは無く、マジで単にひと目見たいだけである。未熟な自分にはまだまだ時期尚早だということは、八夏とて強く自覚しているのだ。
 取り敢えず当初の目的を果たしたので、次は誰かと隊伍を組んで地道な正義活動に勤しむかとファヴに出向いた際、ハインリーケの情報網に引っかかり城へ招かれる。日輪の話をする食客扱いで暫く面倒を見られ、ハインリーケの思いつきな頼まれごとなんかをしつつ過ごす。
 ある日、そんな八夏が「2日ほど出かけてきます」と周辺地域の物見遊山に出たのと入れ替わるように、アルブレヒト一行が襲来。ハインリーケは八夏をパーティーに加えるべくクラウスを案内人として居残らせるのであった。

DM「……よし!! 5日程経って合流しました!! 道中でクラウスのファヴへの登録も済ませてるよ。八夏はハインリーケの元に居た頃に登録済みだよ!!」
アルブレヒト「してクラウス。この方は」
クラウス「ハインリーケ様から紹介された……」
八夏「自己紹介しよう。私の名前は天杜八夏。こちら風で言えば、ヤカ・アマモリと名乗ればいいですかな。あなたがモニカ殿ですか」
モニカ「『ええ、はい』と、キョトンとしながら」
八夏「ハインリーケ殿から話は聞いた。困っているようだったから私が来てあげた。悪を滅ぼそうじゃないか!」
モニカ「本当ですか!?」
八夏「ええ」
アルブレヒト「ヤカ殿はヒノワの方ですか」
八夏「はい。訳あってこちらに」
アルブレヒト「ひょっとしてサムライ?」
八夏「ええ」
アルブレヒト「おお〜……これが」
レーグネン「サァムラァイ」
アルブレヒト「違う、サムライだ!」
DM「GODZILLAみたいな。ガッズィーラ!!」
クラウス「では皆が会話している所で、キャスに耳打ちします」
キャス「なんですって! では皆さん、当初の約束通り、私は離脱します!」

 全員爆笑

ダスティ「キャス姉。そんな急な」
キャス「大変申し訳ないのですが、私は行かねばならぬのです。皆さんとは最初からその約束でしたし!!」
アルブレヒト「ば、ばかな……」
モニカ「なぜ?」
DM「キャスも八夏の前で言うなって聞いてるからね」
キャス「理由はクラウスに聞いてください!(ダッ)」
アルブレヒト「クラウス、何を吹き込んだ!」
レーグネン「当初の約束ということは、孤児院の件か?」
クラウス「ああ、その件です」
DM「ちょ、おま!?(あっさり八夏の目の前で認めるの!? ハインリーケになんて言われたか憶えてる!? 理解してた!? 絶対聞かれるなって言ってたね!? レーグネンが聞くのはそりゃ当然だが、そこははぐらかしなさいよ!?)」

 このDM、幾らなんでもやらないであろう行動が無造作にぶっ込まれ、メッチャ動揺しています(オロオロ)。

八夏「孤児院……?」
全員『ひえっ(笑)』
八夏(えー、それ私に聞こえるように話しちゃうんですか……。キャラ的にスルーとか無いんですが、これに乗っかると私登場した途端即退場ルートになりそうなんですけど……でも聞こえちゃった以上はリアクションしないといけないだろうし……)

 気 持 ち は と て も よ く わ か る

八夏「どうやら大変な身の上のようですね……」
DM「なんか勝手に察してくれたぞ!(よ、よし! 物凄く無理がある気がするがこれはやむを得ない!! スルーだ!!)」
クラウス「ハインリーケ様から内密にと言われていますので」
レーグネン「わかった」
DM(っておいいいいいいいいい!? それも目の前で普通に言っちゃうの!? キャスにする時はちゃんと『耳打ちする』と宣言してたのにぃぃぃぃぃ!!)

 これが「ロールプレイによる分岐を前提としてない合流イベントシーン」的な状況じゃなかったら、確実に聞き咎められて追求シーンに突入である(笑)

八夏「(も、もうスルーしておきましょう……)ふむ、では。あなたがアルブレヒト殿ですか」
アルブレヒト「そうだ」
八夏「道中で聞いたのですが、あなたがヒノワに関する怪しい本を持っていると。後ほど読ませてもらえないですか」
DM「ヘイヘイ! ニンジャが飛び出る(ハイテンションなリアクションで話を逸らそうとするのに必死なDM)」
クラウス「本は城ごと燃えたんじゃないかな」
アルブレヒト「私もヒノワには興味がありましてな。八夏殿は陽都屠竜九狼伝という本をご存知か?」
八夏「なぜその名を!」
アルブレヒト「1巻だけは持っていたのだが、なにせヒノワの本でな。手を尽くしたが手に入らなくてな」
八夏「まさかこの地でその名を聞くとは。あなたも同志でしたか!」
アルブレヒト「あの痛快活劇。続きが気になって仕方がない。是非、話を聞かせて、いや……だがしかし!」
DM「あらすじを聞きたくないよね(笑) 『いま呂布と戦っている所で続きが気になるんですよ』『そのあと関羽と張飛死ぬよ』みたいな」
モニカ「さっそく意気投合らっしゃるわ」
レーグネン「流石アルブレヒト様だ」
クラウス「流石だ」
DM「兄のカリスマ性で」
ダスティ「私も自己紹介させてください。ダスティです。よろしくお願いします」
八夏「よろしく。巧者の方ですか」
ダスティ「はい」
八夏「悪ではないですか?」
ダスティ「悪ではないです!」
八夏「ならいいです」
ダスティ「なにか拘りがあるのですか?」
八夏「悪は滅ぼします」
ダスティ「あなたにとって悪とはとか聞いてみたいけど、面倒な事になりそう」
アルブレヒト「旗に『悪は斬る』って書いてあるからね」
DM「Evil slash!」
モニカ「破邪神のひと?」
八夏「皆さんは急な旅の支度でもしているのですか?」
ダスティ「えぇ。急いでこれから街へ買出しに行くところでしたのです」
クラウス「何かあったのか?」
レーグネン「今、ファブの斡旋にてこの村に来ているのだが。このエレル村では……。いや、往来でする話ではないな。買出しをお願い出来ますか」
モニカ「えぇ」
ダスティ「落ち合うとの事でしたが」
レーグネン「あぁ。もしまだ日が出ているうちに戻れるようであれば森の入口で落ち合おう。日が暮れるようなら村に戻ってくれ。よろしいですか、アルブレヒト様」
アルブレヒト「あぁ」
レーグネン「では、村長の部屋に戻って、あらましを説明しよう」

 理想的な展開としては「リプレイを読んでください。その続きです」と言いたいところだが、なにせ1回のプレイが10時間ほどで、それを書き起こす作業となると最低でも50時間を超え(個人差でもっと増える)、それをさらにDMが編集(これも20時間以上)して〜という作業なので、そうそう終わるものではない(笑)
 ていうか10年前のTRPG部立ち上げ当初の頃、キャンペーン4個並行プレイしてその全てのリプレイをワダツミが一人で書き起こしと編集して公開し続けてたの、我ながら意味がわからない。もちろん「思考時間無制限で超絶冗長ゆえ話の密度が薄い」「回数こなしまくりでやり馴れる」ことで、所要時間はもっと短いわけだけど、なんにせよ「こんなクソ大変な作業、頼んでもやってくれないだろうし」とメチャ頑張っていたんだろうなぁ……(遠い目)。
 今は最初から「書き起こしを持ち回りでやれる人」という条件を明示してメンバーに加わって貰っているので、物凄く楽です。超絶助かっています。みんな有難うな!!!
 第2回の書き起こしは既に書いたようにモニカのプレイヤーが担当したわけだけど、TRPG経験自体が初めてに近いこともあり(大変さに心が折れないか)心配されていたが見事な仕事ぶりで「見くびっててすまん」となった。
 でもホント、新規のTRPG部員を確保しようにも「この作業をしてもらうのが大前提」というハードルが尋常じゃなさ過ぎて、そう見つかるもんじゃないんだよね……。

 閑話休題

 なんにせよこの時点でリプレイはまだ第1回すら完成してなかったので、マジで現状がわからないクラウスと八夏のプレイヤー。取り敢えずレーグネンがキャラクター発言として現状説明。

DM「ではレーグネンの説明の中に出てきたリスト家に対して、八夏は〈知識:貴族〉をどうぞ」
八夏「26です」
DM「高っ!! ホームグラウンドを離れたことによる不利を加味しても知ってるので、八夏はハインリーケから周辺地域の貴族についてざっとではあるがレクチャーしてもらったんだろうね」
八夏「リスト家……ハインリーケ様からお聞きした貴族にそんな名前がありましたね」
DM「一方で達成値及ばずなクラウスは知らない。八夏の認識としては、リスト家は居城もしょぼい、量産型ヴィーリオン貴族。四男はバカというのは前回言った通り。ちなみに四男の知識振ってみて」

 ここでも出目が冴える八夏

DM「おぉ! ハインリーケから能天気な男と聞いているね。告白玉砕事件の事を知っている。笑い話として」
八夏「ハインリーケ殿も呆れておられましたよ」

 物知りぶりがスパークする女、八夏!!!

レーグネン「洞窟の者どもが報復しに来たらしく、夜のうちに多くの家畜が無残に殺されているのだ」
クラウス「という事は、影に潜る獣が犯人ではないと」
レーグネン「洞窟の入口に居たのは先鋒のようなものだろう。奴らにはまだこちらにやり返すだけの力が残っているようだ」
クラウス「まだ敵は複数居ると」
アルブレヒト「そうだろうな。なるべく早く倒さねば」
DM「で、居残り組は何時ごろ出発するの?」
レーグネン「15時……くらい? には着くように出たい」
アルブレヒト「14時としよう」
レーグネン「他に探すべき目星も付いていないし、野外のプロも居ない」
DM「じゃぁ村で待ってる間どうする?」
八夏「私は村の周りなどを見ていましょう」
クラウス「では、家畜の周りを少し」
レーグネン「クラウスについて行こう」
村人「いつ退治に行くんですか!!?? もうすぐですか!?」
モニカ「言われるよね」
クラウス「味方が買出しに行っているので、その後です」
村人「それが無いと勝てないんですか?」
クラウス「万全を期すためです」
村人「なるほど、流石だ……! じゃああと少しですね」
レーグネン「ひ、昼過ぎには出るつもりだ」
モニカ「たしかに一刻も早く倒しに行って欲しいよね」
DM「村人たち、この人たちの傍が一番安全だとズラっと付いて来るね。パーティーの後を長蛇の列が続く!!」
アルブレヒト「よし、行くぞクラウス! 村の安全は確保できた。大丈夫そうなので、これから討伐へ向かう(笑)」
DM(えっ、いたたまれなくなるタイプなのお兄様!?)

 打てば響く前倒しぶりに皆も苦笑……大笑いだ!!!(笑)

DM「(これは誤算だ……)では皆さん、〈視認〉を振ってください」
クラウス「22」
八夏「20」
アルブレヒト「16」
レーグネン「9」
DM「さぁ森へ向かってください。ええ気にせずに。どうぞどうぞ」

 不審な〈視認〉で挙動不審になるレーグネン(笑)

DM「森の前で『ここをキャンプ地とする』っていたら、買出し組が合流。時間は16時ごろかな」
レーグネン「ありがとうダスティ」
DM「揃った所で、ここでも〈視認〉を振ってください。……うん、お気になさらず」

 森の入口で馬を繋ぎ留め、前回戦ったフィールドの手前あたりまで進んでいくパーティー。
 皆、パンは持ったか!?(使いません

レーグネン「では洞窟に近過ぎない所でリムーヴ・フィアーを掛けます」
DM「ドゥフフフ」

 DM、がさごそと大きなハードカバー本を取り出す。

モニカ「不浄なる暗黒の書?」
DM「ドゥフフ。大丈夫でござるよ……」

 なにも怖がる必要はないでござるよ……。

 
ダスティ「隊列を組んで進んでいきます」
レーグネン「もしまたこの前の獣が現われた場合はどうすればよろしいでしょうか」
アルブレヒト「グリッターダストなら持ってきている。安心したまえ」
モニカ「流石お兄様!」
ダスティ「遠吠えみたいなのは聞こえてこないですか?(洞窟に近寄りつつ)」
DM「聞こえてこないね」

 
ダスティ「道が分かれているようだ。どうしますか」
アルブレヒト「もう少し見える所まで進もう」
ダスティ「そうですね。ではすこし分かれ道が見渡せる所まで」
DM「では、皆〈視認〉振って」

 が、特になにも起こらず。

DM「どうぞどうぞ」
クラウス「怖いなあ!」
ダスティ「どうしようかな……。一応〈聞き耳〉を振ろう。10!」

 前にも書きましたが、〈聞き耳〉や〈視認〉はパッシヴスキルで常時発動なので、いちいち宣言しなくても大丈夫です。必要なら「〈聞き耳〉判定して〜」とDMから言います。
 ちなみに本来これは「DMがプレイヤーに見えないようにダイスを振って判定してもいいルール」なところを、「だって自分でダイス振れた方が面白いじゃん」とプレイヤーに振らせているのです。なので「〈聞き耳〉するなんて言わなかったよね? だから敵に気付かなかったんだよ」なんてことは絶対確実100%起こりえません。例外的に起こり得る時は、DMが前もってそれを明言する義務が有ると思っていいです。
 ただこの「プレイヤーに振らせる」処理の場合、「DMが判定を求めた」ことで「なにかある」とメタな読みをされることに繋がるので、ロールプレイ的にはデメリットとしても機能します。なので特に意味もないのに判定させたりすることは割とあります。

 なにはともあれ、何度「やらんでいいよ」と言ってもついつい「〈聞き耳〉します」「〈視認〉します」と宣言してしまうものなので、もういちいち「やらないでいい」と突っ込むのを諦めてるフシはあります(笑)

DM「それはゴブリンが待ち伏せしてても気付けないね」
ダスティ「右に行くか左に行くか」
八夏「右へ行きましょう」
ダスティ「根拠は?」
八夏「ないです(キッパリ)」
ダスティ「本当にに良いですか?」
アルブレヒト「まあいいか」
モニカ「どちらとも分かりませんし」
ダスティ「ではもう少し先。右側の道が覗き見えそうな所まで」
DM「ところで、皆の明かりってなんだっけ」
各自「ライトの呪文」「ライト」「陽光棒です」
DM「なら突然真っ暗になりました」
モニカ「全員?」
DM「うん」
八夏「いっぺんにですか?」
DM「いっぺんに」
アルブレヒト「ムッ!」
DM「さあ、イニシアチヴだ!」

 ルール的にはこの「なんらかの暗闇にする行動」が、不意打ちラウンドで実行された上で、通常の戦闘ラウンドに突入しているって寸法。

ダスティ「自分からか。とりあえす、『急に暗くなったが大丈夫か』と声を掛けます。『皆見えますか!』」
DM「さて、敵の手番。……終わり」

 攻撃はされなかったが、具体的にナニが行われたかは不明。ここで「敵の手番」と「なんらかの敵対的な存在がいる」ことを明言しちゃってる辺り、実はサービスでもある。

レーグネン「『敵が来るかもしれん!』 と言いつつ隊列の前に出ましょう」
DM「レーグネンは〈呪文学〉を振れるね」
レーグネン「13!」
DM「うん。うん(なにもわからないよ)」
アルブレヒト「よし。ダークヴィジョンを唱えます!!」
DM「どうぞ」

 アルブレヒトのプレイヤー、このプレイの先週に行われた他のプレイに於いて丁度「魔法の暗闇の中でダークヴィジョンを使ったけど、この呪文は自然の暗闇に対する暗視能力は得ても、魔法の暗闇に対しては無力」ゆえにパーティーが苦戦したばかりだったのですよ!!

DM(流石だぜ。無駄なの百も承知なのに、キャラ目線でやらないことが不自然だとばかりに迫真のロールプレイ……!!)

 通常、公開情報である「呪文の効果」をわざわざ勘違いするような「愚かさを強いるロールプレイ」を求めることは無いのだが。

DM(一切の不自然さを感じない、状況の打開を確信しているとしか思えない見事なロールプレイ……!! これに水を指すような野暮は俺には出来やしないぜ……!!)
アルブレヒト「スクロールで明かりの呪文を持ってきた。安心したまえ!(ドヤァァァ」
DM「闇を見通す光の眼! それが輝く男アルブレヒトの切り札!!(本当は無理なんだが熱演に応えねば!!)」
アルブレヒト「ダークヴィジョン発動したら、周囲に敵の姿なり何か見えますか?」
DM「なにも見えない(完璧なロールプレイ! この役者め!!)」

 仲間たちにとってはまさかの展開に、全 員 大 爆 笑 !!

ダスティ「何か、何かは無いんですか(笑)」
八夏「味方も見えない?」
DM「真っ暗闇ですよ!(笑)」

 Don't give up justice, I want to get truth! 暗闇は見えるか!!


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 八夏には絶対聞かせるな、って話をホイホイと本人のすぐそばで話し、さらには『孤児院のことは八夏には秘密だそうです』ってなことを八夏の目の前で言ってない?!
 この執事マジヤバい。アルブレヒトは彼の扱いにはくれぐれも気をつけるべき。

 そして村人の視線にいたたまれなくなり、発作的に村を出てしまったが……このことがどう転ぶのか……。
 気を取り直していよいよダンジョン内に突入だ……!
 突然明かりが消えた! 完全に真っ暗! あ、この流れは……(2回目)



・モニカ
 ヤカさま、知的爆発!
 こう見ていると、ダスティって本当に、死にやすいのに先頭歩かなければいけなくて、大変な役回りだなぁと思ってしまいますね。
 それと、ログを見る度、モニカのプレイヤーは茶々入れ多いな〜と思います。あと、このログが掲載された時点で巷で流行りのクトゥルフ神話TRPGも未経験ですね。



・レーグネン
 八夏のダイス目が疾る! こっちはだめでした(笑)
 ダークヴィジョン、先週の出来事など露知らず、これで遅れは取るまいと期待しておいての効き目なしで大爆笑でした(笑)



・八夏
 すごく知識判定のダイス目が高かった今回。
 色々教えてくれたハインリーケ様に感謝感謝。
 ちなみに洞窟で右に行くといった根拠は本当に全くありません(笑


・ダスティ
 出会いもあれば別れもある……のはわかっていても、突然のキャス姉との別れにショック! 姉弟という間柄なことはもちろん、パーティー内での人間関係とか役割とか、いろいろ支え合っていたので……。
 出目10があると言われていても、〈視認〉や〈聞き耳〉を宣言しちゃうのは、やはりまだ不安だったんです。チュートリアルとか、その前のお試しプレイの時とかも、いろいろあったので……。

“真実は見えるか”キャンペーン 第3回 チャプター4

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

 暗闇を切り裂く光の呪文を発動しようと、暗視呪文を唱たアルブレヒト! だが闇を見通すことは出来なかった!!

DM(フハハ。アルブレヒトが打開策繰り出すと信じ込んでる仲間達、大慌て!! やったぜお兄様!! ナイスロールプレイ!!)

 

  イラスト:★Yuuki
アルブレヒト「ミエナイ!? ナンデ!?
DM(え!? この物凄い狼狽ぶり……え!?)
アルブレヒト「これでいけると思ったのにぃぃぃぃぃぃ!!!
DM「なんでマジでいけると思ってるんだおまええええええ!?(笑)」
アルブレヒト「え?」
DM「先週のプレイで、思いっきり同じ勘違いしてメッチャ苦戦したろうがぁぁぁぁぁぁ!!!(笑)」
アルブレヒト「そうだっけ!?」
DM「そうだよ!! かなりジックリ丁寧に『魔法の暗闇と照明の処理』への認識を明確化する話し合いしただろう!?(笑)」
アルブレヒト「それは覚えてるがダークヴィジョンのことは覚えてない! あれー?」

 そりゃ不自然さを一切感じないはずだよ!! 本気だったんだから!!!(笑)

 
アルブレヒト「……見えん(洞窟入口に向かってミニチュアを動かす)」
DM「そこまで行くと、入口方向が薄ぼんやり明るいのは判る。ダークネス……、ダークネスって言っちゃったけど。これは『周囲を薄暗くする効果』と『呪文レベルが下位の明かり呪文及び非魔法の明かりに対して一方的に優越・抑止する効果』なので、範囲外の自然の光は薄暗い中で見えてしまう。ただし今は『向こうに外の光が!』レベルの話なので、手元の照明としての役にはたたない」

 つまり太陽光の下でダークネス(2レベル呪文)を使った場合、「真っ暗闇」にはならず、「薄暗くなる」だけなんだけど、太陽光というパワフルな光源が存在しない屋内の場合、0レベル呪文であるライト等、1レベル以下の明かり呪文及び、松明やランタンといった非魔法の明かりは完全にダークネスに上書きされてしまって、真っ暗闇になってしまうのでした。
 ちなみにこの「太陽光はパワフル」というのは「光量の多寡」ではなく、マジで「太陽光であること」が大事で、色々と「まるで太陽光のような明るさを提供する呪文だが、太陽光の性質は持ち合わせていない」とか「太陽光と同じ性質を持つ」など、ルール的に明確に性能差が存在している。超高レベル呪文のサンビームやサンバーストは太陽光の性質を備えており、それを弱点とするモンスターを容赦無く焼き尽くすのだ( ・`ω・´)

 余談。D&Dには様々な「照明範囲を提供する呪文」が存在するのだが、その中でも各レベルに存在する「純粋に照明範囲だけを提供するスタンダードな明かり呪文」は、最低でも術者レベル×10分の効果時間(アルブレヒトなら40分)を持っているので、ダンジョン突入前に使っておくのが定石である。無論、今回アルブレヒトが唱えようとしていたデイライト(3レベル呪文)も術者レベル×10分の効果時間を持つので、一般的なダンジョンアタックならば問題無いだけの持続力があるのだが……問題はそれが「自力発動ではなく、巻物発動」というところ。つまるところ、高いのだ。そのお値段銀貨375枚の一発消耗品。日本円にして375000円。キュア・ライト・ウーンズやマジック・ミサイルといった1レベル呪文の巻物15回分のプライス。同じ値段でこのレベル帯において圧倒的なバフを与える(攻撃回数と移動力が倍になる)ヘイストの巻物も買えてしまう。
 そんなわけで「使わずに済むならそれに越したことはない」と、温存しておきたくなるのも人情というもの。問題は、アルブレヒトが「デイライトの呪文を巻物から発動しないといけないような緊急事態=巻物が読めない暗闇の中」である可能性が極めて高いことまではわかっていたが、「低レベルの暗視呪文は魔法の暗闇を見通せない」ことを一瞬で忘れてしまっていたことなのであった……(笑)

アルブレヒト「『皆待っていろ。(ダークネスの範囲外に出たら)明かりをつけるぞ!』とターンエンド」
DM「あ。お兄様そこまで行ったら敵が機会攻撃するわ」
アルブレヒト「え”」
DM「まあ、当たるわな! うーん一方的な状況で受けるダメージとしては大したこと無い。14点」
アルブレヒト「HPの半分!」

 ただしウィザードには大したダメージであった。

ダスティ「お兄様の叫び声が」
アルブレヒト「今、明かりをつグワー!」
モニカ「『お兄様が!』と声の方向へ向かいます」
DM「暗闇下だけどフィギュアはあるから、謎の暗視能力に目覚めた感じになっちゃうんだよなあ」

 D&D3.5版の戦闘はミニチュア(まぁ別に駒とスクエアがあればなんでもいいんだけど)を使用して厳密な戦闘処理を行う「SLG」なのですな。
 なので処理をプレイヤー有利に緩くしている場合、「暗闇だ! 見えないぞ!」と大騒ぎしててもプレイヤーの目には写真の光景が丸見えなので、「マジで仲間の位置すらわからない」ことも無いし「間違って壁のあるマスに向かって歩こうとする」なんてことも無いって意味の「謎の暗視能力」ということ。
 もちろんガチで厳密さを追求するならプレイヤー全員目隠しして貰い、以下のようなことも可能です。

モニカ「右に1マス進みます」
DM「いてっ。壁だ」
モニカ「え、じゃあ前に進みます」
DM「1マス進んだ」
モニカ「そのままもう一マス前に」
DM「誰かいる」
モニカ「え、誰だったっけ……」

 但し初ダンジョンの洗礼としてはあまりにもグダグダして面倒厳しいので、今回は容赦しました。今後折を見てやると思います(笑)

ダスティ「ちなみに待機アクションで攻撃を受けた方向に反撃するとかは」

 ここからD&Dの戦闘ルールの中でもかなり複雑な部分のガチ目なルール解説が始まるので、読み飛ばしてください(笑)
 でもTRPG部員は読んでおいたほうがプレイ中役に立つかもね。読まなくても大丈夫だけどね。

 待機アクションはルール上、待機トリガーを満たすことで、敵の行動に割り込んで行動を行うことができます。
イニシアチヴ表
17  
16    
15 モニカ 待機アクション。敵が間合い入ったら攻撃!
14    
13 レーグネン ストーン・シェイプの巻物を使います。 
12  
11 ゴブリン あの女を襲う!
 
ゴブリンがモニカに接敵
→ 
イニシアチヴ表
17  
16    
15
14    
13 レーグネン ストーン・シェイプだ! 
12  
11 モニカ
ゴブリン
モニカがゴブリン攻撃!
 
 つまりモニカが待機アクションを発動すると、そのトリガーを引いたゴブリンの行動の直前に「モニカの攻撃」が割り込むことになるんですね。この時のモニカの攻撃でゴブリンを倒してしまえば、ゴブリンは「接敵した瞬間倒された」ことになるので、攻撃のダイスを振らせてすら貰えません。ここで生き残って初めて、ゴブリンは攻撃可能となります。
 イニチアチヴ値は整数しか存在しないんだけれど、同じ数値の中でも明白に「どっちがより先か」が存在し、「同時」は存在しないのですな。ギャザや遊戯王等のTCGでも効果の処理に「同時」が無くて、「パーマネントが戦場に出たとき」「召喚成功時」等の「同じタイミングの出来事にも厳密に処理順が存在するのと同じようなものです。
 さらに「お互いが生き残った場合」は、待機アクションを行った側のイニシアチヴ値は敵の直前に移動します(右のイニシアチヴ表)。これで次のターンも敵の先手を打てるよ! やったぜ!

 で、今回状況を複雑にしているのは「ダスティは目が見えてない」という点。
 今回ダスティがやろうとした待機アクションは「目が見えない状態で敵を待ち構え、敵が近付いた瞬間それを見抜いて敵が攻撃するよりも早く、正確に敵の位置を把握して攻撃を行って倒したい」という、達人的なムーヴなんですな。それは流石に無理。
 となるとこの場合の待機アクションの処理は、「敵の攻撃を受けた後に、反撃します」というものになります。この場合「敵の行動割り込んだのではなく、既に終了している」為、イニシアチヴも直前に割り込まれることはなく、ゴブリンの直後に移動する。一見ルール的には「敵の行動が終わるところまでイニシアチヴを遅らせて自分のターンを始める」とあんま変わりないように見えます。が、大きな違いとして「移動だけなら先に行っておける」ことになります。
 また、今回は関係無いのだけれど、「敵が複数回攻撃を行ってきた場合」となると話が大きく変わってきます。この場合「1回目の攻撃と2回目の攻撃の間に待機アクションによる迎撃が割り込む」ことになるので、そこで倒すことができれば敵の連続攻撃を阻止できるのだぜ。もちろん仕留め損なえば残りの攻撃を喰らうことになるが、なんにせよイニシアチヴは敵の直前に割り込めるようになるので、手番を一回損せずに済むという寸法。

 そんなわけで待機アクションを駆使して「敵に近寄らせて反撃する」ことで「戦線を崩さずに敵の先手を打てる」というメリットを得られるものの、待機アクションのトリガーが満たされずに1ターン経過した場合、1回パスしたのと同じというデメリットも有ります。
 また、例えばこんなことにもなります。

レーグネン「待機アクション。敵が間合いに入ったら攻撃します」
DM「3体のコボルドはクロスボウを撃ってきた。2発命中して13ダメージ」
レーグネン「痛い! 待機をキャンセルしてキュアを唱えます!」
DM「むーりー。貴様はトリガーを満たせない限り的となって撃たれ続けるのだ〜」
レーグネン「うぎゃぴ〜!!」

 はたまた。

クラウス「待機アクション。敵が間合いに入ったら心霊斬で攻撃」
DM「オーガがクラウスをロング・スピアで突き刺すぜ」
クラウス「ならば心霊斬!」
DM「むーりー。大型のオーガが間合いの長い武器であるロングスピアを使う場合は間合いが3マスあるんで、『君の間合い』には入っていない(ゴゴゴゴゴゴ」
クラウス「なん……だと……!? では敵の攻撃が終わったら、移動して間合いを……」
DM「むーりー。待機アクションは君の次の手番までキャンセルできない〜。残りのオーガもそのままアウトレンジから攻撃する〜」
クラウス「ぎゃあああ」

 なお、今回の件とは関係無いが。
 ルールブックに「待機アクションは無限の可能性があるんで、DMはあんまプレイヤーが便利過ぎる使い方をしないように注意してね」的なことが明記されており、「トリガーをあんま細かく指定できないようにせよ」との旨が丁寧な文章で記載されている。
 とどのつまり「敵が部屋に入ってきたらマジック・ミサイルを撃ち込みます」はOKだが、「負傷した敵が部屋に入ってきたらマジック・ミサイルを撃ち込みます。無傷ならスルーします」みたいに、細かくやらせるなよ〜あくまで「咄嗟に行える行動」だからね〜ってこと。「マスター冒険者だからそれくらい瞬時に見抜けるはずだ!」とか言われ出すと大変です。
 TRPG部のプレイに於いても度々「これは待機アクションでとっていい範囲なのか」は議論の対象となる。いい加減、独自でも良いので明確なルール設定をすべきである。俺。でもプレイヤーがガチでピンチだとついつい甘く認めてあげたりもしたくなるのであった。

ダスティ「じゃあ、うーん。仲間の方へ向かうしかないかな」
八夏「何も見えない……面倒だ」
DM「えぇい、斬ってしまえ!」
モニカ「どっちが悪だ(笑)」
八夏「敵の手番は?」
DM「何かしてるかも知れないが、認識できる範囲では何も起きてない。まぁ何も見えてないしな!」
アルブレヒト「ぐぅ!(フィギュアをさらに入口の方へ)」
DM「そこで機会攻撃。15点」
レーグネン「クローズ・ウーンズを使います!」
八夏「見えないですよ〜」
レーグネン「あー、そうかー!」
DM「お兄様、勇猛果敢な不屈の闘志で明かりを目指すも昏倒」

 既に半殺し状態なウィザードだったので、単純に「敵の攻撃回数を倍に増やす」ことになる「既に入ってしまっている敵の機会攻撃範囲からの強引な移動」は、死の淵への全力ダッシュだったかも知れず……。
 まぁ、じゃあどうすればよかったんだよってーことでもあるんですがね!!
 なにせ「万全と思っていた暗闇対策が実はそんなことなかった」ことによる超大誤算が炸裂したのである。浮足立ってもいいじゃない。人間だもの。生々しくて「これが生きるってことだよハハハハハ!!」って感じでいいじゃない!!!

 Don't give up justice, I want to get truth! 暗闇は見えない!!

●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 ダークヴィジョンがあるから暗闇対策は万全だと本気で思ってたんですけどね……。
 おかしいなぁ……?
 経験上、真っ暗闇の中で一方的に敵から攻撃されるとまず勝ち目はないので、そう遠くはない入り口まで戻って高位の明かり呪文をつかうしかもう打開策はないのだ。
 機会攻撃は……あるかもしれない、ないかもしれない! ええい! あったー! ガクっ



・モニカ
 流石お兄様、物語を盛り上げることに余念がない!!
 お兄様の叫び声からの反応については、(声で位置が分かるんじゃないか?という主張のもとだったのですが(カットされています)、そもそも音で場所を特定するそれ自体が難易度高いのに、更に音響く洞窟内じゃムリだろうね、という話に着地し(勿論納得しています!)たので、次回以降、こういう展開があったら怖くてたまりませんね!
 待機アクション、ムズカシイ。暫くは猪突猛進で居させてもらいたいところです……。



・レーグネン
 悲しい事件でしたね。悲劇を繰り返さぬよう語り継がねば。自分もうっかりしそう。
 そして暗闇のなか敵がお兄様に迫る。非常にまずい(笑)
 早速洗礼受けてますが、暗闇再現プレイとかどうなっちゃうのか(笑)



・八夏
 暗闇の中に響く叫び声、実際にあったら怖いなんてもんじゃないなぁ。
 暗視なんて便利な能力もマジックアイテムもない状況での大混乱が続く。
 それと、なんかDMが恐ろしいことをさらっと言っているような?(笑



・ダスティ
 チュートリアルダンジョンで、ダークマントルにボコボコにされた記憶がヨミガエル……。
 ようやく戦闘に参加できたものの、まともに戦わせてもらえないのは辛い……。しかも待機アクションほか、現状を打開しようと試みたものの、どう にもできないときた。
 どうすれバインダー!(なつかしいなぁ……)

“真実は見えるか”キャンペーン 第3回 チャプター5

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

 
モニカ「お兄様の断末魔が聞こえたので、このまままっすぐ向かいます」
DM「なお、普通に考えたらダークネスの効果範囲から抜けてるはずなんだけど、やっぱり暗い」
アルブレヒト「あ、さっきのターンなにもしてこなかった時に、こっちの退路に更にダークネス張ったな!?」
DM「死体が的確な分析をしゃべるな(笑)」
アルブレヒト「まだ死んでない! 気絶しているだけだ!!(笑)」

 意識無い人が発言しちゃ駄目(笑)
 敵の姿が見えない中、アルブレヒトの方、入口へ向かう面々。大変だ!  このままでは失血死してしまう!!

モニカ「『入口側へ向かいます!』と、お兄様踏んだ。じゃぁこの辺でお兄様をタッチしようと試みます」
DM「そこまでは出来ないので踏んで終わり」
ダスティ「とりあえず左側の通路に進んでみます」
レーグネン「『皆、出口に向かっているのか!?』と移動」
クラウス「自分も出口へ移動して」
DM「仲間の居るマスを通る時は、暗闇かつ窮屈だから移動力1/4ね」

 十全な状態ならばお互い動きを邪魔しないように融通し合うので、仲間の居るマスを通過するだけなら何らペナルティは無いが、なんらかの障害やペナルティで「自由な立ち回りに制限を受けた場合」は、途端に仲間の存在するマスは「窮屈な場所」と化し、攻撃、防御、移動にペナルティを受けることになる。この窮屈度合いは段階が存在して、窮屈レベルが上がるほどに使えない武器が増えていく。両手武器(グレートソードとか)よりも片手武器(ロングソードとか)、片手武器よりも軽い武器(ショートソードとか)。殴打や斬撃武器よりも刺突武器の方が猶予が大きいってな具合にね。

クラウス「じゃぁ、ここまでか」
モニカ「ではお兄様にタッチを試みます」
DM「機会攻撃……は外れ」

 モニカは重戦士としては身軽さも中々のものなんだけど、それでもメインは重装鎧の装甲防御なので、敏捷度によるACを失う暗闇でもACが高いのだ。

モニカ「この髭の感じ、確かにお兄様! キュア・ライト・ウーンズ! 13点回復。ご無事だったのですね!」

 髭はもう剃ってるっての(笑)

DM「ではすぐに敵の手番。起きるんじゃねぇ、オラ死ね!(実際にモンスターが言ってるわけではない) 10点ダメージ」
クラウス「モニカの目の前で叫び声が」
モニカ「昏倒せず堪えた!」
ダスティ「出口の方に向かいます。レーグネンの後ろまでか」
DM「最後尾と思っていたら尻を触られたレーグネン」
レーグネン「敵か!?」
ダスティ「いや、流れ的にこっちに移動するべきかと」
DM「じゃぁ入口に向かうって聞こえた時に返事してくれ(笑)」

 実はレーグネンの「皆、出口に向かっているのか!?」というロールプレイに対して誰も(既に宣言済みのモニカ除く)返事をしてなかったのです。これもまた「謎の暗視能力でお互いの行動が丸わかり」ゆえの悪影響ですね。「えー、見りゃ分かるんだから返事なんて要らないでしょ?」ってことです。やはりこういった手抜きプレイ(謎の暗視能力)は雰囲気を壊すので、次からは厳密にやらないといけませんね(紳士顔

アルブレヒト「では自分に『スタンド!』」
クラウス「なにぃー! 座ったままジャンプ!」

 通常ならば起き上がる際や呪文の発動時に機会攻撃を受ける危険があるところを、機会攻撃を誘発しない割り込みアクションとして発動可能なスタンドの呪文を使うことで、安全に立ち上がることができるのだっ!! スタンダットゥーザーヴィクトリィ!!!

アルブレヒト「これなら機会攻撃は誘発しない。そして移動!(ドヤァ」
DM「じゃあ機会攻撃だ!」
アルブレヒト「なん……だと……!? そうか……。相手の機会攻撃残ってないつもりだった(´・ω・`)」

 あ……ありのまま、今、起こったことを話すぜ!
 機会攻撃の回数が残っていると思って、それを防ぐためにスタンドの呪文を使って起き上がったのだが、機会攻撃が残ってないと思って移動して、機会攻撃をされた。
 な……何を言っているのかわからねーと思うが、俺もわけがわからない。

 ちなみに機会攻撃は基本的に1ターンに1回しか行えなくて、例外的に《迎え撃ち》の特技を持っていたり、その他モンスター固有の特殊能力次第で複数回行ってくるケースがあったりもします。そんな珍しくないんだけど、「持ってて当然」って程でもないです。持ってないモンスターの方が圧倒的に多いです。

DM「敵の手番、さっきの『オラ死ね!』の時に回ってるから機会攻撃も復活してるのさ〜。そして11点」
アルブレヒト「ギャー!」
クラウス「アルブレヒト様、何度悲鳴を上げているんだ。余裕があるのか!?」
DM「今日4度目の断末魔です」
モニカ「お兄様が居なくなった」
DM「倒れている所を触っていたら、急に起き上がって、また倒れてきたね」

 想像すると面白過ぎるせいで、大爆笑。

モニカ「じゃぁこのままキュア・モデレット・ウーンズ」
DM「では敵の手番で。もちろんアルブレヒトに攻撃。昏倒」
モニカ「く、クローズ・ウーンズを! 今度は触ってるから飛ばせるはずです!!」
DM「残念。クローズ・ウーンズは被弾のタイミングに割り込んで発動する呪文なので、攻撃が見えてなければ割り込みようがない」
モニカ「うえーん! レーグネン早く来て!!」
レーグネン「洞窟の中で渋滞が発生している」
クラウス「これは八夏殿か」
八夏「そうです!」
クラウス「どうなっている?」
八夏「判りません!」
クラウス「敵は!?」
八夏「見えません!!」
クラウス「というか、アルブレヒト様は何処で叫び声を」
八夏「見えません!」
モニカ「お兄様はここです!」
DM「停 電 コ ン ト」

 全員爆笑

クラウス「モニカ様も近くに!?」
八夏「もう引っ張って逃げた方がいいかな」
DM「引っ張るというより、抱えるしかないかな。このまま引き摺って行くと死ぬ危険が。足場は舗装なんてされてない岩だから、全身鎧着ているわけでもない上に瀕死状態のアルブレヒトだと厳しい」
八夏「ということは荷物扱いで抱き抱えるしかありませんね」
モニカ「抱えられるの?」
DM「筋力が許せば。両手を空ける必要があるんで、武器も移動アクション使って仕舞うか、フリーアクションで捨てるかして」
モニカ「そうか……。武器は要るしな」
DM「まあ、次のターンにもし敵が昏倒しているアルブレヒトを攻撃したら、確実に死ぬけどね」
モニカ「ここは回復します。キュア・モデレット・ウーンズ!」
DM「機会攻撃、モニカは硬いから当たらんかな……あ、当たった。〈精神集中〉判定どうぞ〜」
モニカ「ダイス目15! 〈精神集中〉25!」
DM「おぉ、通した! 〈精神集中〉のランク高いな。では8点ダメージと頑健セーヴ。あ、ゴメン。アルブレヒトにも言い忘れたけど、攻撃を受けた回数分頑健セーヴしてください。あと、セーヴさせられた回数を記録してください」
アルブレヒト「絶対成功と13」
DM「うん、何も起きないね。では敵の手番でさらにアルブレヒトに攻撃。まあ当たるよね。16点」
アルブレヒト「ぐわああああ(バタリ)」
モニカ「また死んだ(笑)」
DM「死んだ」
アルブレヒト「死んではいない!!」
DM「で、頑健セーヴは堪えた。魔導師のくせにタフだなー。もう一体が見た目が柔らかそうなクラウスを攻撃……が、外れ」
レーグネン「では。前進するけど渋滞してて途中まで。『アルブレヒト様はご無事ですか!』 でも返事は無い!!」
モニカ「またお兄様が倒れられました」
八夏「では、敵がまだ近くに居るのですね? アルブレヒトを捜すためあたりを手探りします」
クラウス「どうするかこれ……。八夏が動きを変えたのに気づかず、そのまま出口に向かって前進させます。『先行していた八夏殿がいない!』」
八夏「私はこちらです! このあたりにアルブレヒト殿の敵がいるようです」
クラウス「近くに敵がいるのか!」
DM「あなた、さっき攻撃されてたでしょ!?(笑)」
クラウス「いや、ACで当たらなかったから気づかなかったのかと」
DM「盲目状態で回避する気が一切無い相手に当て損なったのではなく、鎧にたまたま当たってダメージがなかったイメージだな」

 暗闇で何も見えていないので、身のこなしによる回避は現在不可能です。

モニカ「もうお兄様を回復しない方がいいのかな……」
レーグネン「しっかりトドメをさしてくる奴と、動かなくなればほっとく奴が居るからな」

 敵があまり頭がよくない場合、倒れた時点で戦闘不能になったと判断し、別の標的にチェンジすることがあります。

モニカ「うーん回復しよう。通りました」
DM「では敵の手番でアルブレヒトを攻撃。9点」
アルブレヒト「グワー!」
DM「またまた昏倒(笑)」
八夏「このサイクルをどうにかせねば」
DM「残りはモニカを攻撃するも外れ」
レーグネン「アルブレヒト様の位置を探って終わりです」
クラウス「出口に向かうべきか、戻るべきか……」
DM「いいねこの右往左往感(流石にアルブレヒト……はともかくモニカを見捨てて逃げることはないよな、執事)」
クラウス「『八夏殿どこに居る! 出口に向かっているのか! アルブレヒト様は……』と呼びかけてタイムアウトか」

 TRPG部ではプレイヤーの長考を制限する為に、原則として手番は毎ターン1分以内に行動を宣言しなければいけません。短いかも知れませんが、これでも6人パーティーなら1ターンで6分。宣言後の戦闘処理も同じだけ使ったとして12分。プレイヤーの手番だけですら、僅か5ターンの戦闘で1時間です。さて、この戦闘は現在何ターン経過しているでしょう?(笑)
 ちなみにこの制限時間ルールが導入する前は、「1回の戦闘に4時間かかり、1日のプレイが戦闘2回だけして終わった」なんてこともあった上に、「無制限に長考した結果、素晴らしい名案が浮かんだ」ことは皆無でした。十中八九「最初の5分以内に思いついたプラン」を実行する踏ん切りをつけるために掛かった時間が膨大だっただけという。

モニカ「レーグネン、近くに居るのですか! 一緒にお兄様を回復させましょう!」

 行動(イニシアチヴ)を遅らせ、手番をレーグネンに合わせるモニカ。敵の手番を跨ぐために事実上の「1回パス」となり、通常ならば明白なアド損として忌避の対象なわけですが、今はそんなこと言ってられません。カガリは今泣いて……アルブレヒトは今死にかけているんだ!!!

DM「では敵がモニカを攻撃。だがダイス目が5では当たらない。1回当たった以外はさっきからモニカに対する攻撃ダイスが一桁どころか5以下しか出てないけど、モニカはバリアか何か張ってるの!?」
レーグネン「とはいえ相手は倒れているアルブレヒト様に追い打ちをかけなかったので、モニカ様には悪いけど攻撃に出たいなあ。『モニカ様、ここは私が牽制します』とモニカ様の上あたりを斬りつけます」
DM「とりあえず、当たった気はしない」
モニカ「そうか、お兄様を攻撃してこなかったか。ではここは自分の回復に回します」
アルブレヒト(いやこれ、流石にいきなり殺してロストさせるわけがいかないから手加減してくれてるだけなんじゃ……普通は絶対殺すよこれ……)
DM「モニカの〈精神集中〉、その目は流石に失敗」
モニカ「うぅっ」
八夏「うぅん、ひとまず出口に向かいます」
クラウス「私も」
DM「(ちょおま!? モニカ置いてくの!? いかん、アタッカーの2人がこうもさっさと逃げてしまうと、いよいよジリ貧だぞこれ。的が減った分がアルブレヒトたちに集中するし)次〜。敵。レーグネン攻撃。16点と頑健セーヴ。次はAC16まであたり」
レーグネン「立ちすくみと盲目を入れてAC17」
DM「はっずれ〜。じゃあダスティの番」
ダスティ「闇雲攻撃に参加するか。誤射が怖いけど、アルブレヒトは倒れているから、上方向を狙えば当たらない?」
DM「『あらゆるイレギュラーを考慮しても絶対に当たらない』とは言わないけど、『普通は当たらない』とキャラは思ってもいい」
レーグネン「そのまま出口側に居るクラウスやヤカに当たったりは?」
DM「D&Dにはどんな乱戦・混戦だろうと『外れた飛び道具』による流れ弾のルールが無い」
ダスティ「ではこのマスの上の方を狙って攻撃」
DM「外れ」
レーグネン「アルブレヒト様の上あたりを攻撃。おっ、AC23まで当たり」
DM「当たらないね」
レーグネン「くっ、もう移動したのか? どこに居るか判らんぞ」

 暗闇状態で「マスを攻撃」して場合は、命中判定とは別に「完全視認困難によるミス」が50%存在するので、「回避されたのか」「その場にもういないのか」の判断が難しくなります。相手が装甲で受けるタイプの敵ならば「当たったけど弾かれた」という情報を引き出すことは可能なものの、そもそも掠りもしてないので弾かれたもクソもない。

モニカ「どこを狙えば……。お兄様の声も聞こえません」
レーグネン「回復してないからね」

 全員爆笑。こんなピンチでも笑顔を忘れないパーティー!!

モニカ「うーん、自分を回復します」
DM「では、機会攻撃は外れ。硬いなこの女!」


 Don't give up justice, I want to get truth! 逃げていく前衛の背中も見えない。

●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 敵の機会攻撃を誘発しないために、スタンドの呪文を使っておきながら『もう敵の機会攻撃は残っていない』と言い出すあたり自分ながら支離滅裂である!

 気絶していると原則的に発言ができないので、出番がなくて寂しいのだ。
 たまにうっかり発言しちゃってたりもするけど。

 仕方がないのでアルブレヒトが昏倒した回数でも数えるか。
 1つ前で1回倒れてるから、2回……3回……4回……5回。
 
こ れ は ひ ど い !


・モニカ
 げにおそろしき窮屈状態。
 敵、事前に広範囲にダークネスを張るスニークタイプであり、テクニカルな動きができる程度には頭がよいのだと想像はできた(多分その時はそう思っていた)のですが、レーグネンの言葉にも納得し、かつ、ヒーラーである己が倒れるともれなくお兄様、レーグネンも更に危険があぶない! と判断し、己を回復してます。(あと、DMのダイスの調子に「いけそう」過信しました(笑)

 お兄様、おひげの剃り残しがありましてよ。(じょりー)


・レーグネン
 後から見ると、じわじわと各メンバーで目的がズレ始めてるなと(笑)
 ループを抜けるにはと攻撃に出ましたが、結果として好転には繋がりませんでした。難しい所です。



・八夏
 《繰り返す悪夢》(2)(黒)
 ……いや、墓地には誰もいませんけど。
 無念ですが一度退いて体勢を立て直すしかないかと。
 問題は「キャラとしてそれを誰にも言っていなかった」ことか・・・



・ダスティ
 暗闇だけでも辛いのに、狭所という不利な地形が、さらにパーティーを追い詰める。
 この時は、今自分にできる最善の手は何かということを、みんな必死に考えていたはず。でも、本当にいい手が思いつかない。焦って行動して、余計事態を悪くすることもあって、そうするとなおさらアクションを起こしづらくなる。ある意味、笑うしかないような状況でした。

“真実は見えるか”キャンペーン 第3回 チャプター6

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

 
 モニカ達の暗中模索を背後に、出口に向かうクラウスと八夏。

DM「そこまで行くと、外の明かりが差し込んで薄暗い範囲になってるエリアだね。後ろを見ると不自然に真っ暗」
クラウス「入口近くまで来ると明るくなっているぞ!」
DM「では敵の手番でレーグネンを攻撃、当たらず。こっちも硬いな」
ダスティ「闇雲に攻撃して意味あるかな。アルブレヒトを持ち上げてみようか。筋力12だけどどうかな」
DM「アルブレヒトの体重だけで187ポンドあって、筋力12じゃ130ポンドが最大運搬重量だからなー。それでも最大運搬重量の倍までなら、全ラウンドアクションで1マスだけ歩くことはできるけど」

 無論、これにアルブレヒトとダスティ自身の装備の重さも加わることになるので、より絶望的である。
 それでも「60キロ近い荷物を装備して1日歩き回れる」時点で十二分にやべータフネスだということを忘れてはならない(笑)

ダスティ「じゃあ、背負い袋だけ持って行くのは?」
DM「暗闇の中で全ラウンドアクションを使って荷物を剥がすならOK」
ダスティ「そうすれば、他の誰かがアルブレヒトを運ぶ時に、少し楽になるかも。そうします」
DM「しからばそこを機会攻撃。ダメージは16点」
レーグネン「ではアルブレヒトを抱えて『アルブレヒト様を確保したぞ。撤退しよう!』」
DM「でもレーグネンの筋力16だろうと一歩づつしか動けないよ。筋力18のモニカならどうにか……」
モニカ「鎧と背負い袋の時点で100ポンド以上持っちゃってます」
DM「じゃあ少なくとも捨てるなりなんなりしないと無理か」

 筋力16の最大運搬重量は230ポンド、筋力18の最大運搬重量は300ポンドとどちらもやはり超人的なパワーなのだが、アルブレヒトの体重及び衣服やベルトポーチの装備品だけで200ポンドは確実。それに加えてモニカのフル装備分の重さが加わるわけで……ってなんでこの娘、薪を40ポンド分も背負い袋に入れてんのーっ!?(笑)

モニカ「2人で持った場合は?」
DM「一歩づつが二歩づつにはなるか」
モニカ「デメリットは?」
DM「敵の攻撃に無防備。無防備を止めようとすると落とす」
モニカ「それは駄目だ。レーグネンの後ろを歩くようにします」
八夏「さて、私はどうするべきか」
DM「暗闇に向かって矢を撃つ、当たったらテヘペロ」
八夏「それは明らかに悪です!」
DM「では身動きの取れないレーグネンを攻撃。パイロットは死にな! 2回とも当たり。18点、12点ダメージ」

 地味に攻撃を受け続けていたレーグネン、一気にHPが昏倒域へ。

DM「クローズ・ウーンズは相手が見えないと使えないけど、自分なら使える」
レーグネン「じゃぁ、クローズ・ウーンズで昏倒は回避! しかしまずい。このままだと耐えられない」
DM「そして頑健セーヴを落としたので敏捷にダメージ。急に足が痺れた」
レーグネン「グワー!」
モニカ「レーグネン! ずっとお兄様を触ってるから、レーグネンの位置を判ってもいい?」
DM「特別に判っていることにしよう」

 
ダスティ「アルブレヒト様には悪いが、荷物だけでも。出口に向かいます」
DM「ダスティはここまで踏みとどまったものの、やはり全体を見ると特にアルブレヒトに忠誠心や義理が無い面子から見捨てて離脱しているな(笑)」

 ……いや、当時はこんなこをと言っていたが、今思えば義理という意味ではダスティの「できらぁ!」な爆弾発言に巻き込まれたモニカとレーグネンを置いて逃げ出しているのか(笑)

DM「ちなみにアルブレヒトの荷物は重さどのくらい?」
アルブレヒト「えぇっと……(全然計算せずにいた)」
DM「ちゃんと計算しといて! みんなもこういうことあるから計算して〜」


アルブレヒト「33ポンドくらいでした」
DM「およそ15キロ。ちなみに100年前のアメリカ陸軍の歩兵のフル装備重量は48ポンド。無論戦闘中はバックパックを外すことになるので、フル装備のまま過酷な不整地の中で立ち回りの激しい全力戦闘をこなす冒険者は実にとんでもない」
レーグネン「今動くと機会攻撃で死ぬので、手番を遅らせてモニカ様の回復を待ちます」
DM「モニカはこのターンもう回復使ってるよ」
レーグネン「あー、うーん。死ぬかなー。一歩! 前に! おらっ!」
DM「いったいった! レーグネンが行ったー! 機会攻撃! ごめんレーグネン当たって18点」
レーグネン「ぐぅ、まだ生きてるが厳しいな。手が塞がってるから、自分にキュアも掛けられないですよね」
DM「そうだね」

 D&Dの呪文は発動する際に「動作」「音声」「物質」「焦点具」「信仰」「経験値」といった要素のうちどれが必要かが、それぞれ個別に設定されている。いわゆる「手振り」「詠唱」「触媒(消耗品)」「小道具(非消耗)」「聖印」ってーやつですな。多くの呪文が「動作」「音声」の2つか、もしくはそれに加えて「物質」や「信仰」のいずれかが必要で、キュア・ライト・ウーンズの場合は「動作」「音声」です。つまり両手が塞がっていたら呪文発動の身振り手振りが行えないという寸法。
 ちなみに一部の極めて強力な呪文は「高額な触媒代」や「経験値」を要求され、軽々と濫用できないようになっている。ウィザードリィで1レベル分の経験値を失うことで強力な効果を引き出す呪文「マハマン」「ハマン」の元ネタも、D&Dの「ウィッシュ」「リミテッド・ウィッシュ」である。むろんこっちも経験値が要求される。

レーグネン「もうアルブレヒト様を守ることは……」
モニカ「元気な人達が外に居るんだけどなぁ〜。困ったなぁ〜?」

 だがクラウス・八夏は無反応。スルーしたのか、単に聞こえてなかっただけなのかは謎である。
 実際んところ、プレイの場において「次の行動をどうするか考え込んでて」や「上の空」や「他人と話してた」とかで、仲間の発言を聞いてないことは日常茶飯事で、特に戦闘中は顕著。DM視点では「あー、○○が大事なことに気付いて発言してるなー。でも言われた方は気付いてないなー」なんて光景は本当によくあります。これに関しちゃ「聞こえてないっぽいならちゃんと『聞いて下さい』と言えばいい」と個人的には思うものの、人間って「内心従いたくない言葉は聞こえなかったフリをしてスルー」してしまうことがあることを知っていると「あんま強引に迫るのも駄目かな……」みたいな遠慮が生まれてしまうのもまた事実。

 例えばこんな感じ。

ファイター「タフなやつだ! だが今度こそ仕留めてみせる!!」
クレリック「あいつ斬撃武器じゃ駄目なんじゃないかな」
ファイター「(このままパワーで押し切ったほうが早いよきっと。面と向かって拒否するのもなんだから聞こえないふりしとこ)グレートソードで強打3点乗せて全力攻撃!!」
クレリック(……まぁいいか。間違ってたら嫌だし)

 そしてこんな感じ。

ファイター「タフなやつだ! だが今度こそ仕留めてみせる!!」
クレリック「あいつ斬撃武器じゃ駄目だと思うから予備のヘヴィメイスで攻撃したらどうかな?」
ファイター「あ、はい(いいじゃんグレートソードで。持ち帰る手間も勿体無いし。でも断ったら角が立つしなぁ……)」

 そうでなくても「他人の判断はなるべく尊重する。経験者のファンネルにならないようにする。何事も経験して学んで欲しい」みたいな気持ちはどうしても持ってしまうだけに、よっぽど切羽詰まってるときじゃないと「聞いてないのか? 聞け!」とまでやるのは遠慮してしまう傾向があるのであった。
 TRPG部で「意見に対して皆内心こう思ってる」と言うわけではないのだが、「そう思われたら嫌だなぁ」と遠慮してしまう心理はどんなことでもあるよなー、と。

 
DM「では敵の手番で、引き続きレーグネンを攻撃! 一発は外れたけど二発目は当たり」
レーグネン「わー、昏倒! ぎゃあー! ドシャ」
モニカ「こんなに叫び声が聞こえているのに!」

 しかしやはりクラウス・八夏は無反応。流石にこれも「聞こえてなかった」としたら、このピンチにプレイに集中してないのは洒落になってない。
 そう、だってこれは「よっぽど切羽詰まった状況」なのだから!!(笑)
 なのでこの時DMは「あー、聞いてないわきゃないが、危険だから助けに入るの嫌で、聞こえないふりしてる感じかなぁ……」くらいに思っていた。

DM「レーグネンの断末魔が」
ダスティ「とりあえず、このまま出るしかないか……。明るい所まで出て、『アルブレヒトはまだ倒れたまま、レーグネンが抱えて逃げようとしたが。どうやら先ほどの声を聞くに、レーグネンも……。アルブレヒトの荷物だけは確保してきたが』」
DM(レーグネンまで倒れたのに、お願いだからこれ以上アルブレヒトの周りから的を減らさないでくれぇぇぇぇぇ!!!)

 最早不敬な呼び捨てを聞き咎める余裕など無い限界バトル(笑)


 Don't give up justice, I want to get truth! 救援は来るのか?

●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 アルブレヒトが体格にも恵まれているせいで重くて苦労をかける(笑)
 暗かったり狭かったりなど、一応は仕方ない側面もあるが、八夏とクラウス、そしてダスティは安全にスタコラサッサと逃げていて恨めしくもある。ああ恨めしい、恨めしい。

 モニカとレーグネンの必死の救助には深く感謝。
 さっさと逃げたうちの誰か一人でも、ここで敵の気を引きつけようとしてくれれば状況は変わったと思うのだが。そこはどうよ?



・モニカ
 お兄様、水抜きをお考えになったほうが……?
 ダスティはアルブレヒトの(めちゃ大事な)荷物を持って帰るという判断をしてくれたのでモニカとしては、悪くない判断だと思っていますね。
 呪文の設定、忘れないようにしないとなぁと思います。



・レーグネン
 人を運ぶのはたいへん。
 当たらなければどうということはない、と前進しましたが、見事に当たりました(笑)
 うーん、待つべきだったか、といいつつそれで回復してもらえるまで耐えられたかは誰にも判らない。



・八夏
 終わらない闇、増える犠牲者。まるでホラーゲームと化してきた気が。
 あと誤射をテヘペロで赦してもらえるのは魅力いくつあればいいんだろう(そういう問題じゃない



・ダスティ
 一番奥にいたこともあり、どうにもできない状況で、どうにかできないかがんばっていたけど、結局もう逃げるしかないということに。でも、逃げることさえままならない……。「まずはアルブレヒトを逃がさないと!」と抱えあげようとしたら、重くて運べない……。それでも何かしないと、と荷物だけでも運ぼうとしたら、機会攻撃を受けて大ダメージを喰らってしまう……。こういう時にローグは……。

“真実は見えるか”キャンペーン 第3回 チャプター7

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

  イラスト:★Yuuki
モニカ「では手番で。『なんでクラウス居ないねん』って(笑)」
DM「さっさと逃げてる」
モニカ「クラウスあなたが先に逃げてどうするのですか! 戻ってきなさい! お兄様を置いて行くなんて、とんでもありません!」
ダスティ「八夏の筋力は?」
八夏「16」
ダスティ「クラウスは?」
クラウス「18」
モニカ「いやほんと、なんで真っ先に逃げちゃってるの……(苦笑)」
DM「アルブレヒトのこと嫌いだからじゃないかな……(目を逸らし)」
モニカ「お兄様がヤババナイトなので、レーグネンが倒れたことを承知の上でお兄様を回復します」
アルブレヒト「起きた(パチリ)」
DM「お兄様、久しぶりの目覚め。だがまだ暗闇なので地獄かと思った」
レーグネン「敵の前にアルブレヒト様の手番があるし、今度こそ。機会攻撃は誘発済のはず。あれ、してないっけ」
DM「残ってるよぉ」

 この辺をDMが教えちゃうのも、「大ピンチゆえのサービス」である。
 DMがこうやって露骨にパーティーを援護し出すと、DM視点でも「いよいよもってヤバい」ことを示していることは歴戦のTRPG部員お馴染みの光景。

レーグネン「だめだ(笑)」
八夏「どうしましょうか」
ダスティ「ノーダメージだし、このまま突っ込むとか」
八夏「暗闇でどこに居るかも判らない。とはいえこのままじっとしている訳にはいきません!『モニカどの、今一度参ります!』と、背負い袋を下ろして突入します」
モニカ「ありがとうございます!」
八夏「あ、槍はどうしよう。武器持ってないとまずいか」
モニカ「武器を持っていると担げませんよ」
八夏「こう、背中にくくって」
DM「長さ3メートルの大身槍を?」
八夏「Oh……。無理だった」

 括り付けること自体は可能だが、それで洞窟内を動き回ることを考えると、とても厳しい。ルール的には「常時窮屈状態」と処理されるであろう。
 無論、手に持って適宜取り回せるならば問題は無い。

DM「君には脇差があるだろう」
八夏「脇差は、後ろの方につけてるから……。槍も置いていきましょう」
レーグネン「では目が覚めたアルブレヒト様」
アルブレヒト「機会攻撃されるとなぁ……。うーん、手番をクラウスの後ろへ遅らせます」

 これは手番を遅らせることで、他のメンバーの行動中を自分の思考時間にするテクニックである。なお、紳士協定として「自分は行動決まっているんだけど、仲間の思考時間を確保するために行動宣言をギリギリまで引っ張る」ことは禁じられている。元々「戦闘が長引いたら皆損をする」ことの回避を目的とした制限時間ルールだからね!

レーグネン「じゃぁ、モニカに怒られたクラウス」
クラウス「いやこっちからしたら『何してるんすか』って感じですが。『回復して入口までダッシュするんじゃないんですか!!』と突入」

 一応流れを整理すると、「アルブレヒトが起き上がりこぼし状態でやべーからどうにか命を守りつつ撤退する流れの中で、新たな伏兵が登場。どうするか悩んだ結果、モニカ、レーグネン、ダスティは踏み留まってアルブレヒトの救出作戦を、八夏は離脱を選択し、伏兵から攻撃を受けた当事者クラウスも離脱。クラウスに放置された敵は標的を残存組に変更。クラウスと八夏は後方グループの阿鼻叫喚とモニカの助けを求める声をスルーしつつ脱出してくるのを待っていたら、途中で諦めて遁走してきたダスティが合流したところでモニカに怒られた」ではあるんで、客観的にどう見えるかは……読者の皆さん各自の感想に委ねよう。

DM「途中まで明るいから、そこまではペナルティを受けずに歩ける」
クラウス「おぉ、接触した」
DM「何かを踏んだところで終わり。誰かは知らないけど」
クラウス「アルブレヒト様!?」
アルブレヒト「スライドのワンドを持ちます」
DM「ベルトポーチから出したなら機会攻撃を誘発するよ。だからその宣言はキャンセル、巻き戻していいよ」
アルブレヒト「そうだ」

 DMが露骨に援護以下略

ダスティ「例えばクラウスがこのままの勢いでアルブレヒトに覆いかぶさって機会攻撃を誘発したりとかは」
DM「敵が囮に釣られて機会攻撃するかもしれないし、スルーされてもその状態でクラウスが身を挺してアルブレヒトを守るなら、そういった庇うルールは無いけど認めるよ。恐らくトドメの一撃が飛んでくるので、頑張って耐えてね」

 トドメの一撃とはれっきとしたルール用語であり、無防備状態の標的に対して全ラウンドアクションとして実行することで、自動的にクリティカルヒットが成立して大ダメージを与えた上に、そのダメージから生き残ったとしても、更に10+受けたダメージを目標値とした頑健セーヴを行い、失敗したら即死という恐るべきフェイタリティ。
 TRPGネタの一つである「首ナイフ問題」も、これで「ナイフ程度のダメージじゃ絶対に死なないし」なんてことにはならず、常に死の危険が伴うことになる。最もD&Dは「クローズ・ウーンズ」という「ナイフ程度のダメージなら余裕で軽減しちゃう呪文」が存在してしまうので、そこらのチンピラに町娘を人質に取られた程度だったら余裕で防げてしまうのだが。

ダスティ「立ち上がれないけど、機会攻撃を心配せずにワンドは取り出せる」
アルブレヒト「…………いや、クラウスがアルブレヒトの為にそこまでするかな……(苦笑)」

 全員苦笑

モニカ「いやいや、ないない(苦笑)」
クラウス「それは、次に続かないんでやりませんね」
八夏「死体が増える(笑)」

 どちらかというと、「死体は増えないが、死体になる人間が変わる」だな(笑)

DM「多分、目標値25くらいの頑健セーヴに耐えないと即死」
レーグネン「また手番遅らせます?」
アルブレヒト「そ、そうしよう」
DM「では敵。じゃあ突っ込んできたクラウス攻撃しようかなー。いや、でもアルブレヒト普通に喋っちゃってるよな(笑) アルブレヒトを攻撃、これは当たるな。12点ダメージ」
アルブレヒト「ぐわああああ(昏倒)」
モニカ「もう駄目だわ(笑)」
クラウス「何かを踏んだあと下から悲鳴が(笑)」
DM「頑健セーヴも。もう何回分スタックしてるんだ(笑) あとはクラウスを攻撃。当たりで」
モニカ「もうクラウスが担いで行くしかないかな」
ダスティ「こっちのターン。インヴィジビリのティポーションなら渡せるけど」
八夏「ここは的が増えた方がいいかと」
DM(もっと早くその台詞を聞きたかった……!!)
ダスティ「なら、八夏も行くので邪魔にならないように外側へ」
モニカ「モニィ。レーグネンを回復させます。21点」
DM「復活のレーグネン。みんな意識飛ばしてるなあ(笑)」
レーグネン「よし、アルブレヒト様を回復。キュア・モデレット・ウーンズ」
DM「機会攻撃だあ! っと外れ」
レーグネン「8面ダイスを2個振って、よっし8、8。23点回復。機会攻撃も誘発出来た」
八夏「では突入!」
クラウス「これはもうおぶる必要はない? 立ってる」
DM「意識はあるけど、倒れてる」

 一度昏倒すると必然的に転倒状態になるので、起き上がるだけでロスが発生する。

レーグネン「あとは立ち上げさせて貰えば、走れる」
ダスティ「立ち上がらせるアクションをしてみる、とか」
DM「起き上がらせるアクション。うん、出来て大丈夫かな」

 1ターン6秒なので、その間にできそうなことは、「できるかどうか」とDMに聞けば認められることが多いです。諦めないで色々聞きましょう。

クラウス「では、起き上がらせます」
レーグネン「ここでカッコよく声をかけてあげてください」
クラウス「アルブレヒト様ー! 起きてますか! 逃げますよ」
アルブレヒト「しー! しー!」

 レーグネン、良かれと思って大チョンボ。もし敵が大陸語を理解できた場合、見事に筒抜けなコントである(笑)

ダスティ「走って逃げましょう」
アルブレヒト「1234(暗闇とクラウスとの窮屈状態のペナルティで1マス)、56(暗闇ペナルティで1マス)。2マスで終わった」
全員「(笑)」
ダスティ「一歩、大きな一歩です!」
アルブレヒト「いや! 起き上がりに移動アクション使ってないから、まだ行ける。なんとか八夏の前に」
DM「まだ暗いね」
モニカ「あと一歩が遠い!」
DM「さてと、敵の手番でアルブレヒトを攻撃」
八夏「守ります(見えてない)」

 残念ながらルール上特に意味は無い(笑)
 さっきのように完全に無防備を晒して身を挺すか、騎士のクラス能力のように味方のダメージを肩代わりして守護る能力を持っていれば、話は別だが。
 D&Dに於いて「他人を守る」というのは、接敵ラインを潰したり、包囲されたりしないようにする立ち回りを意味することが多い。
 このあたり「後衛を守ります」と宣言するだけで概ね遮断できる抽象戦闘ゲームよりも非常にシビア。

レーグネン「まだHP耐えた」
ダスティ「中から声が近づいてきてるようなので、暗闇の一歩手前まで近づいて手を差し伸べたり」
レーグネン「暗闇だから判らないかも」
ダスティ「じゃぁ『もう少しです!』と呼びかける感じで」
モニカ「出迎えたダスティによって退路が塞がった(笑)」
ダスティ「あっ」

 移動速度が大きく制限されているので、たった1マス他人が専有しているだけで、致命的な「1マスのロス」を生み出す限界バトル。

モニカ「さて、レーグネンも意識が戻っているので、ようやく動ける。クラウスの横までかー」
DM「渋滞しはじめてる」
レーグネン「では起き上がって。前に人が詰まってるので終わり」
モニカ「渋滞してる(笑)」
八夏「どうなっていますか!」
クラウス「アルブレヒト様は出口に向かわれたはずだ!」
八夏「攻撃された音は聞こえてる?」
DM「アルブレヒトが『ぎゃ』」
八夏「『後ろかー!』と言いつつ出口側へ」
DM「そこからだと、ダスティの居るマスに入って窮屈状態だね」
モニカ「仲良しかよー(笑)」
アルブレヒト「こいつら、私の退路を完全にブロックしている!!」
クラウス「俺たち入口で待っててよかったんじゃないか?」
DM(よくないよ! それやってたら確実にアルブレヒトが死んでいる! 出迎え方組の立ち位置が致命的に殺しに行ってるだけで!)
モニカ「いや、今回はクラウスが起き上がらせてくれたからだよ」
レーグネン「そうそう。クラウスだけ呼んだのに他の奴らが来ちゃったんだよ」
モニカ「(笑)」
アルブレヒト「では手番で。頑健セーヴの処理から。ファンブル」
DM「あれだけセーヴ成功し続けてきたお兄様がついに陥落。敏捷に6点ダメージ」
アルブレヒト「そして前のマスが二人で埋まってるんだけど、行けるのか?」
DM「行けないね。そして動くに動けなかったお兄様に機会攻撃が飛んできます。9点」
レーグネン「満身創痍!」
DM「そして次は敵の手番。これ、素直に昏倒しておいた方が良かったのでは?」

 下手に立っていると、敵の手番で再度攻撃され昏倒域を一気に振り切って死亡する危険が高くなるので、いっそ倒れておいたほうが安全だった……といったケースは頻発します。

DM「ってわけでアルブレヒトを攻撃で……昏倒で済んだ。もう1体はクラウスを攻撃して終わり。ダスティ、良かれと思ってが完全な裏目に出ている。実はベクターなのでは」
ダスティ「窮屈なので何もできないと。自分が退くしかなさそうですね……」
DM「途中で逃げ出し、退路を塞ぐオウンゴールぶり……貴様賄賂を幾ら貰った(笑)」
八夏「アルブレヒト殿を引き摺り出すにしてもこれは……」

 結局、1マス中に進み、アルブレヒト掴む所までで終了。他の暗闇の中の3人も特に動けず。重装組はアルブレヒトよりもさらに動けないので、大渋滞!!

 Don't give up justice, I want to get truth! MPKって知ってる?

●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 逃げた連中がモニカに叱られ『まったく何やってんですか』と悪態つきながら渋々戻ってきて……アルブレヒトの移動経路を完全に塞ぐ。
 ここは地獄か、いや地獄へ送りに来たのか!

 なお、昏倒した回数は7回に到達である。
 まず間違いなく1戦闘における昏倒最多記録であろう。
 今思えばなぶられ死に行く者のロールプレイが必要だった。重いな。


・モニカ
 クラウス視点も、つっこみたくなる気持ちは分かるのですが、どうみても的が少なければジリ貧な状態!
 クラウスはACも高く、筋力も18、全力移動の距離も長く、このシーンでは、本当に、とても、ものすごく、優秀で活躍できるところなんですよ!(とプレイヤーは思っていたので言葉が強くなってます、反省)

 八夏の「守ります」もわかるんですよねーー守れそうじゃーんー遮蔽じゃーーんみたいな。



・レーグネン
 掛け声、完全に良かれと思って、でした。状況を考えないとでしたね。
 そしてもう一人の良かれと思って!
 暗闇で身動き取りづらいなか戦況も変わってくので、自分も気を付けたいです。



・八夏
 改めてみると実にひどい有様でした……。
 良かれと思って大渋滞……アレ、なんか以前もこんなことがあったような?


・ダスティ
 ダークネスをくらった時からずっと、なんとかしないと、なんとかしないと……と、いろいろ考えてはいたんだけど、結局最後まで、うまくいかなかったなぁ。

     
“真実は見えるか”キャンペーン 第3回 チャプター8

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

八夏「ターン回って、アルブレヒト殿を抱えて、一歩下がる!」
DM「アルブレヒト、光の世界へ」
八夏「アルブレヒト殿を引き出せました! 皆さん逃げてください!」
DM「逃げられてしまったか、いや、まだレーグネンが居る! 攻撃だ!」
レーグネン「わー! 満身創痍」
モニカ「目の前で叫び声が聞こえたので、回復します。機会攻撃は?」
DM「今の位置なら無い」
レーグネン「自分でもキュア・ライト・ウーンズ」
DM「機会攻撃は外れ」
レーグネン「そしてそのまま移動! 『うわー! 明るい! モニカ様も早く!』」

 ようやく合流したモニカ以外の5人。レーグネンによってアルブレヒトの回復を行う。

DM「目を覚ましたお兄様が何かしてくれるかもしれない」
レーグネン「即、洞窟ごと焼き払ってくれるよ。きっと」
DM「モニカが中に居るのに」

 全員爆笑

レーグネン「モニカが出てからです(笑)」
DM「お兄様はまだ頑健セーヴ残ってる?」
アルブレヒト「ここから怒涛の後半戦が……」
モニカ「一人闇の中だ」

 暗闇の中に唯一残されたモニカを、敵も逃すまいと狙う。相手ターンの攻撃で、ついにクローズ・ウーンズを使い切る。

モニカ「あと一マス。これで外に」
DM「最後の機会攻撃じゃー! 14点ダメージ」
モニカ「いやー、無理だよ」
DM「クローズ・ウーンズも?」
モニカ「お兄様に3回使ったものー。昏倒」

 
DM「もう外の奴等は油断して、終わった気でモニカ放置して帰り支度始めてたからね」
八夏「背負いかけてた荷物を放して、闇の中に突っ込みます(笑) 『モニカ殿!』」
モニカ「倒れこんだから、指先とか、手くらいは闇の外に出てるかも」
DM「そうだね」

 DMが却下した場合にゴネるのは論外ですが、なにも素晴らしい発想が必須ではなくて、単に思い至ってないだけなこともあるんで、なんであれ「なるほど」と思わせればしめたもの。こういったアピールは積極的に行っておいて損はないナイスプレイです。
 もちろんなんでも強引にこじつけて喰い下がれってことではないわけだけど、今回のケースのような範疇であれば「ルールを厳密に処理するとそうはならないことは明白だけど、例外的にオッケー!」となることは珍しくない。
 特に今回のように「もう完全にどうしようもなくて、DMが助言やプレイの巻き戻しまで認めちゃってる大ピンチ」の場合、「よくぞ助ける口実を思いついてくれた」とばかりに快諾してくれる可能性が高いから、最後まで全力を尽くせ!!(笑)

八夏「ではモニカの腕を掴みます」
DM「上半身だけ闇に突っ込んでいる状態になるね。そして掴みに行く動きに機会攻撃を受けて貰おう。当たり」
クラウス「モニカ様の声が聞こえて『えっ』ってなって、向かいます」
DM「クラウス、ムーヴにあまり忠誠心を感じない(笑)」
モニカ「まぁ、言うことは聞いてくださいますので……」
DM「モニカとしても否定はしないのね!?(笑)」

 なお、色んなシーンで「クラウスは忠誠心が無い」と皆から言われまくっているのだが、当のクラウスのプレイヤーが特に明確な否定をしないので、ロールプレイの積み重ねから導かれた認識として、「本当に無い」というのが公式見解というか既成事実というか……(笑)

クラウス「うーん、闇の際までしか届かない。詰まってもいけないので近づいて待機」
レーグネン「指先を頼りに近寄って、キュア・ライト・ウーンズ!」
DM「敵の手番。クリティカル! こいつはスニークアタックがメインなのでたいしてダメージは増えないけど、まぁこの状況じゃ痛いわな」
レーグネン「ぐわー(昏倒)」
モニカ「このまま起き上がってもまた窮屈になりそうだし、八夏に引っ張り出して貰いたいところ。手番を遅らせるか、倒れているレーグネンを回復するか。レーグネンは見えてます?」
八夏「闇で見えていないけど、回復するために触れてはいるはずだから?」
DM「移動は八夏に完全に身を任せるのであれば、レーグネンを回復してもいいよ」
モニカ「では、キュア・ライト・ウーンズ!」
DM「機会攻撃! ダイス目2では当たらないな」
八夏「よし、モニカ殿を引っ張り出します!」
DM「そっちにも機会攻撃。いや、ここはモニカを狙うな。ダイス目5だけど……、モニカは転倒状態だから当たるな。9点ダメージ」

 モニカ昏倒! ただ闇の中からの引き摺り出しには成功。

レーグネン「立ち上がって、離脱!」
DM「機会攻撃は……飛んでこない。これで全員光の中に出られた。敵も追ってこないようだ。ところで、武器を闇の中に落とした人も結構居ると思うけど」

 完全な逃げ帰りである。

DM「さて、ターンを進めながら頑健セーヴを処理していってくれ」

 結果、アルブレヒトとレーグネンが敏捷度を完全に削り切られ昏倒……というか「意識はあるが身動き不能」な状態。麻痺と同じ。モニカ、クラウス、八夏は動けはするが、敏捷度は激減状態。辛うじてポーションを使った回復でモニカの意識が戻っていたため、レッサー・ヴィゴーのワンドでHPは回復する事が出来た。
 つーかお兄様、頑健セーヴが低いウィザードなのに、毒へのセーヴ成功率が半端なく高い。さすおに。普通なら洞窟の中で麻痺ってたところを、少なくともそこは凌いでいる。
 あ、D&Dの毒は「喰らった瞬間と10ターン後の2回セーヴを求められる」のが基本です。毒によって「第一波が本命で、第二波はそうでもない」だったり、その逆だったり、どっちも同程度だったりと千差万別。


DM「事前にかけたリムーヴ・フィアーが無ければ危なかったな!!」
モニカ「ほんとかな〜」

 特に恩恵はありませんでした!!!

DM「洞窟に居たのは5分くらいだから、まだ効果残ってるよ」
八夏「行ってすぐ戻る感じに」

 全員爆笑
 プレイ時間は数時間だが、ゲーム内時間は一瞬である(笑)

ダスティ「偵察、威力偵察だから!」
DM「威力偵察にしては昏倒3人も出て血だるま、壊滅の憂き目に遭っているのである」

 ちなみに威力偵察というのは「取り敢えず様子見の戦力で攻撃して、相手の反撃度合いから敵の様子を伺う」という軍事行動であり、本隊がズタボロになるリスクを負うものでは無い(笑)

ダスティ「見てください夕日が綺麗ですよ」
八夏「ダスティ、今はそんなことを言ってる場合じゃ」
ダスティ「生きてるって素晴らしいと思いませんか? 生きてこそですよ!」
DM(アルブレヒトを見捨てて逃げた上に、退路を見事にブロッキングしたことは触れないでおこう……)

  イラスト:★Yuuki
八夏「はぁ〜……(深い溜息)」
DM「森の中なので沈みゆく夕日なんて見えないんだから、ダスティの現実逃避が生み出した妄想が八夏に見えるわけない(笑)」
ダスティ「さて、どうやって帰るか。馬を連れてきてもらって」
モニカ「ダスティ、昨日ここまで馬を連れてきて、どうなったか思い出して」
ダスティ「……。よし、皆で担いですぐに離れましょう!」
八夏「何があったんですか!?」

 とはいえ、昏倒しているアルブレヒト、レーグネン、敏捷度が激減している前衛組な状態でどう逃げるかとなると、「さあ、馬は不要! 親からもらった二本の足で、歩こう!」とはいかないのであった。

DM「皆さん、敏捷度いくつ?」
八夏「5」
モニカ「4」
クラウス「2」
ダスティ「17」
DM「状況は未だ絶望的だな。足をズルズル引きずっている人間が気絶した人間を背負って森を歩いて逃げるか、馬を頼るか。でも馬を取ってくるとボロボロ組を洞窟前に1時間放置する事になるのか」
ダスティ「ゴロゴロ転がして木陰に」
DM「こんな森でゴロゴロ転がしたら死ぬぞ(笑) 滅茶苦茶頑張って洞窟から離して休ませたとして。ダスティの〈騎乗〉は?」

 マスター冒険者だからそんな「明らかにトドメを刺すような行為」はしないんだよ(恒例の優しさアピール

ダスティ「1ランクあります」
DM「君の馬術の腕では歩いた方が速いな。取り敢えず余計に時間が掛かり、2時間で戻ってきたことにしてあげよう」
ダスティ「では敏捷度0になっている人を馬へ括り付けて」
DM「あれ……〈騎乗〉は敏捷度判定だから、もしかして毒のダメージデカい奴等は全員馬に乗れない?」
ダスティ「!?」

 そもそも〈騎乗〉が0ランクでも最低限操れるのが大サービスなわけだが、それもフルコンディションだったらの話。
 身体の感覚が毒で失われてきてて、手足プルプル状態で森の中を馬を操ろうなんて、ハードルが高過ぎである。

DM「えーと武士である八夏なら〈騎乗〉ランクもちゃんとあったはず」
八夏「5あります」
DM「よかった。八夏と、あとモニカも乗れそう」
ダスティ「馬にアルブレヒト、レーグネン、クラウスを縛り付けて」
モニカ「帰りましょう……」


 Don't give up justice, I want to get truth! 「敗走する時に馬が無いと完全に詰むよ」と忠告したDMの優しさが光る!

●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 命からがら、かろうじて離脱に成功はしたが……。
 初手で敗北が確定した上、数時間ひたすら撤退戦である。

 デイライトという対抗策はちゃんと用意してあっただけに、勘違いでそれを発動できる機会がまったくなかったのがつらい、つらい。
 そこだけは本当に申し訳なかったな……。



・モニカ
 文章にするとモニカ頭のいいこと言っていません??
 あと、この戦いで、モニカ、初めての昏倒です。攻撃だって何度も弾いています、6回位しか攻撃あたってないのではないでしょーか!(審議中)
「指が見えるんじゃない?」とか言ってみるもんですね。


・レーグネン
 最後の最後でピンチでしたが、なんとか脱出!
 最後はちょっとはチームプレイみたいな所が出せた……かな?



・八夏
 闇からの生還、別のTRPGなら全員生存してのエンディングなところですが、現実は完全な門前払い(汗
 あぁ、どこかから鳴り響く『ドナドナドーナードーナー……』。



・ダスティ
 戦闘中は何もできなかったけど、最後にやれることがあって良かったな……と。

     
“真実は見えるか”キャンペーン 第3回 チャプター9

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

DM「では、村に帰ってくると、若干批難めいた目で見られる」
村人「どこ行っていたんだよ! あんたたちが居ないうちに奴らが襲ってきたぞ!」
モニカ「やっぱりなぁ……」
ダスティ「申し訳ない。退治に行ったのですが敵も強く。討ち果たせず申し訳ない」
DM「モニカと八夏は何か言うことないの(笑)」
モニカ「ダスティが言っちゃったなって(笑)」

 スポークスマン・ダスティ。
 彼はこのパーティで最も積極的に意見・発言を行うことに定評がある。
 彼個人としては素晴らしいことなのだが、「ぜんぶダスティに任せて他のプレイヤーは静観する」ことも多く、割とその都度「いや君ら黙ってちゃ駄目だよね?」とDMが指摘することがままある。

DM「村人からは生きて帰ってきて良かった半分、何やってるんだこいつら半分。村長も出迎えに来ている」
モニカ「村の様子はどうですか?」
DM「家が燃えているということはなさそう」
モニカ「うーん……。ちょっと考え中」
クラウス「自分は喋れます?」
DM「プルプルしてるだけで喋れますね」
クラウス「襲ってきた魔物を見た方はいますか」
村人「犬だよ! 影の犬! 影だよ! 一匹だったが恐ろしい強さだ。あんた達が居なくなってしばらくしてから、家畜を襲いはじめたんだ」
モニカ「では昼間に襲ってきたと」
クラウス「昼に現れたのは初めてですね」
村人「たしかに、初めてだ。奴は影から現れて、影に消えるんだ! おかげで家畜がまたやられちまった」
モニカ「人に被害は?」
村人「抵抗した奴が3人も殺されちまった」
モニカ「そうですか……」
八夏「忌々しい」
ダスティ「裏をかかれたようですね」
モニカ「出るとき〈視認〉のダイス振ったしね」
アルブレヒト「まあダミーだった可能性はあるけど」

 保身……いや読者諸兄に「どうせどうあっても襲われてたんだろこれ!」的な誤解をされないようにシナリオの種明かしをすると(やはり保身)、村居残り組が当初の予定通り「買い出しが戻ってくるのとタイミングを合わせて村から森に移動」していた場合、この襲撃に居合わせて迎撃が可能でした。DMとしてはシナリオ作成段階で組み込まれていたトリガー&ルーチンの処理が、パーティーの行動計画に合致して「お、これはちゃんと迎撃できる流れ。やったぜ皆!」と思っていたのですが……。
 村人の期待にいたたまれなくなったアルブレヒトが予定を前倒しにして村を出発してしまったのが分水領でありましたとさ。DMとしては「この天才にまかせておけ!! ハハハ、民の期待の眼差しが心地よい(ドヤァ)」ってタイプのキャラだと想定してたんだよなぁ(笑)

モニカ「分かりました。ひとまず動けない者が3名おります。一度…………」
クラウス「一度休ませて頂いて、今後の方針を検討させてください。昼間にも現れるとなると、対応を変えねばならぬかもしれません」
村人「分かりました。今夜はお休みください」
モニカ「という批難の目を浴びつつ」
DM「批難半分、まだ慌てる時間じゃない半分」
八夏「遊んできたわけじゃないしね」
クラウス「アルブレヒトも血まみれだし」
DM「敵が邪悪過ぎてダメだったか」
レーグネン「この光輝ける男を以てしても、闇を照らせなかった」
DM「まあ、村長は気遣ってくれるね」
村長「聖騎士様たちが敵を倒してくれているおかげで、この程度の被害で済んでいるんですよ。して、今日は何体屠ってきたのです?」
ダスティ「俺の口からは言えない(笑)」
レーグネン「戦勝神ウソつかない」
ダスティ「俺が適当なことは言えないんでしょ」
DM「ザクを100機倒したんだって!」
ダスティ「それは言いませんけど(笑)」
村長「奴等の根城はどのような場所でしたか?」
八夏「深い闇に包まれた、恐るべき所でした。噂に違わぬ、魔境」
村長「深い闇……。なんと恐ろしい。皆さまがボロボロなのも、その恐るべき魔の狡猾な罠にかかってしまい、力及ばずということなのでしょうか」
八夏「誠に申し訳ないが」
村長「しかし、誰一人欠ける事無くお戻りになるあたり、前回の木端傭兵共とは格が違いますな。して、敵はどのような姿を」

 村長の容赦ない追求に笑うしかない一行(笑)

八夏「敵の姿……、闇そのもの……」
村長「それは、闇の精霊かなにかで?」
ダスティ「多分そうなんじゃないかと。分かってないから」
モニカ「ちょっとまって、どう返すか考えるから(笑) 今、ここで対応を誤ると立場を失う人達に意識が無い(笑) うーん。『申し訳ありません。正直に申しますと、現時点で敵の情報を掴めている訳ではありません。廃坑に入り探索に向かったのですが、途中で暗闇に襲われ、命からがら戻ってきた次第です』」
村長「恐ろしい敵、という事ですね」
モニカ「敵の格については、現時点では私からは回答できません」
DM「本当のことを言う気はないが嘘も吐かずに済ましたい、政治家みたいなことを(笑)」
モニカ「敵の強さを詐称したくなくて」
DM「戦って、事実として恐ろしかったでいいじゃん(笑)」

 ちなみに戦勝神は「嘘さえ吐かければ、どんな誤魔化しもOK」なんてアホなザル戒律の神ではない。大前提として「戦いに於いての秩序と名誉」が重んじられるので、意図的に戦果の誤魔化しをした言い訳に「聞かれなかったから」「解釈によってはそう言えなくもない」「正しくないかも知れないけど嘘とまでは言えないでしょ」と宣う人間を信頼、尊敬できるかどうかが問われるのだな。
 なお、いわゆる「部下を鼓舞する為の嘘」は禁止されておらず、明白な指揮系統の中で責任持って行われるならば、それもまたArt of Warである。忌避されるのは、利己的な戦果の誇張や被害の過小報告といった恥ずべき(そして戦況を見誤る温床となる)背信行為であるからして。「じゃあ村人を制御するための嘘は許されるんじゃ」と思うかも知れないが、それはケースバイケースであり、少なくとも今回は「依頼人の領主は当然、村人も別にアルブレヒト達が責任を負っている部下・領民ではない」のですな。なので家畜や村人が殺されようが、それがやむを得ない過失の範囲に留まるならば、口で謝るだけで済んでいる。責任も軽ければ指揮権も軽い。
 この辺はファヴとの契約次第であり、引く手数多なファヴのトップクラスパーティー(アーネスト隊等)であれば「困難な任務なので我々の命令には絶対に従って貰う」という条件を付けることもあるが、有象無象が単なる「念の為」程度の目論見で依頼主に対してそんなこと言い出したら、即座に「チェンジで」と言われてしまうのであった。

 
 つまりこう。

 なんにせよパーティー側が「自分たちの劣勢を正直に話して余計に狼狽させてはもっと大変なことになる」という認識は、村(領主)側にしてみれば、仮にパーティーが敗退した場合に「お前達が苦戦してることを私に報告しておけば、それを踏まえた次善の手を打てたのに」とも言えるわけで、とどのつまり皆自分の都合で動くというわけです(笑)
 仕事でも「どうしてこうなるまで放っておいたんだ!?」と「最終的にどうにかなれば怒られないで済むと思って……」がせめぎ合うみたいなもんだ(なのか
 この辺は最終的に「パーティーの評判」となって返ってくる要素なので、決して「その場凌ぎ」だけでは終わらないのですが。

 余談。
 
 アーネスト隊はファヴでも最強候補の一角とされる少数精鋭型の傭兵隊で、隊長のアーネストは彷徨キャンペーンに出てた瞳さんの弟子です。
 イラスト左は契約している闇の高位精霊で、右は所有するアーティファクトに封じられた冥界の魔狼。
 詳しくはキャラクターズ・オヴ・フローラントT参照だ!!(読める人が殆ど居ない

 
 そして幻のキャラクターズ・オヴ・フローラントVの表紙ラフその一。
 実は既に10年前の時点で表紙に登場している八夏さん。


ダスティ「ボコボコにされてるし」
アルブレヒト「我々が本気を出せば楽勝ってわけでもないし(笑)」
モニカ「そうか。『回復し次第、再び向かうつもりですが、今回は不甲斐ない結果となり申し訳ありません』」
村長「いえいえ、お気になさらずに。幸いウチの家畜は無事ですから」

 全員爆笑

ダスティ「そういう問題!?」
DM「いやいや、大事ですよ」
アルブレヒト「まだ他人事で居られている」
ダスティ「村長の家畜だけはなんとか守らねば……」
モニカ「申し訳ありません。今夜はもう休ませてください」
村長「どうぞ、お休みください」



 翌日、辛うじて動けるようになったアルブレヒトとレーグネンは療養しつつ、回復の算段を立てる。唯一満足に動けるダスティは一人で街に買い出しである。

ダスティ「暗闇対策になるアイテムとかあれば買いますけど」
クラウス「あと、落とした武器の補充」
モニカ「高品質のハルバードが……」
アルブレヒト「コンティニュアル・フレイム……、ダーク・ヴィジョン。いや、ダーク・ヴィジョンは通じないんだった」
レーグネン「コンティニュアル・フレイムは暗闇に効くんですか?」
アルブレヒト「効くんだけど、付与してあった首飾りを前回の戦いで犬に壊されてしまった」

 コンティニュアル・フレイムは他の多くの明かり呪文と違い、持続時間が「永続」という特徴があるので(その分、触媒代がお高い)、「コンティニュアル」の名は伊達じゃない。
 なお、これを沢山持っておけば安心かと思いきや、エリア・ディスペル・マジックを喰らうとそれぞれ個別にディスペル判定されて壊滅する危険があるので、そうも言ってられないのであった。エリア・ディスペル・マジックは「個人相手のディスペル個数」なら1回だけなんだが、「所持品」は全部独立カウントされるんで、明かり呪文かかったアイテム10個持ってたら10回ディスペルされる(笑)

 レーグネンの自前発動と、調達してきた巻物のレッサー・レストレーションをジャカスカ投入するも、フルコンディションに戻るには3日間が経過。
 その間敵からの襲撃は無かったが、元気な者は厩舎の見回りもする事に。

ダスティ「村長の?」
レーグネン「そんな露骨なのは(笑)」
DM「パーティの総意として、他の住民にバレないようにしつつ村長の家畜をなるべく守るようにするの?」
八夏「いやー、それは」
ダスティ「個人的にはグルっと回りながらも、村長の所に少し時間を割きたいですね」
DM「他の人たちは?」
八夏「ダスティ一人では心配です。私も付いていきます」
クラウス「動けるようになったので、付いていきます」
モニカ「亡くなった人の墓とかありますか? 出来ればお参りしたいです」
DM「埋まってるだけだけど、あるよ」
モニカ「石投げられたりとかは」
DM「流石にそこまで嫌われてないし、仮にやりたくても反撃が怖くて出来ないね(笑) 実際帰ってきた時と同じように、恨みがましく見られるのと、まだ被害に遭ってないからそこまで悪く思われていないのが半々」
ダスティ「じゃあ、少し抜けてくる」
八夏「どこへ行くのですか?」
ダスティ「え? 仲間も居るし、そろそろ村長の家の周りを見張ろうと思ってね」
八夏「少し疑いの目を向けるんだけど。うーん、言っていることは解る」
クラウス「訝しみながらも、確かに仲間も本調子じゃないのも居るから、その点ではダスティが気に掛けるのも解る」
ダスティ「もし村長の家畜が殺され、村長も批難側に回られたら困るじゃないですか」
レーグネン「村長の家畜って、村長の家にいる訳じゃないよね」
ダスティ「はっ、たしかに。そうだったのか」
DM「家には近いかもしれないけど、家の護衛ではないよね」
レーグネン「もうちょっとあからさまになると思う」
DM「一人だけ農場の方を見に行くみたいな」
モニカ「なんでそっち(村長の家畜)の方に行くんですか?」
ダスティ「村長の家の周辺を見ているだけですよ」
DM「そんなダスティに対して、他の人は何も思わない、という考え方でいい? キャラとしてダスティの偏りに『気づく・気づかない』『咎める・気にしない』は重要だよ」
モニカ「気づかないキャラかな。ダスティ良い人だし」
八夏「偏ってるとは思うかもだけど、まだ1日目だからなんとも言い難い」
DM「モニカ、知力も判断力もかなり高いから、流石に気づくんじゃないかな。偏りがあるのは気づいた上で、仲間に『打算や悪意があるとは思わない』というキャラならいいけど」
モニカ「疑わない子なので、何か打算的にやっているとは思わないかな」

 これはダスティのプレイヤーがなにも説明せずに「自分は別行動しますわ〜」とだけロールプレイしてしたほうが、こういった「気づいたかどうか」って確認作業をせずに済んだろうねぇってのは、惜しいところ。真意を知らなければ自然に「スルーする」「訝しむ」の判断ができたような気がします。

DM「では、〈はったり〉と〈真意看破〉振ってみよう」
ダスティ「〈はったり〉21」
全員「ほお」
モニカ「〈真意看破〉26」
ダスティ「えっ!」
DM「モニカ鋭かった。『ダスティは本音を言ってないな』とは思っちゃいました。その上でどう対応するかは好きにしてください」
モニカ「ダスティ、何か隠し事はありますか?」
ダスティ「ナンノコトデスカ」
モニカ「なぜ外ばかり見ているのですか」
ダスティ「アルブレヒトさんはまだ戦える状態じゃないので、もしそこを襲われればひとたまりもないので……」
DM「目が泳いでる」
モニカ「本当のことはおっしゃってくれないのですね」
ダスティ「これは言わなきゃダメなのかな」
DM「俺に聞かれても困る(笑)」
ダスティ「『ではちょっといいですか』と二人で連れ立ちます」
DM「八夏に聞かれるとまずい(笑) まあ二人で話したいと言ってる相手に無理やりグイグイくるかどうかはロール次第だけど」
八夏「まぁ、二人は協力者なので様子見です」
クラウス「まだ問い詰める段階ではなさそうです」



ダスティ「ぶっちゃけこれは打算です。村長を依怙贔屓、ということではなく、単純に今回のミッションの成功率を上げるためです」
モニカ「というのは?」
ダスティ「今、村の民意は二分されています。そして村長は辛うじて、我々に希望を見出している側です。だからこそ村長の後ろ盾を得られている。もし村長の家畜が襲われるようなことがあれば、村長は我々を疑う側へ傾くでしょう。もし後ろ盾を失えば、ミッションを達成する確率は下がってしまいます」
モニカ「なぜですか? 村長の後ろ盾を失っても、我々を信じてくれる方々が居るのです」
DM「村長を尊重(ぼそっ)」

 DMの奇襲にパーティーは爆笑した!

ダスティ「村長の信頼を失う事は、単純に一人の信頼を失うということにはならないのです。村の民意自体が変わる可能性もあります」
モニカ「それは、他の我々を信じている人々の家畜が襲われてもよいのかという話になってしまします」
ダスティ「だから、これは打算です。村長以外の牛が失われても」
DM「ウシがウシなわれる(ぼそっ)」
ダスティ「やめてくださいよお! 緊迫した所なんですから(笑)」
DM「ごめん、美味しいかと思って我慢できなかった」

 正直申し訳ないと思っている。

モニカ「納得(わか)りません、ダスティ」
ダスティ「理解(わか)らないのであれば、それがモニカさんなのでしょう。ですが、私はこういう考えがあって動きました。モニカさんが止めろというのであれば、そのようにします」
モニカ「やはり、納得りません」
ダスティ「世の中、そんなもんだよん」
全員「だよん(笑)」
モニカ「理解は出来るけど、納得は出来ないって感じかな」
DM「ダスティが言ってるの、割と貴族の理屈と言うか。小を殺して大を生かす。モニカも貴族だから理解は出来る」
ダスティ「どちらかというと平民的というか、綺麗ごとじゃないぞと思ってます」
DM「貴族は全体の利益を追求し、効率的に優先順位をつけて切り捨てる。庶民は自分の利益を優先して他人を切り捨てる。視野の差はあるけど、利益っていうのが『自分を含めた全体の利益』なのか『自分だけの利益』なのかの違いがあるわけだな。今回のことで言えば村の生殺与奪の領域なので、より貴族的ではある。ダスティの理屈が『村長を味方につけてないと成功率が下がるから、他の村人の安全確保は犠牲にしよう。綺麗事じゃないんだ』ならば、貴族だって領民に犠牲を強いる時は『綺麗事じゃないぞ』と思っているんだよ」
アルブレヒト「たしかに。なかなか深いな」
DM「これが『自分たちが気持ちよく任務を遂行するには村長を味方につけておいたほうがいいんで、優先して守りましょう』ってだけのことなら、平民的な理屈になるんだけどね。結局のところ全体の効率を優先して小さな犠牲を許容するのは、『貴族的』っていうよりも『上に立つ人間の理屈』ってことだな」
ダスティ「モニカさんが決めてください」
モニカ「いえ、ただあなたがそういう風に言う方とは思わなかったので。そうするというのであれば止めはしません」

 パーティーきっての庶民派ダスティが「農民共の扱いを、自分たちの役に立つ度合いで差をつけましょう」と言ってくるとは、そりゃ思わん(笑)
 本人はそんなこと言ってる自覚が一切無いっぽいけど。

アルブレヒト「それだと容認することになるけど」
モニカ「私は嫌だけど、止めはしないのかなあ」
DM「安心して、八夏に露見すればダスティプランは採択されないから(笑)」
ダスティ「入れ知恵が(笑)」
クラウス「そんな事とはつゆ知らず。八夏と牛を眺めながら『のどかですね』」
八夏「田舎を思い出します」
アルブレヒト「魔物が出るかもしれない状況で、のどかとか言ってられないぞ(笑)」
クラウス「魔物が出るなんて信じられません」
八夏「この光景を守らねばいけません」
クラウス「ヒノワの家畜もこのような感じなのですか」
八夏「日輪のはもう少し背の低いような」
ダスティ「なんか仲良くなってるな二人」
DM「家畜が無残に殺された現場でのどかを感じるって、若干サイコパス味があるぞ(笑)」
アルブレヒト「現実を見ないようにしている」
DM「そして、釈然としない表情のモニカが戻ってくる」
モニカ「やはり、村長の家畜だけを優先して守るのは最良の選択ではないように思うのです……」
八夏「ほう、ダスティ。何か様子がおかしいと思いましたが」
クラウス「そういう意図が」
八夏「それは悪ではない?」
ダスティ「悪ではありません。打算です」
モニカ「ダスティが言うことも間違っているわけではありません」
八夏「そうでしょうね」

 こういった計算までアライメント的な「悪」にされてしまうと、領主なんて大半が悪になってしまう。
 八夏も落ち武者といえど士族の娘。理屈はわかっているのです。

ダスティ「納得ってくれますか」
八夏「だが、理解った上で、はいとは言えません」
ダスティ「モニカさんもそう言っていたので、であれば。はい。わかりました」
八夏「なるほど、それは覚悟の上と」
ダスティ「覚悟?」
DM「アンジャッシュしてきた(笑)」
ダスティ「覚悟、とはどういう事ですか? もし村を均等に護衛するというのであれば、私はその通りにします」
八夏「ならいいでしょう」
モニカ「こわい」
八夏「〈威圧〉高いからね。〈威圧〉振ってみる?」
DM「振ってみようか」
八夏「18」
DM「〈威圧〉18で睨んでいる」
クラウス「村長に恩義があるから守るというのであれば少しは肩を持とうかと思ったけど、完全打算ということなので、そうか……と」
八夏「『ダスティに覚悟があるなら、好きにするといいでしょう。私の道とは違います』と他を回りに行きます」
クラウス「付いていきます」
モニカ「『ダスティ、ありがとうございます』と言って八夏へ付いていきます」
DM「ダスティ置いて行っちゃった」

 全員爆笑

ダスティ「いや、元々強硬に反対するつもりじゃないので。皆で守るのなら付いて行きますよ」
DM「モニカとしてもこういった決断という意味では初めてだったかもね。足りない戦力で取捨選択するという状況に初めて晒されたんですよ」
モニカ「そうですね」
ダスティ「こっちはそういう所で生きてきたので」
DM「ダスティも大変だった。ただ今君が行った提案をノイエ・エイファスに聞かれたら、間違いなく説教されるけどね(笑)」
ダスティ「そんな、引いては村のために!」
アルブレヒト「貴族はみんなそう言うんだ! 俺たちを数字でしか見ていない!」
DM「ダスティがさらっと貴族的なことを言っているのに、自分では気づいてないってのは、話のネタ的にも面白そうなフラグが立った気がしないでもない(笑)」

 Don't give up justice, I want to get truth! 自分を客観的に見れるか?

●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 中の人が不甲斐ないばかりに、プレッシャーにいたたまれず村を出てしまったのだ。
 アルブレヒトはそんなこと気にするような玉ではないのに。
 すまぬ、すまぬ……。

 アルブレヒト隊のシャイニングリーダーとしては、ダスティに任せてしまうことには問題があるのだが、今回はほぼ寝たきり重病人でそもそも喋れなかったり、ベッドの中で療養中だったりで、完全に蚊帳の外である。ぐぬぬ。


・モニカ
 敵の強さを詐称したくないっていうのは、村人視点を考えると「ドラゴン倒しに行った勇者一行(レベル8くらい)がボロボロに帰ってきた……しかも、戦果無かっただって!? そんなにやべぇのか、あの廃坑にいるドラゴンは……!! もう逃げなきゃ、逃げるんだよーっ」っていうのをどうにか防ぎたい気持ちが出ました。
 多少、誤魔化すことである程度有耶無耶にできるなら、みたいな。

 ダスティの会話の件でモニがもにょもにょしてるのは訳があるんですが、まぁいつか話せる機会があるでしょう。



・レーグネン
 村長がまだ気を悪くしてないの、プレイヤーとしてはありがたいですね。
 ダスティの意図も分かるのですが、是認するわけにはいないのです。



・八夏
 村長、貴方は敵か味方か!(いや、敵ではないのはわかっていますが)
 そしてチャプター2の時よりクラウスと仲良くなった……のか?

 別にダスティを責める気はないですが、だからといって打算的にはなれませんねぇ。



・ダスティ
 ある意味、ダスティしか思いつかないであろうこと、ダスティにしかできないことを、パーティーのため、ひいては村のために良かれと思ってやっているわけだけど……。こんな時キャス姉がいてくれたら、と思ったり思わなかったり。


 こと今回の件に対してダスティのキャラとして「何が間違い」なんてことはないので、君は間違っていない。
 そして「自分の『小を殺して大を生かす』判断は、貴族のそれとは違うんだ」って思うのも、また「キャラクターの視野」としてのリアルで大いに結構。
 でもキャスがいたら(キャスは戦勝神の聖衛士だから)戦勝神の神寵者であるモニカ側に付くんじゃないですかね(笑)

     
“真実は見えるか”キャンペーン 第3回 チャプター10

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

 夕刻、見回りを終えて、浮かない顔のモニカが戻ってくる。

アルブレヒト「モニカ、何かあったのか」
モニカ「いえ、何も」
アルブレヒト「八夏、どうなんだ」
八夏「そうですね……」
アルブレヒト「何かあったのか」
モニカ「お兄様が気にすることではありません」
全員『(笑)』
DM「ついに、兄離れが!?」
モニカ「ご安心ください」
アルブレヒト「くっ。も、モニカ……!」
モニカ「それより、お体の様子はどうでしょう」
アルブレヒト「あ、ああ、だ、だいぶ良くなった」
モニカ「レーグネンは?」
レーグネン「そ、そそそうですね……」
クラウス「あのモニカ様が」
アルブレヒト「『お兄様には関係ありません』……と! クラウス、モニカに何があった。これまであんな態度をとったことはない」

『気にする事ではない』が、しっかり『関係ありません』に脳内変換されているアルブレヒト。

クラウス「モニカ様がおっしゃらないのであれば、私から言うことはありません」
レーグネン「ダスティは何か知っているのか」
ダスティ「モニカさんに聞いてもらえれば」
アルブレヒト「ダスティ。お前が原因なのだろう」
ダスティ「さあ、どうでしょう」
DM「では〈はったり〉を」
ダスティ「〈はったり〉16」
アルブレヒト「〈真意看破〉17」
DM「アルブレヒトは疑っている補正もあるから、明らかに嘘を吐いていると思うね。『また私がやっちゃいました』と顔に書いてある」
ダスティ「モニカさんの個人の考えによるものです。やはりアルブレヒトさん。あなたがモニカさんに聞いて、答えを導き出すしかないのではないでしょうか。モニカさんがどう言うかは分かりませんが。私が何を言ってもアルブレヒトさんは疑うかもしれないですし」
アルブレヒト「御託はいい!」
八夏「殿中でござる! 殿中でござる!」

 だがここは江戸城ではなく、村落である。

ダスティ「私は、妹君に聞かれるのがいいと思います」
DM「マジカル自白剤ことチャーム・パーソンでも使う?」
アルブレヒト「流石にそこまでは(笑)」

 
 なお、基本的にこの世界の倫理観に於いて他人の精神を望まぬ方向に操作する呪文は、とても印象が悪い。仲間の士気を鼓舞する呪文は問題無いが、チャームやサジェスチョンの様に「思考そのものを操ること」は、良識ある人からは眉を顰められる行為なのだ。スリープやホールド・パーソンといった「無力化」がグレーゾーンと言ったところ。
 いわゆる「魔導師に呪文をかけられて操られる」というのが、「呪いをかけられる」に並ぶ「得体の知れない恐怖の象徴」なのだな。この世界は「バリバリの魔導文明」なので、よくある「魔法使いが気味悪がられている世界」ではないのだが、それでも魔導師は現代で「資格を得て銃器を所持している人」くらいには(人によっては)警戒の対象であり、精神操作呪文は「銃で脅されて命令を強制されたらどうしよう」みたいな忌避感があるのだ。なお、普通の武器持ってるのは日常的な光景過ぎて、忌避感は特に無い。魔法の武器(この世界のマジックアイテムの多くは、パッと見でわかるくらい見た目が違う)持ってたり防具が充実していると「うわ、スゲェぞコイツ」になる。

 もちろん「モンスターに人権は無い」と容赦無くぶっ込むケースは普通に存在するし、別に悪ではないのだが、アニメとかで「精神操作(認識誤認をさせる幻術的な効果含む)で同士討ちをさせようとしてくる存在」が、往々にして主人公たちや視聴者から下衆扱いされるように、使われた側からは同様に目で見られることになる。
 とどのつまり悪の組織が精神操作や幻術を駆使して人間を同士討ちさせようとすれば「なんて邪悪な!」と扱われるが、ゴセイジャーは幻術を使って敵を同士討ちさせても「正義の天使」であることを憚らないし、別に視聴者の多くも気にしないのだ(あれ?

ダスティ「モニカさんの意思を尊重してあげてください。兄であるならなおさら」
モニカ「めっちゃ言いくるめてる(笑)」
ダスティ「実際そう思ってるし」
アルブレヒト「……」
八夏「これで言うかというと」
クラウス「モニカの心情を慮って」
DM「まぁ、ただ。たしかにパーティの村防衛プランを一部の人間に明かさないのかっていう統制上の問題はある。ルート変えたわけじゃないから大丈夫だけど」
クラウス「これで、別の日の村の防衛で、アルブレヒトがさらっと村長の周辺を重点的に守ったりしたら」
モニカ「あ、ありえるー!」
八夏「やりそう」
モニカ「一番貴族だから」
八夏「あなたも兄という立場なら、妹のことを信じてあげてください。納得できない部分はありますが、悪はありませんでした」

 付き合いが浅いため、自分がどれだけ「それが出来たらアルブレヒトじゃねぇよ」な「正論」を言ってるかもわかっていない八夏(笑)

アルブレヒト「くっ、ぐっ。ふー…」
ダスティ「ここまでの大事になるとは(笑)」
モニカ「もしかしらたダスティとお兄様、どこか相性がいいのかもしれない。方向性は違っても、結論が近いというか」

 このあとダスティの猛烈な煽り攻勢が始まることを、モニカは想像もしないのであった。

アルブレヒト「も、モニカ。そこに座りなさい。私たちは今や、たった二人の家族かもしれないのだ」
ダスティ「そっちから攻めるか(笑)」
アルブレヒト「君たちの態度はただ事ではない。いったい何があったのだ」
モニカ「特になにも……ありませんでした」
アルブレヒト「そんなことはなかろぅ……。兄には言えぬ事なのか」
モニカ「言うような事ではございません」
DM「アルブレヒトはダスティのことを嫌いになるんじゃないか(笑)」
ダスティ「『妹を誑かしたのはお前か!』と(笑)」
DM「下賤の者が妹に何か吹き込んだと(笑)」
ダスティ「そんなつもりは無かったんだけどなあ」
八夏「後ろから攻撃呪文を撃たれる(笑)」
DM「モニカもこうやって兄に『なにも伝えない』ということを選択するの初めてなんじゃない?」
モニカ「そうかもなあ。うーん、大した事では無いし、最初は心配させるつもりも無かったですが。ここは『解決したらお伝えしますわ』」

 退室するモニカ。

アルブレヒト「だいたい貴様。『モニカさん』とはなんだ!」
ダスティ「いえ、特に深く考えていたわけではありませんが。これから旅を続ける仲間として、自然とそう言っているだけですよ、アルブレヒト“さん”」

 全員爆笑

DM「いったいった、ダスティがいったー! 完全に煽ったーっ!」
ダスティ「そういうつもりは(笑)」
DM「つもりが無いほうが余計タチ悪いわ!!(笑)」
ダスティ「気を悪くしたなら申し訳ない。ただ、これから一致団結して頑張るなら、こうした方がいいと私は思っています」
アルブレヒト「さんづけなら団結出来るなど、まるで意味が解らんぞ!」
DM「お兄様は特に没落してる自覚ないしね」

 今回のキャンペーンをプレイするに当たり、「メンバーの半分が貴族や貴族出身」という特殊な状況を鑑みて「この世界における貴族への認識」を以下のように解説をしたんですな。

 まず強く強く強く強調したのは、「よくあるフィクションの認識で、貴族を偉そうにして搾取するだけの害悪と短絡しないで欲しい」ということ。貴族=銀河英雄伝説のスペースボンクラ貴族みたいなイメージだけでプレイするのは、大いなる誤解だと。
 この世界は貴族がちゃんと統治して問題無く動いてるところなんて幾らでもあるし、社会一般の認識として「この世は平等であるべき」という考えは極めて異端で、それを主張することは現代日本で「この世は生まれながらに高貴な人間とそうでない人間で区別するべきだ」と主張するくらいに「同意を得られづらい主張」となる。
 反政府テロリストであるノイエ・エイファスですら「貴族を襲う」ではなく「悪い貴族を襲う」なので、貴族そのものを否定はしていないし、神が実際に存在して現世に関与しまくってる世界で、その神が「貴族はこの世に不要な悪である」と否定してない時点で、「貴族はおかしい」なんて発想はそう簡単には主流になり得ない。
 だからモニカは貴族として「身分の差というのは認めた上で、それでも優しいお嬢様」を両立し得る。万民平等の精神が無い=悪というのは、捨てて欲しい先入観である。

 ダスティはその上でなお「貴族を上に扱うのが気に入らないキャラ」をロールプレイするというなら止めはしないが、それはさっきも言ったようにこの世界に共感してくれる人は一般的ではないし、現代で「義務教育なんて不要。皆自由にするべき」「瀉血すれば何でも治る」「警察なんて無い方がいい」「そもそも法律なんてもんが不要。トラブルは個人の話し合いで解決出来る」「眼鏡外したほうが可愛い」とか主張する人くらいの目で見られるから、そのつもりで演じてねと念を押したわけですね。
 フィクションでありがちな「民衆は貴族を憎んでいて常に叛逆の機会を伺っている者と、全てを諦めて感情を殺して隷属している者の2種類しか居ない」みたいなことは、地理的に孤立してる圧制者の土地でもなければ無いと(もちろん、そこまで極端じゃなければ、民忠低めの土地は幾らでもあるけど)。なんせ露骨かつ大々的に神に背いた悪逆非道な圧制者なんていたら、リアルに神罰(の大義名分を得た宣戦布告等、色々あるが詳しく話すと長くなり過ぎるので割愛)が下る世界だから。
 なお当然、反社会のアウトローとしてなら別におかしくないって意味では「この世界でも存在し得る価値観」ではある。テンプレ的な「お貴族様が大嫌いなんでなぁ!」ってキャラだって普通にあり得る。ダスティもアウトローだからそうだと言われれば別に問題は無い。
 だがしかし、チームワークの向上を目的として「この部隊では階級なんて関係無い。皆同じ戦友だ」なんて「指揮系統の明確化」という極めて効率的な戦闘システムを無視した思想をぶち上げる「優秀な隊長」は全然一般的でなくてむしろ異常で、パーティ内での社会的地位に格差の在る冒険者や傭兵に「パーティー組む以上対等に扱うのが当然」なんてセオリーも一切無い。対等なパーティーが居ないとも言わないが、それが当然なんてこともない。「待遇(報酬の分前等)が平等」なのと「身分が対等」はイコールではないので、「身分も対等が最効率」というのはあくまでダスティの認識でありこの世界の常識ではない、と。
 ホント念を押したからね? マジで! 皆の前で! 何度も何度も!!

 
アルブレヒト「モニカ様、アルブレヒト様と呼ぶのが親しき仲としても礼儀というものだろう」
ダスティ「そうですか」
DM「我々の感覚ですら、『親しい場合は必ず呼び方が砕けるもの。それを受け入れない奴はおかしい』ってわけじゃないしね。個人の関係なんで一概に言えるもんじゃないけど。なんにせよ現代人の価値観をそのまま反映すべきものではないし。ダスティも〈交渉〉は持っているから礼儀に対する社会常識としてアルブレヒトが言う事は理解はできる。理解した上で非常識な態度を取るならそれはまぁ君のキャラだから自由ではある」
ダスティ「まぁ、打算でいけば衝突する気はないので。『わかりました、ではアルブレヒト“さん”……』」

 全員苦笑

DM「いやうん、この世界の感覚見解無く完全に喧嘩売ってるねそれっていうか『その態度は失礼じゃないの?』って指摘された後に一切直さずに煽るのヤバいな。全力で衝突する態度だな」
ダスティ「アルブレヒト“さん”……ま。これから気を付けます。ボロを出す事があるかもしれませんが」
アルブレヒト「……分かればよし」

 これで怒らないどころか引き下がってるアルブレヒトがむしろ心配になるやつである。
 なお、一般的な貴族に対して平民がこんな煽ったらその場で斬り殺されても文句言えません。
 武士である八夏の価値観としても斬捨御免過ぎるシチュだったりします。そういった意味では彼女が見過ごすのも実はキャラがぶれているのだが、そこはDMが「日輪人の認識では〜」と補足説明すべきことであった。

モニカ「この場に居なくてよかった……」
ダスティ「今日はもう寝ましょう」
アルブレヒト「……結局、モニカは教えてくれなかった」
ダスティ「やはり、妹様から直接お聞きになるのが良いかと。こういった事が初めてであれば、乗り越えることでさらに兄妹の絆が深まるのでありませんか」
アルブレヒト「『この野郎、いいこと言ったみたいな御託並べやがって……』という顔」
DM「ダスティのドヤ顔がムカつく(笑)」
ダスティ「あれ、私なんか言っちゃいました?」
アルブレヒト「寝る……」
DM(すげぇな……どこまでも煽りまくりだ……!! 一致団結する気ゼロ……!!)

 ちなみにこの世界の一般的な感覚としては、貴族組がダスティに「謙譲語で喋ることを求めない」「自分たちと同じレベルの部屋に寝泊まりさせている」とかは破格の寛容さであり、ダスティが一方的に「俺は歩み寄る気はない。お前たちが一方的に歩み寄ってこい」と言ってる感じなのです。

 Don't use humble words. I want equality! 第3回終了!! この不良少年なんでこんな尖ってんの!?

●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 なんでこれで場を収めてしまったのか、と言いますと。
 実際のプレイの時はあのダスティの煽りで『もうこいつはまともに取り合う必要ないな』と感じて話を打ち切ったんですよね。
 リプレイとして文章にされたものを改めて読んで、後付けで心境をまとめると以下のようになります。

 常識人であり、良識に富んだ貴族であるアルブレヒトは、彼の非礼をたしなめたわけです。
 それに対してダスティはなにやら持論を展開したもの、彼の言う理屈がアルブレヒトには1ミリたりとも理解できないと。
 あげく揉める気はないと言いながら、それを取り繕うどころか煽ってくる。
 ここでアルブレヒトはダスティを『まともな人間』の範疇から外したのですね。

 そもそもごろつきや異端者といった輩が礼儀や常識を解さないのは当然なので、それにいちいち腹を立てることはないし、人としての有り様をアルブレヒトが懇切丁寧に説いてやるような価値のある存在でもない。
 なのでアルブレヒトとしては引き下がったわけではなく、彼への興味を失ったのです。
『下衆は相手にしない』アルブレヒトとしてはそれがおそらく一番自然なのでは。

 まさかここまでダスティを見限っていたとは。
 自分でも予想外でした。


・モニカ
 実のとこのお兄様に泣きついてもよかったんですけれど、モニカの判断うんぬんの話をきいて自分の問題であるかな、と、それ以上にアルブレヒトに心配させまいとした結果ですね。(しかしながらこのモニカ、めちゃくちゃ顔にでているのである)
「気にすることではありません」と実際に発言した瞬間のアル中(プレイヤー)の表情は忘れられません、絶句されておりました笑

 しかし、しかし、それにしても、お、恐ろしいことになっておる……!
 大変オイシくて結構なのですが、もしもモニカがこの場にいたならばダスティは死よりも恐ろしい目にあっていたのかもしれませんね。



・レーグネン
 モニカの何気ない否定から、兄の狼狽えよう、大変笑わせてもらいました。
 確かにアルブレヒトに対して何も伝えないというのは、大きな意味を感じさせるものでした。
 ダスティの無自覚の煽りだ!
 その後のうっかりも含めて、端から見てるとダスティおいしすぎる(笑)



・八夏
 第1回兄妹だけの家族会議、失敗!(オイ

 ダスティ・アルブレヒト・モニカの関係に、「一人娘がチャラ男の彼氏連れて挨拶に来た時の激昂したラー……もとい父親」を幻視する傍観者と化しそう。
 母親ポジはレーグネン?

 それはさておき、貴族と平民の関係問題は貴族側にいる八夏も気をつけなきゃいけなさそうです。
 プレイ中は気が回りませんでしたが、私もぶれていたとは。
 しかしいきなり切捨御免しちゃうのも……錬金術銀製の脇差だからダメージ下がってるので致命傷で助かるかも?(違

 切捨……抜刀……はて、つい最近どこかで話が出たような(スットボケ



ダスティ
 プレイ時は「お嬢様が、不良っぽい少年と出会って初めはケンカもするが、それを機に変化が……。でも、シスコンの兄はそれが気に入らないようで……」みたいな、少女マンガちっくなノリに沸いていたのだが……そんな不良少年な勢いで突っ走った結果、最後のほうは少し悪ノリが過ぎたかなと、ちょっと反省してます。ゴメンね!



 プレイヤー同士は喧嘩せず仲のいい状態であることは疑いようがないゆえに、一部から「おいしい」と思われているわけですが、DMとしては「ここまではっきりガッチリ喧嘩売った」事実をギャグで流すわけにはいかないので、パーティー内の亀裂という意味ではかなり深刻な状況だと思っている次第である。